「文章を書こう!」と決意しても、いざ書き始めると、何を書けば良いのかわからない…ってことありませんか?
私はよくありました。それでもなんとか文章をひねり出して書きあげたこともありますが、出来上がった文章を読んで何度もガッカリしてきました。
実は、その原因の多くは「書く前の準備」にあるんですよね。
なぜ伝わる文章が書けないのか?
そもそも、なぜ「伝わる文章が書けない!?」という悲しい状況に陥るのでしょうか。
その原因はいろいろ考えられます。
たとえば、
- 伝えたいことが明確になっていないのに、文章を書き始めている
- 書いている途中で目的を見失っている
- 新しい気づきがないので、当たり前のことを上手く書こうとしている
などなど。
しかし、この原因をもう少し突き詰めて考えていくと、どれも「文章を書く前の準備」に問題があることがわかります。
『吉本芸人に学ぶ 生き残る力』の感想で、
「やるだけのことはやってきたから、結果はどうあれ落ち込むことはない」といえるほど、準備段階でやりきってきた
と、キングコングの西野亮廣さんが言われているように、漫才でも文章でも準備が命なんですよね。

それだけでなく、文章を書くとはどういうことか?を勘違いしているのかもしれません。
そこで、ここからは、伝わる文章を10倍速で書き上げる方法を紹介していきます。
伝わる文章を10倍速で書き上げる方法
それは、次の3つを理解した上で文章を書くことです。
- 「ゼロ」から書き始めない
- 素材とは「独自の事実」「エピソード」「数字」の3つ
- 完璧主義をやめる
それぞれ簡単に説明していきます。
1. 「ゼロ」から書き始めない
文章を書くとき、ゼロから書こうとしていませんか?
残念ながら、ゼロから文章を書こうとしていては、どれだけ時間をかけても、伝わる文章にはなりません。
書くための準備、つまり「素材」が揃っていないからです。
たとえば、夕食を作るとき、ご飯やパン、お魚、お肉、野菜、果物など、いろいろな材料を準備する必要がありますよね。
直前になってこれらの材料を集めようとすると、時間がかかって仕方ありません。
そもそも、「何を作るのか」が決まっていないと、どんな材料を集めたら良いのかさえわからないでしょう。
文章も同じです。まずは伝えたいことを決め、そのための素材を集めます。
たとえば、遊園地に行った感想を書く場合、
- どんなところにハッとしたのか?
- 気になったアトラクションは何か?
- 子供は何に喜んだのか?
- 入場料や混雑状況は?
- アクセス方法は?
といった素材を遊園地でメモしておき、それをベースに書いていきます。
家に帰ってから思い出そうとすると、どうしても時間がかかってしまうからです。
とはいえ、『0ベース思考』の感想にも書きましたが、ゼロから物事を考える必要があるのでは?と疑問に思う方もいるでしょう。

しかし、たとえゼロから考える場合でも、素材は必要です。素材がなければ、考えが深まらないからです。
だからこそ、まずは素材集めを徹底的にするのが、伝わる文章を速く書くための第一歩です。
2. 素材とは「独自の事実」「エピソード」「数字」の3つ
では、「素材」とは、具体的にどのようなものでしょうか?
たとえば、「彼女は優しい性格です」という文章は素材ではありません。
彼女の性格がわかったようで、よくわからないからです。
素材とは、
- 出会ってから5年間、どんなに嫌なことがあっても笑顔で接してくれた彼女
- 困っている人がいたら率先して声をかけていた彼女
- どれだけ忙しくても手料理を振る舞ってくれた彼女
といった具体的な事実のことです。
もっと言えば、「独自の事実」「エピソード」「数字」の3つを組み合わせた文章のことです。
そもそも、「優しい性格」というのは、魅力的な素材を書き手が無理やりまとめた「意見」です。
『「分かりやすい文章」の技術』の感想にも書きましたが、
「優しい」と言った修飾語(形容詞や副詞)は「事実」ではなく「意見」で、どれだけ並べたところで、説得力は増しません。

つまり、「どう書くか?」よりも、「何を書くのか?」が重要なんですよね。
「意見」を「どのような表現にしようかな」と考えるのではなく、
「事実(素材)」を「どの順番に並べると伝わりやすいかな?」と考えるのです。
もし、表現ばかり気にして文章を書いているようなら、もっと素材に目を向けるようにしましょう。
3. 完璧主義をやめる
伝えたいことを決めて、素材を集めたら、あとは一気に書き上げます。
このとき、完璧を求めてはいけません。村上春樹さんの小説『風の歌を聴け』の冒頭にも、
「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」
と書かれているように、完璧な文章など存在しないからです。

そのため、文章を書き始めたら、次のようなことをせずに、一気に書き上げます。
- 誤字や表現を気にする
- 後戻りをする
- 書いている最中に悩む
このような迷いが入ると、最初から最後まで気持ちがのった「一気通貫」の文章が書けなくなるからです。
事前調査が足りなかった「数字」や「名前」などは、「○」や「★」マークをつけて後から調べるようにしましょう。
こうして一気に書いたあとは、少し時間をかけて推敲します。
文章を一日寝かせるなどして、客観的な視点で自分の文章を読むことが大切なんですよね。
とにかく、完璧主義はやめて最後まで文章を書き切るクセをつければ、今よりも10倍近い速度で文章が書けるようになりますよ。
まとめ
今回は、伝わる文章を10倍速で書き上げる方法を紹介してきました。
私たちはどうしても「上手い」文章を書こうとしがちです。
つまり、「意見」を大切にしがちですが、本当に大切なのは、独自のエピソード、体験、数字からなる「素材」です。
時間をかけたのに伝わる文章が書けない…と悩んだときは、素材を見直してみてはどうでしょうか。
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