今回は、「部分積分の公式」について説明します。
部分積分の公式
部分積分の公式は、次のように定義されます。
では、部分積分の公式を導きましょう。部分積分の公式は、前回説明した「積の微分の公式」の両辺を積分すれば求められます。
積の微分の公式は、次の式で定義されていました。
\begin{align}
(f(x)g(x))’=f'(x)g(x) + f(x)g'(x)
\end{align}
(f(x)g(x))’=f'(x)g(x) + f(x)g'(x)
\end{align}
積の微分の公式の両辺を \(x\) で積分すると、次のようになります。
\begin{align}
\int (f(x)g(x))’ dx = \int f'(x)g(x) dx + \int f(x)g'(x) dx
\end{align}
\int (f(x)g(x))’ dx = \int f'(x)g(x) dx + \int f(x)g'(x) dx
\end{align}
ここで、左辺は、\(\int (f(x)g(x))’ dx=f(x)g(x)+C\) となるため、次のように求められます。(\(C\) は不定積分の場合に出てくる積分定数です。)
\begin{align}
& f(x)g(x)+C = \int f'(x)g(x) dx + \int f(x)g'(x) dx \\
& \to \int f(x)g'(x) dx = f(x)g(x)+C – \int f'(x)g(x) dx
\end{align}
& f(x)g(x)+C = \int f'(x)g(x) dx + \int f(x)g'(x) dx \\
& \to \int f(x)g'(x) dx = f(x)g(x)+C – \int f'(x)g(x) dx
\end{align}
また、上の式では積分が残っているため、積分を計算すると新たに積分定数が出てきます。そこで、\(C\) を省略すると、次のように部分積分の公式が求められました。
\begin{align}
\int f(x)g'(x) dx = f(x)g(x) – \int f'(x)g(x) dx
\end{align}
\int f(x)g'(x) dx = f(x)g(x) – \int f'(x)g(x) dx
\end{align}
定積分の部分積分も、積分定数が出てこないだけで、同様に求められます。
最後に
今回は、「部分積分の公式」について説明しました。積分の計算でよく使う公式なので、理解しておきましょう。
コメント