考えさせられる小説

おすすめ小説

青山美智子『鎌倉うずまき案内所』感想|人生は螺旋階段みたいに、同じ景色へ戻ってくる

「自分を信じよう」「今いる場所で全力を出そう」『鎌倉うずまき案内所』は、そんな優しい言葉を何度も届けてくれる物語です。ただ、読んでいる途中、私は何度も立ち止まりました。言葉は好きなのに、物語には乗り切れない。優しい話なのに、なぜか苦しい。で...
おすすめ小説

永井紗耶子『青青といく』感想|「考えるな」に疲れた人へ。“自由自在”を取り戻す物語

「同じ考えになれ」という空気に、息苦しさを感じたことがある人へ。上司に逆らうな。空気を読め。前例に従え。そんな世の中で、「自分の頭で考えること」自体が怖くなっているなら、『青青といく』はかなり深く刺さると思います。この小説は、江戸時代の儒学...
ミステリー小説

小川哲『君のクイズ』感想|読者まで“解答者”にしてくる異常なミステリー

「問題文が一文字も読まれていないのに、なぜ正解できたのか?」この謎が気になりすぎて、ページをめくる手が止まりませんでした。しかも厄介なのは、「ヤラセだったら許せない」という怒りまで同時に沸いてしまうことです。ただのミステリーではありません。...
ミステリー小説

山口未桜「城崎響介シリーズ」読む順番|心をえぐる医療ミステリー2作の魅力

真実を暴く探偵は多い。でも城崎きのさき響介は、真実のその先にいる“人間”まで見ようとする。山口未桜さんの小説『城崎響介シリーズ』は、事件を解くだけのミステリーではありません。読み終えたあとに残るのは、謎ではなく、人の感情です。冷静に真相を追...
ミステリー小説

山口未桜『白魔の檻』感想|優しい人ほど損をする世界がつらかった

「助けたいと思う人ほど、先に壊れてしまう。」山口未桜さんの小説『白魔の檻』を読み終えたあと、いちばん強く心に残ったのは、事件の真相そのものではありませんでした。苦しかったのは、誰かを救おうとした善意が、少しずつ削られていく姿でした。この小説...
ミステリー小説

森バジル『探偵小石は恋しない』感想|偏見の先で、人は恋を思い出す

人は、見たいものしか見ていない。『探偵小石は恋しない』を読んで、「先入観は確率計算」という言葉にハッとしました。人は、過去の経験から“それっぽい答え”を最短距離で選び続けています。それは生きるために必要なことです。でも、その思い込みだけで世...
おすすめ小説

伊坂幸太郎『ラッシュライフ』感想|人は弱い。だから簡単に誰かを裏切ってしまう

「人生が行き詰まっている」と思った瞬間に、人は壊れていく。『ラッシュライフ』を読んでいて、何度もそう感じました。リストラされ、未来が見えなくなった男。神に救いを求める青年。不倫相手と未来を作ろうとする女。登場人物たちはみんな弱い人たちばかり...
ミステリー小説

坂木司『アンと青春』感想|空っぽのまま評価される怖さと、それでも働き続けてしまう理由

「とりあえず働いていれば、安心できる気がする。」そうやって手を動かし続けていると、不安を考えずに済みます。でも、ふと立ち止まったとき。何も積み上がっていない自分に気づいて、どうしようもなく怖くなる。坂木司さんの小説『アンと青春』は、そんな“...
ミステリー小説

坂木司『和菓子のアン』感想|きれいじゃない現実を知って、それでも好きでいられるか

とりあえず大学に行く、という選択は、きっと間違いではありません。でも、それが“自分で選んだ道”かと聞かれると、少しだけ言葉に詰まります。坂木司さんの小説『和菓子のアン』の主人公・アンちゃんは、その「とりあえず」を選びませんでした。両親の働く...
おすすめ小説

安壇美緒『イオラと地上に散らばる光』感想|SNS時代の“正義”が怖すぎる一冊

その事件を、あなたは「他人事」として読めますか。『イオラと地上に散らばる光』は、SNS時代の狂気と、見えにくい暴力を描いた衝撃作です。読み進めるほどに、自分もその渦の一部だったのではないかと突きつけられます。気づいたときには、もうページをめ...
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