【高校数学】三角関数の余角・補角・負角の公式とは

数学

 三角関数の余角・補角・負角の公式とは、\(\sin \left(\frac{\pi}{2}-\theta \right), \sin (\pi-\theta), \sin (-\theta)\) を求める公式のことです。今回は、三角関数の余角・補角・負角の公式の紹介とその証明を行います。

スポンサーリンク

三角関数の余角・補角・負角の公式

 三角関数の余角・補角・負角の公式は、次のように定義されます。

■余角の公式
\begin{align}
& \sin \left(\frac{\pi}{2}-\theta \right) = \cos \theta \\
& \cos \left(\frac{\pi}{2}-\theta \right) = \sin \theta \\
& \tan \left(\frac{\pi}{2}-\theta \right) = \frac{1}{\tan \theta} \\
\end{align}

■補角の公式
\begin{align}
& \sin (\pi-\theta) = \sin \theta \\
& \cos (\pi-\theta) = – \cos \theta \\
& \tan (\pi-\theta) = – \tan \theta \\
\end{align}

■負角の公式
\begin{align}
& \sin (-\theta) = -\sin \theta \\
& \cos (-\theta) = \cos \theta \\
& \tan (-\theta) = -\tan \theta \\
\end{align}

三角関数の余角・補角・負角の公式の証明

 では、三角関数の余角・補角・負角の公式を証明していきます。

三角関数の余角の公式の証明

 次の図に示すような単位円を考えます。

 ここで、三角形 \(OAB\) と三角形 \(OPQ\) は等しいため、\(AB=PQ, OB=OQ\) となり、\(\sin \left(\frac{\pi}{2}-\theta \right), \cos \left(\frac{\pi}{2}-\theta \right)\) が求められます。

\begin{align}
& AB = \sin \theta = \cos \left(\frac{\pi}{2}-\theta \right) = PQ \\
& OB = \cos \theta = \sin \left(\frac{\pi}{2}-\theta \right) = OQ \\
\end{align}

 また、上の式を用いて、\(\tan \left(\frac{\pi}{2}-\theta \right)\) が次のように求められます。

\begin{align}
\tan \left(\frac{\pi}{2}-\theta \right) &= \frac{\sin \left(\frac{\pi}{2}-\theta \right)}{\cos \left(\frac{\pi}{2}-\theta \right)} \\
&= \frac{\cos \theta}{\sin \theta} \\
&= \frac{1}{\tan \theta} \\
\end{align}

三角関数の補角の公式の証明

 次の図に示すような単位円を考えます。

 ここで、三角形 \(OAB\) と三角形 \(OPQ\) は等しいため、\(AB=PQ, OB=-OQ\) となり、\(\sin (\pi-\theta), \cos (\pi-\theta)\) が求められます。

 補足:\(OB=-OQ\) となるのは、点 \(Q\) の \(x\) 座標がマイナスの領域にあるからです。

\begin{align}
& AB = \sin \theta = \sin (\pi-\theta) = PQ \\
& OB = \cos \theta = – \cos (\pi-\theta) = -OQ \\
\end{align}

 また、上の式を用いて、\(\tan (\pi-\theta)\) が次のように求められます。

\begin{align}
\tan (\pi-\theta) &= \frac{\sin (\pi-\theta)}{\cos (\pi-\theta)} \\
&= \frac{\sin \theta}{-\cos \theta} \\
&= -\tan \theta \\
\end{align}

三角関数の負角の公式の証明

 次の図に示すような単位円を考えます。

 ここで、三角形 \(OAB\) と三角形 \(OPB\) は等しいため、\(AB=-PB, OB=OB\) となり、\(\sin (-\theta), \cos (-\theta)\) が求められます。

 補足:\(AB=-PB\) となるのは、点 \(P\) の \(y\) 座標がマイナスの領域にあるからです。

\begin{align}
& AB = \sin \theta = -\sin (-\theta) = -PB \\
& OB = \cos \theta = \cos (-\theta) = OB \\
\end{align}

 また、上の式を用いて、\(\tan (-\theta)\) が次のように求められます。

\begin{align}
\tan (-\theta) &= \frac{\sin (-\theta)}{\cos (-\theta)} \\
&= \frac{-\sin \theta}{\cos \theta} \\
&= -\tan \theta \\
\end{align}

最後に

 今回は、「三角関数の余角・補角・負角の公式」について説明しました。いつでも導出できるように、図をイメージできるようにしておきましょう。

ふたたびの微分・積分 | 永野 裕之 |本 | 通販 | Amazon
Amazonで永野 裕之のふたたびの微分・積分。アマゾンならポイント還元本が多数。永野 裕之作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。またふたたびの微分・積分もアマゾン配送商品なら通常配送無料。
数学
toshi

京都市在住。エンジニアの仕事をしながら、趣味の読書が高じてブログ運営を開始。これまで600冊以上の本の感想をアップしています。現在も、子どもたちと一緒に読書三昧の日々を過ごしています。

toshiをフォローする
toshiをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました