本と仕事、そしてご飯が掛け合わされた小説『図書館のお夜食』を読み終えたので、あらすじと感想を紹介します。
『図書館のお夜食』のおすすめポイントとあらすじ
おすすめ度:
あらすじ
夜の7時から12時の間だけ開館される有料の図書館。そこでは、謎のオーナーに集められた人たちが働いていました。東北地方の書店で働いていた樋口乙葉もその一人。彼女は店長から無視され、勤めるのが難しくなってきたときに、SNSで「本に関する仕事が紹介できる」というダイレクトメッセージを受け取りました。怪しいと思いながらも、興味を持った乙葉は返事をし、Zoomで音声のみの面接を受けたところ、合格と言われ、働くことになりますが…。
『図書館のお夜食』の感想
謎のオーナーに集められた人たちが、夜の図書館で働き、傷ついた心を癒していく物語です。
すでに亡くなっている作家の蔵書ばかりを集めた図書館が、夜の7時から12時の間だけ開いている理由も気になりますが、「オーナーについて詮索すると、よくない結果を招くと思います」とマネージャーから釘を刺されるほど、謎に包まれたオーナーの正体が気になって、ページをめくる手がとまらなくなりました。
また、上司からパワハラを受けるなど、本に関わる仕事で報われない思いをしてきた人たちが、夜の図書館という居場所を見つけ、特殊な問題を抱えるお客様たちと接しながら、自分と向き合い、将来について真剣に考えるようになっていく姿に、安心できる居場所があるということが、どれほど大切なことなのか伝わってきました。
一方で、タイトルにもなっている「お夜食」はおまけ程度の扱いでしたが、『赤毛のアン』に出てくるサンドイッチが登場するなど、作品の思い出が蘇ってきたり、未読であれば読んでみたくなったりと、読みたい本が増えました。
このように、本と仕事、そしてご飯が掛け合わされた物語に興味がある方におすすめの小説です。
Bitly
コメント