はじめに
これまで、ベクトルの線形結合や線形独立、基底について見てきました。
たとえば、2本のベクトル \(\boldsymbol{a},\ \boldsymbol{b}\) があるとき、\(s\boldsymbol{a}+t\boldsymbol{b}\) という線形結合によって、さまざまなベクトルを作ることができました。そして、空間全体を作ることができ、線形独立なベクトルの組が基底でした。
では、ここでいう「空間」とは、そもそも何なのでしょうか。
これまでは、2次元なら平面、3次元なら空間というように、図形として「空間」を考えてきました。しかし、線形代数では、この考え方をさらに一般化します。
ベクトル空間とは、足し算と定数倍が定義され、それらの計算が一定のルールに従って行える「ベクトルの集まり」です。特に、足し算や定数倍をしても、その集まりの外へ出ないことが重要です。
この記事では、これまで学んできた線形結合と基底から出発して、ベクトル空間の意味や条件、さまざまな対象をベクトルとして扱える理由について考えていきます。
この記事でわかること
この記事では、次の内容の理解を目指します。
- ベクトル空間とは、どのようなベクトルの集まりなのか
- 足し算と定数倍について「閉じている」とはどういう意味か
- 原点を通る直線がベクトル空間になるのはなぜか
- ベクトル空間には、どのようなルールが必要なのか
- 線形結合・線形独立・基底とベクトル空間はどうつながるのか
- 多項式や関数もベクトルとして扱えるのはなぜか
1.これまで「平面」を作ってきた
まず、これまで学んできた線形結合を振り返ってみましょう。たとえば、次の2本のベクトルを考えます。
$$
\boldsymbol{a}=
\begin{pmatrix}
1\\
0
\end{pmatrix},
\quad
\boldsymbol{b}=
\begin{pmatrix}
0\\
1
\end{pmatrix}
$$
この2本を使って、\(s\boldsymbol{a}+t\boldsymbol{b}\) という線形結合を作ると、
$$
s
\begin{pmatrix}
1\\
0
\end{pmatrix}
+
t
\begin{pmatrix}
0\\
1
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
s\\
t
\end{pmatrix}
$$
となります。
係数 \(s,\ t\) を自由に変えれば、平面上のどんなベクトルでも作ることができます。つまり、この2本のベクトルの線形結合によって、2次元平面全体を作ることができるのです。
この様子を図で確認してみましょう。

図の赤いベクトルは、\(s\boldsymbol{a}+t\boldsymbol{b}\) で作られるベクトルのひとつです。係数 \(s,\ t\) を変えると、その先端は平面上を自由に動き、平面上のあらゆるベクトルを作ることができます。
つまり、私たちはこれまで線形結合を考えることで、すでに「ベクトルから空間を作る」ということをしていたのです。
2.では「ベクトル空間」とは何か?
ここから少し視点を変えてみましょう。
平面上にあるすべての2成分の実数ベクトルの集まりを、\(\mathbb{R}^2\) と表します。たとえば、
$$
\begin{pmatrix}
2\\
1
\end{pmatrix},
\quad
\begin{pmatrix}
-3\\
4
\end{pmatrix},
\quad
\begin{pmatrix}
0\\
0
\end{pmatrix}
$$
などは、すべて \(\mathbb{R}^2\) に含まれるベクトルです。
では、この中から2つのベクトル \(\boldsymbol{u},\ \boldsymbol{v}\) を取り出してみましょう。たとえば、
$$
\boldsymbol{u}=
\begin{pmatrix}
2\\
1
\end{pmatrix},
\quad
\boldsymbol{v}=
\begin{pmatrix}
-3\\
4
\end{pmatrix}
$$
とすると、足し算の結果は、
$$
\boldsymbol{u}+\boldsymbol{v}
=
\begin{pmatrix}
-1\\
5
\end{pmatrix}
$$
となります。また、\(\boldsymbol{u}\) を2倍すると、\(2\boldsymbol{u}=(4,2)^T\) となります。
