ミステリー小説

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~』感想|本の秘密が人の人生を暴く、静かに心を撃ち抜くミステリー

「本には、物語が二つある。」書かれている物語。そして、人の手を渡ってきた“もう一つの物語”。三上延さんの小説『ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~』は、その“もう一つ”を解き明かす物語です。派手なトリックや大事件はありませ...
数学

高校数学からデータ分析へ。線形代数を一冊で学び直す/『理工学の基礎「線形代数」に心震える』

理工系の学生にとっては「当たり前」でも、文系出身者にとってはどこか遠い存在——それが「線形代数」ではないでしょうか。今回ご紹介したいのは、そんな距離を一気に縮めてくれる一冊、『理工学の基礎「線形代数」に心震える』です。タイトルにある「心震え...
ミステリー小説

雨穴『変な絵』感想|人は理由があればどこまで壊れるのか

「人は、理由さえあれば安心できる。」そう思っていましたが――。雨穴さんの小説『変な絵』を読み終えたあと、残ったのは安心ではなく、不安でした。人は、真実ではなく“納得できる理由”を選ぶ。そしてその選択ひとつで、自分の正義すら壊せてしまう。この...
ミステリー小説

今村昌弘『屍人荘の殺人』感想|ゾンビ×本格ミステリーが常識を破壊する衝撃作

「こんなミステリー、読んだことがない。」そう思わずにはいられない作品が、『屍人荘しじんそうの殺人』です。ゾンビに包囲されたペンションという極限状況で起きる連続殺人。その“非常識な舞台”の中で展開されるのは、驚くほど“正統派”な謎解きです。ペ...
ミステリー小説

雨穴『変な家』感想|違和感を追っていたら、人が壊れる理由にたどり着いた

最初は、「変わったミステリーだな」と思って読み始めました。間取り図を見て、違和感を探していく。ただそれだけのはずなのに、ページをめくる手が止まらない。気づいたときには、ただの“家の謎”ではなく、もっと怖いものを見せられていました。これは、間...
ミステリー小説

伊坂幸太郎『パズルと天気』感想|「それかよ」と笑ってしまう。外れて気持ちいい短編集

ミステリーなのに、推理が外れて気持ちいい。むしろ、外れた瞬間に笑ってしまう。普通は「当たった快感」を楽しむはずなのに、表題作『パズル』は「外れて崩れる快感」を与えてくれます。正しさよりも、面白さを優先したくなる。そんな短編集です。こんな人に...
おすすめ小説

町田そのこ『彼女たちは楽園で遊ぶ』感想|怖いのに目が離せない。少女たちの“楽園”の正体とは

「楽園」と聞いて、あなたはどんな場所を思い浮かべますか。安心できる場所。自由で、穏やかで、守られている世界。けれどこの物語に登場する“楽園”は、そんなイメージを静かに裏切ってきます。読み進めるほどに、不穏さがじわじわと広がっていく。そして気...
数学

「世界一美しい数式」は、本当に美しいのか?/『文系編集者がわかるまで書き直した世界一美しい数式を証明する』

\(e, i, π, −1\) 。直感的には何の関係もなさそうな数たちが、たった一行の式で結ばれます。\begin{align}e^{iπ}=−1 \\\end{align}数学史上もっとも美しい数式と呼ばれるこの等式に、「きれいだな」と感...
数学

公式の向こう側に景色があった/『ふたたびの微分・積分』

「微分・積分」と聞いた瞬間、公式の暗記、意味不明な式変形、テストのための作業…。そんなイヤ記憶がよみがえる人も少なくないと思います。でも、この本は違いました。「ふたたび」というタイトルが示す通り、これはやり直しの本であり、同時に「本当の出会...
おすすめ小説

櫛木理宇『ふたり腐れ』感想|人間の闇に引きずり込まれる極限サスペンス

「ここまで人間の内側をえぐるのか。」そう思わずにはいられない一冊でした。櫛木理宇さんの小説『ふたり腐れ』は、ただのサスペンスではありません。読み進めるほどに、逃げ場のない“人の怖さ”にじわじわと絡め取られていく物語です。気づけばページをめく...
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