子供に偏差値教育をしていませんか?
私は幼い頃からドリル学習が大嫌いだったので、子供に偏差値教育をしようとはまったく思っていませんが、
子育て本『親が偏差値思考をやめれば、不思議なほどわが子は伸びる』を読んで、改めて偏差値教育では行き詰ることがわかりました。
これからの時代を生き抜くために勉強するのは当然として、その上で偏差値では測定できない非認知スキルを鍛える必要があるんですよね。
おすすめ度
おすすめ度:
- 海外に比べて日本の学校教育は遅れていることがわかる
- 偏差値教育ではこれからの世界で活躍できる能力が身につかないとわかる
- 親として子供にできることを考えるきっかけになる
- 非認知スキルを身につける具体的な方法がわからない
本書の簡単な紹介
今回は、子育て本『親が偏差値思考をやめれば、不思議なほどわが子は伸びる』を紹介します。
偏差値教育についてどう思いますか?
私は、人間一人の一生で出来ることは限られているので、これまで多くの人たちによって積み上げられてきた知識や技術を勉強するのは当然だと考えていますが、
今の学校教育や偏差値教育については賛同できません。
能力に差がある子供たちに一律同じことを教える学校教育にも多くの問題がありますが、
それだけでなく、答えのある問題を記憶することに特化した受験勉強もあまり意味がないと考えているからです。
たしかに、既存製品の改良改善で世界と渡り合えた時代なら偏差値教育も役立ちましたが、
GAFAのような新たなプラットフォーム・ビジネスを立ち上げる企業が活躍する時代には、偏差値教育では立ち向かえないんですよね。
感想①:これからの時代は偏差値よりも非認知スキルが求められる
日本人は改善改良が得意な民族です。
しかし、世界中にモノが溢れかえった21世紀では、既存の製品に改良を加えて売る販売戦略は時代遅れになりました。
代わりに登場したのが、モノを売る新たな土台を作る(新しいプラットフォームを構築する)戦略です。
AppleのiTunesのように、CDなどのハードウェア形態で流通していた音楽コンテンツを、インターネット上で流通・販売するスタイルに大転換させたり、
Amazonのように、顧客ごとの購買履歴や商品閲覧状況などの膨大なデータを活用して、「最高の顧客体験を提供する」といったビジネスモデルを生み出した企業が勝つ時代です。
つまり、正解のある問題に答える偏差値ではなく、
人々がまだ気づいていない価値を見つけ出し、具体的に展開する非認知スキルが求められる時代になったんですよね。
ビジネス書『「これからの世界」で働く君たちへ』では、これからの世界では「これまでの当たり前」が通用しない時代になると書かれていましたが、

本書でも、既存商品の改善改良では、企業としても個人としても、生き残れない時代に突入したのだと改めてわかりました。
ちなみに、非認知スキルとは、「洞察力」「好奇心」「想像力」「判断力」「勇敢さ」「共感力」といった数値化しにくい能力のことです。
感想②:日本vsブラジル/学校教育が進んでいるのはどっち?
では、日本と海外を比べた場合、どちらが非認知スキルを伸ばす教育が進んでいるのでしょうか。
実は、日本の学校教育は、明治期に近代的な教育システムを導入してから、全く変わっていません。
興味や能力が異なる生徒たちが同じ教室に入れられて、
教科書に沿って進められる先生の講義を静かに座って聞く…というスタイルが150年近く続いています。
一方のブラジルでは、生徒たちは円形のテーブルに座り、手元にあるタブレットを使いながら、自分のペースで学んでいきます。
先生は、生徒それぞれの進捗状況や理解度を汲み取り、個別の課題を与えます。
このように生徒に一律同じことを教える日本と、生徒の弱い部分を克服して、優れた部分を伸ばそうとするブラジルとでは、どちらの学校教育が進んでいるかは明らかですよね。
また、欧米に目を向けると、ハーバード大学やケンブリッジ大学では、志望者がこれまで何をやってきたのかという活動報告や、これから何を目指すのかといったエッセイで入学の合否が判定されます。
もちろん、成績優秀なのは当然ですが、その上で、答えのない問題に答える(これまでの活動報告と今後の行動計画を示す)必要があるんですよね。
そのため、東大の医学部ですら「入学が簡単でいいですね」と言う人もいるそうです。
子育て本『ブレない子育て』では、子供を未熟なまま受け入れて、育てようとしない日本の学校教育の弊害が書かれていましたが、

本書でも、日本の教育が特殊で、かなり遅れていることがわかったので、親としてどうすべきか考えるきっかけになりました。
感想③:偏差値教育の日本で親に何が出来るのか?
では、そうした日本の学校教育の現状がわかった上で、私たち親にできることはなんでしょうか。
本書に書かれていた内容を一言でいうと、「子供が失敗を恐れずにチャレンジできるように励ます」ことです。
具体的には、
- (困難や大変なときを想定して)あなたなら必ずこうすると思うよ。
- (未来への挑戦を前にしたとき)きっとあなたはこういうことが得意だと思うよ。
- (失敗や挫折に対して)これはあなたが挑戦したからこそ味わえるものだね。そこから何が学べたと思う?
と、子供があたかも今「あるべき姿」でいるように接することが大切だと言います。
これは、ピグマリオン効果として知られていますが、人の成長を後押しするのは「他者からの期待」によるものが大きいという心理的な側面があるからです。
もちろん、子供が好きな道に進めるように後押しすることが大切なのですが、
その一方で、大学入試を控えた高校生でさえ、自分の得意・不得意を把握して、確信が持てる子はほとんどいません。
そのため、親が子供の中にある可能性にどれだけ光を当てて、その良さや魅力をどれだけ具体的に語れるかで、子供の非認知スキルが伸びるかどうかが決まるんですよね。
子育て本『3歳までの子育てに大切なたった5つのこと』では、子供を見守ることが子育ての基本だと書かれていましたが、

本書を読んで、何歳になっても、子供を見守り、励ましていくことが親の役目なんだと改めてわかりました。
とはいえ、親がうまく励まし、子供が好奇心を持って自主的に行動した結果、非認知スキルが伸びるという流れなので、励まし方には注意が必要です。
励まし方を間違えると、不得意な方向に促したり、やる気を削いだり、胡散臭くなったりするので、逆効果になるかもしれないからです。
まとめ
今回は、子育て本『親が偏差値思考をやめれば、不思議なほどわが子は伸びる』の概要と感想を紹介してきました。
偏差値教育ではこれからの世界で活躍できる能力が身につかないとわかる本なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。
非認知スキルの鍛え方は、各家庭で試行錯誤する必要がありそうです。
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