あなたの決断は、あなたの意思で決めていると思っていませんか?
私はそう思っていましたが、実は違うそうです。そのほとんどは、これまでの習慣によって決まっているんですよね。
これでは、今よりも良い人生を歩むことができません。どうすればいいのでしょうか。
私たちの思考の95%は昨日と同じもの!?
私たちは一日に「約六万種類のこと」を考えていると言われています。
「今日のお昼ご飯は何を食べようか」という身近な問題から、「どうすればテロをなくせるのか」という難しい問題まで幅広く考えています。
ところが、ある研究によると「思考の約95%が昨日と同じものである」ことがわかりました。
つまり、新しい思考は一日に3000種類しかないのです。
たとえば、レゴブロックで建物を作ることを想像してみましょう。
建物は六万個のブロックでつくられています。そして、私たちは毎日3000個のブロックを交換できます。
もちろん、3000個のブロックを全く新しいものに変えることができれば、建物も少しずつ変わっていきます。
しかし、古いブロックを取り除いた後に、似たようなブロックを当てはめているとしたら…。どれだけ時間が経っても、建物はあまり変わりませんよね。
だからこそ、私たちの決断は簡単に予測できるわけですが…。
私たちの決断は10秒前に決まっていた!?
ドイツの脳科学者・ハイネスが2008年にアメリカの『ネイチャー・ニューロサイエンス』誌に投稿した研究結果でも、私たちの決断が予測できることが明らかになっています。
彼の研究によると、脳の2つの領域の活動をもとに被験者の行動が予測できることがわかりました。
しかも、被験者が意識的に決断するよりも、10秒以上も早く予測できたのです。
ハイネスは、この研究結果から「私たちは意識的に何かを決める前に、脳のなかで無意識の段階を経て、決断が促される」と考えました。
つまり、私たちは「今この瞬間の意志」によって決断しているのではなく、「これまでの思考の積み重ね」に基づいて決断しているんですよね。
ここに「変わりたくても変われない」原因があります。同じ失敗を繰り返してしまうのもこれが原因です。
では、どうすれば自分の意思で決断できるのでしょうか。
「何に意識を向けるか」で未来の決断は変わる
それは普段の意識を向ける先を変えることです。
たとえば、マザー・テレサは、反戦デモに参加してほしいという要請を断っていたそうですが、その理由を次のように語っています。
「”戦争に反対する”のではなく、”平和のためのデモ”をしてください。そうすれば私もあなたのデモに参加します」
つまり、何に意識を向けるかで未来は大きく変わるのです。
今の意思決定を変えるのは難しいかもしれませんが、意識を向ける先を変えることは、出来そうですよね。
この小さな積み重ねが習慣になれば…。きっと今よりも素晴らしい決断が下せるようになれますよ。
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