生成AIなどでも頻出する対数ですが、ときどき「あれ?なぜこの式が成り立つんだっけ?」とふと疑問に思うことがあります。
そこで今回は、対数の基本的な性質について説明します。
対数の基本的な3つの性質
今回説明する「対数の基本的な性質」は、次の3つです。
ただし、\(a\) は1ではない正の実数、\(M\) および \(N\) は正の実数とします。
では、上の3つの性質を証明していきます。
\(1. \ \log_a MN = \log_a M + \log_a N\) の証明
\(\log_a M = m,\ \log_a N = n\) とおくと、対数の定義より、次の式が成り立ちます。(この式は、2つ目、3つ目の式の証明にも使います。)
\begin{align}
&a^m = M \\
&a^n = N
\end{align}
&a^m = M \\
&a^n = N
\end{align}
ここで、\(\log_a MN = s\) とおくと、次の式が成り立ちます。
\begin{align}
a^s = MN = a^m a^n = a^{m+n}
\end{align}
a^s = MN = a^m a^n = a^{m+n}
\end{align}
つまり、\(s = m+n\) となるため、\(\log_a MN = \log_a M + \log_a N\) が成り立つことが証明できました。
\(2. \ \log_a \frac{M}{N} = \log_a M – \log_a N\) の証明
\(\log_a \frac{M}{N} = t\) とおくと、次の式が成り立ちます。
\begin{align}
a^t = \frac{M}{N} = \frac{a^m}{a^n} = a^{m-n}
\end{align}
a^t = \frac{M}{N} = \frac{a^m}{a^n} = a^{m-n}
\end{align}
つまり、\(t = m-n\) となるため、\(\log_a \frac{M}{N} = \log_a M – \log_a N\) が成り立つことが証明できました。
\(3. \ \log_a M^r = r\log_a M\) の証明
\(\log_a M^r = u\) とおくと、次の式が成り立ちます。
\begin{align}
a^u = M^r = (a^m)^r = a^{mr}
\end{align}
a^u = M^r = (a^m)^r = a^{mr}
\end{align}
つまり、\(u = mr=rm\) となるため、\(\log_a M^r = r\log_a M\) が成り立つことが証明できました。
最後に
今回は、対数の基本的な3つの性質について説明しました。なぜこの式が成り立つんだろう…とふと疑問に思ったときは、見返してください。
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