どちらも、やはり \(\mathbb{R}^2\) に含まれるベクトルです。これは、どのような2成分の実数ベクトルを選んでも同じです。
このように、ある集合の中にあるベクトルを足したり定数倍したりしても、結果が同じ集合の中にとどまる性質を「閉じている」といいます。
ベクトル空間を理解するうえで重要なのは、「足し算」と「定数倍」について閉じていることです。空間の中にあるベクトルを計算しても、結果は同じ空間の中にとどまります。
ただし、これだけがベクトル空間の条件ではありません。足し算や定数倍には、交換法則や分配法則などのルールも必要です。これらについては第5章で整理します。
3.なぜ「線形結合」が重要なのか
ベクトル空間で重要なのが、これまで何度も登場してきた線形結合です。
ベクトル \(\boldsymbol{u},\ \boldsymbol{v}\) が、あるベクトル空間 \(V\) に含まれているとします。ベクトル空間は定数倍について閉じているため、実数 \(s,\ t\) を使った \(s\boldsymbol{u},\ t\boldsymbol{v}\) も \(V\) に含まれます。
さらに、足し算についても閉じているので、
$$
s\boldsymbol{u}+t\boldsymbol{v}\in V
$$
となります。
つまり、ベクトル空間では、その中にあるベクトルを線形結合しても、必ず同じ空間の中にとどまるのです。
これは2本の場合だけではありません。ベクトル \(\boldsymbol{v}_1,\ \ldots,\ \boldsymbol{v}_n\) がすべて \(V\) に含まれていれば、それらの線形結合も \(V\) に含まれます。
$$
a_1\boldsymbol{v}_1
+a_2\boldsymbol{v}_2
+\cdots
+a_n\boldsymbol{v}_n
\in V
$$
これまで線形結合を学んだときには、「ベクトルを何倍かして足す操作」として考えてきました。ベクトル空間という立場から見ると、その線形結合こそが空間の中で自由に行える基本操作だったことがわかります。
ベクトル空間では、空間内のベクトルをどのように線形結合しても、その空間の外へ出ることはありません。
4.直線もベクトル空間になる
ベクトル空間というと、2次元平面全体や3次元空間全体を想像するかもしれません。しかし、もっと小さなベクトルの集まりも、ベクトル空間になることがあります。
たとえば、次のベクトルを考えてみましょう。
$$
\boldsymbol{a}=
\begin{pmatrix}
1\\
2
\end{pmatrix}
$$
このベクトルを実数 \(t\) 倍してできる \(t\boldsymbol{a}\) をすべて集めると、原点を通る1本の直線になります。
この直線上にある2つのベクトルは、それぞれ \(s\boldsymbol{a},\ t\boldsymbol{a}\) と表せます。これらを足すと、
$$
s\boldsymbol{a}+t\boldsymbol{a}
=
(s+t)\boldsymbol{a}
$$
となり、やはり同じ直線上にあります。また、\(s\boldsymbol{a}\) を実数 \(c\) 倍しても、\(cs\boldsymbol{a}\) となるので、同じ直線上にとどまります。
したがって、この直線は足し算と定数倍について閉じています。通常のベクトルの計算ルールも満たすため、ベクトル空間として考えることができます。
では、直線なら何でもベクトル空間になるのでしょうか。ここで、原点を通る直線と原点を通らない直線を比べてみましょう。

左の直線は原点を通っているため、零ベクトル \(\boldsymbol{0}\) を含んでいます。一方、右の \(\boldsymbol{p}+t\boldsymbol{a}\) で表される直線は原点からずれているため、零ベクトルを含んでいません。
ここで重要なのは、ベクトル空間には必ず零ベクトルが含まれるということです。
実際、ベクトル空間に \(\boldsymbol{u}\) が含まれていれば、その \(0\) 倍である \(0\boldsymbol{u}=\boldsymbol{0}\) も含まれていなければなりません。
したがって、原点を通らない直線は、通常のベクトルの足し算と定数倍ではベクトル空間になりません。同じように、原点からずれた平面も、そのままではベクトル空間になりません。
