自分の考えだけで物事を決めつけていませんか?
私はできるだけ相手の意見を聞くようにしていますが、『怪しい人びと』を読んで、勝手な決めつけをしていると、思わぬ落とし穴に落ちてしまうことがわかりました。
相手の考えとずれているほど、悲しい結末を迎えてしまうからです。
『怪しい人びと』のおすすめポイントとあらすじ
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あらすじ
一流企業の下請け会社に勤める川島は、同期の片岡から部屋を貸して欲しいと言われます。同僚の葉山広江と一晩過ごしたいというのです。川島は断ろうとしますが、5千円払うと言われたので、貸すことにしました。それから何度か片岡に部屋を貸し、他の同期にも部屋を貸すようになりましたが、ある日、朝になって部屋に帰ると、知らない女性がベッドの上で寝ていました。しかも、その女性は妊娠したかもしれないので、相手を探して欲しいと言い出し…。
『怪しい人びと』の感想
自分の考えだけで物事を決めつけていると、思わぬ落とし穴に落ちることがあります。
たとえば、あらすじで紹介した物語では、片岡は、付き合い始めたばかりの葉山広江が、男性との付き合いに慣れていないので、ホテルという言葉を使わない方がいいと考えていました。
レストランで食事をして、プレゼントを贈って、シティホテルで一晩を過ごすというのは時代遅れで、それなりのムードになって、なんとなくというのがいいと思っていました。
だからこそ、5千円を払ってまで同期である川島の部屋を借りていたのですが、実は広江は…。
といった物語が7編楽しめたので、ページをめくる手が止まらなくなりましたが、片岡のように相手の考えを聞かずに、勝手な思い込みで物事を決めつけていると、思わぬ落とし穴に落ちることがわかります。
しかも、その結末は、想像以上に悲しいもだったので、相手の話を聞かずに、一方的な決めつけをするのはやめようと思いました。
自分の考えが正しいと思い込んでいる人たちが、ある出来事に遭い、思い込みが粉々に砕かれる物語に興味がある方におすすめの小説です。
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