「ガリレオの真実」に心が揺さぶられるミステリー/東野圭吾『透明な螺旋』感想

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ガリレオシリーズはお好きですか?

私はどちらかと言えば、加賀恭一郎シリーズの方が人情味があって好きですが、

東野圭吾さんの小説『透明な螺旋』を読んで、これまでよりもガリレオシリーズが好きになりました。

科学的なトリックは使われていませんが、湯川教授の心が痛むような過去と希望ある決断に心が揺さぶられる物語だったんですよね。

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「過去と現在」2つの物語の関係が気になって一気読みしてしまう

この小説では、ガリレオシリーズとしては初めて、科学的なトリックが使われていません。

しかし、「過去と現在」2つの物語がどのようにつながっていくのかが気になり、ページをめくる手が止まらなくなりました。

物語は、戦後に生まれた女性が、秋田県から東京に出てきて結婚するも、相手の男性が亡くなってしまい、生まれた赤ん坊と手作りの人形を児童養護施設の前に置き去るところから始まります。

その後、時は流れて、母娘二人で暮らす島内千鶴子と園香の物語が描かれていきますが、

母親である千鶴子がクモ膜下出血で亡くなると、身寄りのない園香は、母が慕っていた絵本作家の永松奈江を頼るようになりました。

このとき、園香の家に児童養護施設の前に赤ん坊と共に置き去られた人形があることがわかり、

また松永奈江が首都圏の児童養護施設をまわりながら紙芝居をしていたことも明らかになるので、実は千鶴子と奈江は血がつながっているのではないか?と思えてきます。

さらに、奈江と同年代で、銀座でクラブを経営する根岸秀美という女性も登場するので、彼女たちの関係が気になり、ページをめくる手が止まらなくなりました。

「過去と現在」2つの物語のつながりが気になり、一気読みしてしまう小説です。

完璧なアリバイがあるのに行方を眩ます容疑者に惹きつけられる

母である千鶴子が亡くなると、園香は上辻亮太という映像関係の仕事をしている男性と同居するようになりました。

そんな上辻が銃殺され、南房総半島で漂流する遺体となって発見されます。

その後、草薙俊平や内海薫たち警察の調べによって、上辻が園香にDVをしていたことが明らかになりますが、容疑者として一番疑わしい園香には完璧なアリバイがありました。

上辻が殺害された日、園香は友人と一緒に京都旅行に出かけていたのです。

また、園香は上辻の行方不明届けを警察に提出していましたが、なぜか連絡が取れず、松永奈江と一緒に行方をくらませました。

このように、完璧なアリバイがあるにも関わらず、園香が警察から逃亡する理由が気になって、ページをめくる手が止まらなくなったんですよね。

「過去と現在」2つの物語の関係が気になり、また完璧なアリバイがあるにも関わらず園香が逃亡する理由が気になったので、一気読みしてしまいました。

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湯川教授のプライベートに心が揺さぶられる

さて、これまでのガリレオシリーズでは、湯川教授のプライベートについてあまり触れられてきませんでしたが、ついにその一部が明かされます。

今回、湯川教授は、実家で両親と一緒に暮らしていました。

母が認知症になったので、父がその世話をしていたのですが、一人で世話をするのが難しくなったため、湯川教授も滞在することにしたと言います。

また、湯川教授には6年越しの恋人がいたこともわかるんですよね。

草薙が知ったときには、すでに別れており、写真も捨てていたので、顔も見ることができませんでしたが…。

とはいえ、今回明かされるプライベートは、このようなものではありません。

ネタバレになるのであまり詳しくは書きませんが、湯川教授が現在のような人格になった理由が明かされます。

しかも、上辻が殺された事件にも関わってくるので、当初は捜査に協力しないと言っていた湯川教授が、この事件に興味を持ち、単独で動き出します。

それだけでなく、湯川教授はある人物のために草薙から入手した捜査情報を流しました。

さすがの草薙も、これには腹を立てて、怒鳴りますが、湯川教授は、

「長くは待たせない。少し時間をくれ。この通りだ」

と言って頭を下げるんですよね。

この理由が明かされたとき、私は感動で涙がこぼれ落ちそうになりました。

湯川教授のプライベートにも、事件の真相にも心が痛む物語でしたが、ラストは湯川教授の決断に希望が見出せる感動の物語でした。

まとめ

今回は、東野圭吾さんの小説『透明な螺旋』を紹介してきました。

  • 「過去と現在」2つの物語の関係が気になって一気読みしてしまう
  • 完璧なアリバイがあるのに行方を眩ます容疑者に惹きつけられる
  • 湯川教授のプライベートに心が揺さぶられる

以上、3つの魅力がある物語なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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