原点を通る直線はベクトル空間になりますが、原点を通らない直線はベクトル空間になりません。零ベクトルを含むことに加えて、足し算と定数倍について閉じていることが必要です。
なお、零ベクトルを含んでいるだけで、必ずベクトル空間になるわけではありません。たとえば、原点を通る2本の異なる直線を合わせた集合は、零ベクトルを含みますが、一般には足し算について閉じていません。
5.ベクトル空間のルールをもう少し正確に見る
ここまでは、ベクトル空間を「足し算と定数倍をしても外へ出ないベクトルの集まり」として考えてきました。しかし、数学では、これらの計算が満たすべきルールも定められています。
このルールをベクトル空間の公理といいます。
5.1.足し算と定数倍について閉じている
まず、ベクトル空間 \(V\) に含まれる任意のベクトル \(\boldsymbol{u},\ \boldsymbol{v}\) と実数 \(a\) に対して、次の2つが成り立つ必要があります。
- 足し算について閉じている:\(\boldsymbol{u}+\boldsymbol{v}\in V\)
- 定数倍について閉じている:\(a\boldsymbol{u}\in V\)
これは、これまで確認してきた「計算しても空間の外へ出ない」という条件です。
5.2.計算には一定のルールがある
さらに、ベクトル \(\boldsymbol{u},\ \boldsymbol{v},\ \boldsymbol{w}\) と実数 \(a,\ b\) に対して、次の性質が必要です。
- 足し算の交換法則:\(\boldsymbol{u}+\boldsymbol{v}=\boldsymbol{v}+\boldsymbol{u}\)
- 足し算の結合法則:\((\boldsymbol{u}+\boldsymbol{v})+\boldsymbol{w}=\boldsymbol{u}+(\boldsymbol{v}+\boldsymbol{w})\)
- 零ベクトルの存在:\(\boldsymbol{u}+\boldsymbol{0}=\boldsymbol{u}\) となる \(\boldsymbol{0}\) が存在する
- 逆ベクトルの存在:\(\boldsymbol{u}+(-\boldsymbol{u})=\boldsymbol{0}\) となる \(-\boldsymbol{u}\) が存在する
- 分配法則:\(a(\boldsymbol{u}+\boldsymbol{v})=a\boldsymbol{u}+a\boldsymbol{v}\)
- 分配法則:\((a+b)\boldsymbol{u}=a\boldsymbol{u}+b\boldsymbol{u}\)
- 定数倍の結合法則:\(a(b\boldsymbol{u})=(ab)\boldsymbol{u}\)
- 1倍の性質:\(1\boldsymbol{u}=\boldsymbol{u}\)
こうして並べると難しそうに見えますが、\(\mathbb{R}^2\) や \(\mathbb{R}^3\) で普通にベクトルを計算しているときには、どれも自然に使ってきた性質です。
たとえば、\(\boldsymbol{u}+\boldsymbol{v}=\boldsymbol{v}+\boldsymbol{u}\) は、足す順番を変えても結果が同じになるという意味です。また、\(a(\boldsymbol{u}+\boldsymbol{v})=a\boldsymbol{u}+a\boldsymbol{v}\) は、定数倍をそれぞれのベクトルに分配できることを表しています。
ベクトル空間とは、足し算と定数倍について閉じており、さらにこれらの計算が公理を満たす集合です。公理は、ベクトルの計算を一般的な対象にも広げるための共通ルールだと考えられます。
最初からすべての公理を暗記する必要はありません。まずは「線形結合を自由に行えること」と「その計算が一定のルールに従うこと」の2点を押さえておきましょう。
6.基底から見るとベクトル空間がわかりやすい
ここで、これまで学んだ基底につなげてみましょう。
\(\mathbb{R}^2\) では、次の2本のベクトルを考えます。
$$
\boldsymbol{e}_1=
\begin{pmatrix}
1\\
0
\end{pmatrix},
\quad
\boldsymbol{e}_2=
