伊坂幸太郎『サブマリン』感想/やられたことをやり返してはダメなのか?

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やられたことをやり返してはダメだと思っていませんか?

私は「やられたらやり返す、倍返しだ!」という信念で生きてきたので、やり返せばいいと思っていましたが、

伊坂幸太郎さんの小説『サブマリン』を読んでいろいろ考えさせられました。

交通事故で両親と友人が轢き殺された場合、やり返してはダメなのか?と聞かれると「やり返していい」と言えない自分がいたんですよね。

おすすめ度:4.5

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こんな人におすすめ

  • 無茶苦茶だけどカッコいい登場人物が出てくる物語が好きな人
  • ユーモア溢れる物語が好きな人
  • 前作『チルドレン』が好きな人
  • 伊坂幸太郎さんの小説が好きな人

あらすじ:両親と友人を轢き殺された未成年の物語

物語の主人公は家裁調査官の武藤。

彼は前作『チルドレン』で傍若無人に振る舞っていた上司の陣内に振り回されていましたが…。

そんな武藤が世間から注目されている事件を担当することになりました。

その事件とは、高校を卒業した19歳のフリーターである棚岡佑真が、無免許で歩道に突っ込み、ジョギング中の中年男性を轢き殺したというものです。

マスコミや世間はこぞって棚岡を責めましたが、実は彼の両親や友人も交通事故で亡くなっていたことがわかります。

特に友人が轢き殺された事件では、加害者が未成年だったので、大きな罪に問われませんでした。

そんな現実を目の当たりにした棚岡は、被害者家族がこれほど苦しんでいるのに、なぜ加害者は今も自由に生きていられるのかと言い、

「なぜやられたことをやり返してはダメなのか?」

と陣内と武藤に問いかけます。

この問いに向き合うことになった陣内は…。

悪い条件でもあがりを目指すしかない

棚岡に次のように答えました。

麻雀は四人でやる。でな、俺たちはな、見えない相手にずっと麻雀の勝負をしているようなもんだ。最初に13枚の牌を配られて、それがどんなに悪くても、そいつで上がりを目指すしかない。運がいい奴はどんどんいい牌が来るだろうし、悪けりゃ、クズみたいなツモばかりだ。ついてない、だとか、やってられるか、だとか言ってもな、途中でやめるわけにはいかねえんだ。どう考えても高得点にはならない場合もある。けどな、できるかぎり悪くない手を目指すほかないんだよ。

やり返したい気持ちもわかるけれど、やり返すのではなく、自分にとっていい選択肢を選び続けろと言うんですよね。

陣内がこのように答えた背景には、10年前に棚岡の友人を轢き殺した犯人を知っていたことも関係していました。

陣内が家裁調査官として、その犯人を担当していたのです。

棚岡の同級生を轢き殺した犯人は、マスコミで騒がれていたような異常な人間ではありませんでした。

むしろ真面目で反省の日々を過ごしていました。

就職面接でも馬鹿正直に自分が犯した罪について話し、悉く落ちていたんですよね。

そのため、反省している彼を追い詰めて、自分の人生を無駄にするのはもったいないと陣内は考えていたのです。

このような物語を読んでいると…。

反省していない人間には鉄槌を!

やられたことをやり返さないほうが良いケースもあることに気づきます。

もちろん、何ひとつ反省せずに悠々自適に暮らしている人間には鉄槌を下す必要がありますが、

反省している人には、復讐をしなくてもいいのではないか?と思えてきました。

とはいえ、反省しているかどうかの線引きは難しいのですが…。

まとめ

今回は、単純に「やられたらやり返せばいい」と言えないことに気づける伊坂幸太郎さんの小説『サブマリン』を紹介してきました。

陣内の言動にクスッと笑える物語としても、最後に驚きが待っている物語としても楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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