ラストが心にグサッと突き刺さるミステリ小説『月夜行路』を読み終えたので、あらすじと感想を紹介します。
『月夜行路』のおすすめポイントとあらすじ
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あらすじ
専業主婦の沢辻涼子には、高校生の娘と中学生の息子がいましたが、夫との関係は冷え切っており、昔の恋人・カズトのことばかり考えていました。そんなとき、涼子の誕生日にも関わらず、夫が女性からの電話で家を出て行ったので追いかけます。しかし、いざとなると勇気が出ず、そわそわしていると、ニューハーフBARの客引きに半ば強引に連れ込まれました。そこで、BARのママに元彼のカズトに会いたいと話したところ、一緒に探してあげると言われ…。
『月夜行路』の感想
夫の浮気を疑う専業主婦の沢辻涼子が、偶然出会ったBARのママ・野宮ルナと共に、涼子の昔の恋人を探すミステリです。
結婚して二人も子どもがいるのに、昔の恋人を今でも引きずる涼子が好きにはなれませんでしたが、そんな涼子となぜか行動をともにする野宮ルナの真意が気になってページをめくる手が止まらなくなりました。
また、大阪を舞台に繰り広げられる、近松門左衛門や谷崎潤一郎、江戸川乱歩などの作家たちにまつわる強盗事件や殺人事件に秘められた謎が気になり、凄まじい洞察力と推理力で真相を見抜くルナの魅力に一気に引き込まれました。
さらに、「全員が誰かの夢だ」というルナのセリフに込められた、ままならない現実が痛いほど伝わってくるラストの仕掛けに驚き、切なさと苦々しさで心が痛くなりました。
ラストが心にグサッと突き刺さるミステリに興味がある方におすすめの小説です。
Bitly
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