\begin{pmatrix}
0\\
1
\end{pmatrix}
$$
この2本を使えば、\(\mathbb{R}^2\) の任意のベクトルを、
$$
\boldsymbol{v}
=
x\boldsymbol{e}_1+y\boldsymbol{e}_2
=
\begin{pmatrix}
x\\
y
\end{pmatrix}
$$
と表すことができます。
つまり、\(\boldsymbol{e}_1,\ \boldsymbol{e}_2\) の線形結合によって、\(\mathbb{R}^2\) 全体を作ることができます。
しかも、この2本は線形独立です。したがって、\(\boldsymbol{e}_1,\ \boldsymbol{e}_2\) は \(\mathbb{R}^2\) の基底になります。
基底とは、ベクトル空間全体を張り、しかも線形独立なベクトルの集まりです。基底を決めると、空間内のすべてのベクトルを、その基底の線形結合としてただ1通りに表せます。
ここで、ベクトル空間と基底の役割を整理してみましょう。
ベクトル空間は、足し算と定数倍を行える「ベクトルの集まり」です。一方、基底は、その空間全体を作るために必要なベクトルを選んだものです。
つまり、ベクトル空間という「全体」があり、その全体を線形結合で表すための「必要最小限のベクトル」が基底なのです。
7.「ベクトル」は矢印だけではない
ここまでは、数を縦に並べたベクトルを考えてきました。しかし、ベクトル空間という考え方が重要なのは、もっと広い対象を同じ仕組みで扱えるところにあります。
たとえば、次の形の多項式を考えてみましょう。
$$
p(x)=a+bx+cx^2
$$
ここで、\(a,\ b,\ c\) は任意の実数です。この形で表される多項式をすべて集めたものを考えます。
7.1.多項式も足し算と定数倍ができる
たとえば、次の2つの多項式を考えます。
$$
p(x)=1+2x-x^2
$$
$$
q(x)=3-x+2x^2
$$
この2つを足すと、
$$
\begin{aligned}
p(x)+q(x)
&=(1+3)+(2-1)x+(-1+2)x^2\\
&=4+x+x^2
\end{aligned}
$$
となります。
また、\(p(x)\) を2倍すると、\(2p(x)=2+4x-2x^2\) です。
どちらも、やはり \(a+bx+cx^2\) という形の多項式になっています。つまり、2次以下の実係数多項式全体は、足し算と実数倍について閉じています。
さらに、多項式の通常の計算では、交換法則や分配法則なども成り立ちます。したがって、2次以下の実係数多項式全体もベクトル空間になります。
7.2.数ベクトルと多項式には共通点がある
ここで、数ベクトルと多項式を比べてみましょう。
たとえば、次の数ベクトルを考えます。
$$
\begin{pmatrix}
1\\
2\\
-1
\end{pmatrix}
$$
これに対応する多項式として、\(1+2x-x^2\) を考えることができます。

数ベクトルは3つの成分 \((1,\ 2,\ -1)\) で決まり、多項式も3つの係数 \((1,\ 2,\ -1)\) で決まっています。
さらに、数ベクトルの足し算は各成分を足す計算であり、多項式の足し算も同じ次数の係数を足す計算です。定数倍についても同じように対応しています。
そして、数ベクトルでは3本の標準基底を使うのと同じように、多項式では \(1,\ x,\ x^2\) を使って、任意の2次以下の多項式を、
$$
p(x)=a\cdot1+b\cdot x+c\cdot x^2
$$
と表すことができます。
しかも、\(1,\ x,\ x^2\) は線形独立です。実際、\(a+bx+cx^2\) がすべての \(x\) に対して \(0\) になるのは、\(a=b=c=0\) の場合だけだからです。
したがって、\(1,\ x,\ x^2\) は2次以下の実係数多項式全体の基底になります。
線形代数でいうベクトルは、必ずしも矢印や数の組である必要はありません。足し算と定数倍が定義され、ベクトル空間の公理を満たすなら、多項式などもベクトルとして扱うことができます。
8.なぜベクトル空間まで一般化するのか
多項式の例からわかるように、ベクトル空間を考える目的は、単に「ベクトル」の意味を広げることではありません。見た目の異なる対象を、同じ線形代数の仕組みで扱えるようにすることにあります。
