ミステリー小説

ミステリー小説

東野圭吾『白鳥とコウモリ』感想|本当に責任を負うべき人間は誰なのか

「本当に責任を負うべき人間は誰なのか?」『白鳥とコウモリ』を読み終えて、突きつけられたのはこの重い問いでした。事件が起きると、世間はこぞって犯人を捜し、加害者家族を激しく叩き始めます。SNSでは個人情報が晒され、マスコミはセンセーショナルな...
ミステリー小説

市川憂人『ジェリーフィッシュは凍らない』感想|“考える暇を与えない”極限のクローズドサークル

「犯人は誰だ?」を追いかけていたはずなのに、気づけば次の謎が叩き込まれている。市川憂人さんの小説『ジェリーフィッシュは凍らない』は、そんな“息継ぎを許さないタイプ”のミステリーです。小型飛行船という閉鎖空間。雪山。連続殺人。隠蔽された過去。...
ミステリー小説

小川哲『君のクイズ』感想|読者まで“解答者”にしてくる異常なミステリー

「問題文が一文字も読まれていないのに、なぜ正解できたのか?」この謎が気になりすぎて、ページをめくる手が止まりませんでした。しかも厄介なのは、「ヤラセだったら許せない」という怒りまで同時に沸いてしまうことです。ただのミステリーではありません。...
ミステリー小説

土屋うさぎ『謎の香りはパン屋から』感想|やめかけた物語が、最後に自分を救った

正直、『謎の香りはパン屋から』は途中で読むのをやめかけました。最初の数話は、軽く読めるのですが、それ以上のものを掴めない感覚があったからです。私が日常ミステリーに求めていた"驚き”や“人の奥行き”とは、少し違っていたからだと思います。それで...
ミステリー小説

山口未桜「城崎響介シリーズ」読む順番|心をえぐる医療ミステリー2作の魅力

真実を暴く探偵は多い。でも城崎きのさき響介は、真実のその先にいる“人間”まで見ようとする。山口未桜さんの小説『城崎響介シリーズ』は、事件を解くだけのミステリーではありません。読み終えたあとに残るのは、謎ではなく、人の感情です。冷静に真相を追...
ミステリー小説

山口未桜『白魔の檻』感想|優しい人ほど損をする世界がつらかった

「助けたいと思う人ほど、先に壊れてしまう。」山口未桜さんの小説『白魔の檻』を読み終えたあと、いちばん強く心に残ったのは、事件の真相そのものではありませんでした。苦しかったのは、誰かを救おうとした善意が、少しずつ削られていく姿でした。この小説...
ミステリー小説

東野圭吾『予知夢』感想|オカルトが、科学で“ありえそう”に変わる恐怖

「予知夢なんて、科学で説明できるわけがない。」そう思っていたのに、最後には妙に納得させられてしまう。『予知夢』は、オカルトが科学に負ける瞬間を楽しむミステリーです。この小説で面白いのは、犯人当てだけではありません。むしろ、「なぜそんな現象が...
ミステリー小説

森バジル『探偵小石は恋しない』感想|偏見の先で、人は恋を思い出す

人は、見たいものしか見ていない。『探偵小石は恋しない』を読んで、「先入観は確率計算」という言葉にハッとしました。人は、過去の経験から“それっぽい答え”を最短距離で選び続けています。それは生きるために必要なことです。でも、その思い込みだけで世...
ミステリー小説

坂木司『アンと青春』感想|空っぽのまま評価される怖さと、それでも働き続けてしまう理由

「とりあえず働いていれば、安心できる気がする。」そうやって手を動かし続けていると、不安を考えずに済みます。でも、ふと立ち止まったとき。何も積み上がっていない自分に気づいて、どうしようもなく怖くなる。坂木司さんの小説『アンと青春』は、そんな“...
ミステリー小説

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~』感想|本好きほどハマる“日常ミステリー”の傑作

「本には、持ち主の人生が宿る。」そんな言葉を、ここまで強く実感させてくれる物語はそう多くありません。鎌倉の小さな古書店を舞台に、本と人の秘密が静かにほどけていく――。『ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~』は、ただのミステリ...
スポンサーリンク