たとえば、次のような対象も、適切な足し算と定数倍を考えることで、ベクトル空間として扱えます。
- 数を並べたベクトル
- 2次以下の多項式全体
- 実数全体で定義された実数値の連続関数全体
- 同じサイズの実数行列全体
これらは見た目も使い道も異なります。しかし、足し算と定数倍について共通のルールを持っているため、線形結合・線形独立・基底といった考え方を使うことができます。
たとえば、行列も同じサイズ同士なら足し算ができ、実数倍もできます。したがって、行列の集まりについても、どの行列がほかの行列の線形結合で表せるのか、基底として何個の行列が必要なのか、といった問題を考えられます。
ベクトル空間という考え方によって、見た目の異なるさまざまな対象を、同じ線形代数の言葉で扱えるようになります。
つまり、ベクトル空間は新しい計算方法というより、これまで学んできた線形代数をより広い対象へ応用するための共通の枠組みなのです。
9.線形結合・線形独立・基底のつながり
ここまでの流れを整理してみましょう。
まず、ベクトルを定数倍して足す操作が線形結合です。あるベクトルの集まりから線形結合によって作れるベクトル全体も、ベクトル空間になります。
たとえば、\(\boldsymbol{v}_1,\ \ldots,\ \boldsymbol{v}_n\) から作れるベクトル全体は、
$$
V=
\left\{
a_1\boldsymbol{v}_1+\cdots+a_n\boldsymbol{v}_n
\mid a_1,\ \ldots,\ a_n\in\mathbb{R}
\right\}
$$
と表せます。これは、これらのベクトルが張る空間です。
このような空間では、線形結合によって同じベクトルを作れてしまう余分なベクトルがあるかどうかを、線形独立という考え方で調べます。
そして、空間全体を張り、しかも線形独立なベクトルを集めたものが基底です。
それぞれの役割を整理すると、次のようになります。
- 線形結合:ベクトルを定数倍して足す操作
- ベクトル空間:足し算と定数倍が一定のルールに従って行える集合
- 線形独立:ベクトルの間に余分なものがないことを表す条件
- 基底:空間全体を張り、線形独立なベクトルの集まり
ベクトル空間は、線形結合・線形独立・基底という考え方を使うための「舞台」です。基底を選ぶことで、その舞台にあるすべてのベクトルを、線形結合として一意に表せます。
これらの考え方は、今後学ぶ部分空間や次元、座標、線形写像などを理解するための基礎になります。
10.次は「空間の中にある空間」を考える
今回は、ベクトル空間を「足し算と定数倍ができ、一定のルールを満たすベクトルの集まり」として考えてきました。しかし、ひとつのベクトル空間の中には、さらに小さなベクトル空間が含まれていることがあります。
たとえば、\(\mathbb{R}^2\) は2次元平面全体ですが、その中にある原点を通る直線もベクトル空間でした。つまり、ベクトル空間の中に、別のベクトル空間が存在することがあります。
このような空間を部分空間といいます。
次回は、「どんな集合なら、ベクトル空間の中の小さなベクトル空間になるのか?」という視点から、部分空間について考えていきます。
まとめ
今回は、ベクトル空間とは何かを、これまで学んできた線形結合と基底から考えてきました。重要なポイントを整理します。
- ベクトル空間とは、足し算と定数倍が定義され、一定の公理を満たすベクトルの集まり。
- ベクトル空間では、足し算と定数倍をしても、その空間の中にとどまる。
- 空間内のベクトルを線形結合しても、結果は同じ空間に含まれる。
- 原点を通る直線はベクトル空間になるが、原点を通らない直線はそのままではベクトル空間にならない。
- 基底とは、空間全体を張り、線形独立なベクトルの集まり。
- 多項式や関数、行列なども、ベクトル空間の公理を満たす集まりであればベクトルとして扱える。
ベクトル空間とは、線形結合を自由に行える「ベクトルの集まり」です。この考え方によって、矢印や数の組だけでなく、多項式や関数なども、同じ線形代数の仕組みで理解できるようになります。
次回は、ベクトル空間の中にある「部分空間」について考えます。足し算と定数倍について閉じているという性質が、部分空間を見つけるためにどのように使われるのかを確認していきましょう。
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