深緑野分『この本を盗む者は』感想/本の世界に浸りたくなるファンタジー小説

おすすめ小説

本はお好きですか?

私は読書が大好きで、暇さえあれば本を読んでいますが、最近はニンテンドースイッチの『逆転裁判123 成歩堂セレクション』にハマってしまい、読書から離れていました。

※クリアするまで抜けられなくなるほど面白いゲームです。

しかし、深緑野分さんの小説『この本を盗む者は』を読んで、久しぶりに読書がしたくなったんですよね。

本の世界に浸りたくなるファンタジー小説です。

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『この本を盗む者は』の情報

タイトル この本を盗む者は
著者 深緑野分
おすすめ度 4.0
ジャンル ファンタジー
出版 KADOKAWA (2020/10/8)
ページ数 344ページ (単行本)
2021年本屋大賞 第10位、キノベス!2021 第3位の作品です。

おすすめ度の理由

  • 主人公が様々なジャンルの物語に入り込むという設定に惹き込まれる
  • 不思議な登場人物の正体が気になってページをめくる手が止まらなくなる
  • 本の世界に浸りたくなる
  • 作中に出てくる物語が少し読みづらい

『この本を盗む者は』のあらすじ

『ハリーポッター』はお好きですか?

この小説では、まるでハリーポッターのような冒険ファンタジーが楽しめます。

物語の主人公は、高校一年生の御倉みくら深冬みふゆ

彼女は本が好きではありませんでしたが、曾祖父が書物の蒐集家で、23万数千冊の本が所蔵されている図書館のような「御倉館みくらかん」を建てたので、そこに住むぐーたらな叔母の世話をするために、ときどき訪れていました。

しかし、ある日。御倉館から蔵書が盗まれ、叔母が手にしていた「この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる」というメモを目にした深冬は、町全体が物語の世界に変わっていく姿を目撃します。

しかも、泥棒を捕まえないと元の世界に戻れないことを知った彼女は、突然現れた真白ましろという少女と共に泥棒を追いかけることになりました。

説話的な物語、ハードボイルド、冒険小説など、様々なジャンルの物語で奮闘する深冬たちの姿に惹き込まれる小説です。

『この本を盗む者は』の感想

「本を盗んだ人間は許さない!」というおばあちゃんの呪いがスゴイ

御倉館から蔵書が盗まれると町全体が呪われるようになったのは、深冬のおばあちゃんが200冊もの本を盗まれたときに、一般開放していた御倉館を閉鎖し、狐神に頼んで、奇妙な魔術をかけたからでした。

本が盗まれたからといって、本当にそこまでする必要があるの?とも思いましたが、現実でも、全国の書店の万引き被害総額は年間200億円とも言われ、図書館でも年間2万冊近い本が盗まれています。

さらに、1冊盗まれると、5,6冊売らないと元がとれないため、万引きが原因で閉店している書店まであるそうです。

こういった背景を知って本書を読むと、深冬のおばあちゃんが怒る気持ちも理解できます。

とはいえ、読書は自分ひとりで楽しむだけのものでなく、周りの人たちと感想を共有する楽しみ方もあるので、泥棒を上手く排除しながら、本を共有できる仕組みが必要だと感じました。

残念ながら私には泥棒をどうこうする力はないので、今すぐできることは、気になった本はできるだけ買うことでしょうか。

本の世界に浸りたくなる

読書の魅力が伝わってくる物語を読むと、本の世界に浸りたくなりませんか?

『ビブリア古書堂の事件手帖』を読んだときもそうでしたが、様々なジャンルの魅力的な物語を紹介されると、次々と本を手に取って読んでみたくなります。

ましてや、本書では、本嫌いな主人公が物語の世界に入り込み、徐々に本の魅力に惹かれていく姿が描かれていたので、「読書っていいなぁ」と改めて思えたんですよね。

私が本好きだからなのかもしれませんが、説話的な物語、ハードボイルド、冒険小説など、様々なジャンルの物語で奮闘する深冬たちの姿に触発されて、次々と新しい本を手に取ってみたくなりました。

本の魅力に触れたい方は、ぜひ読んでみてください。

まとめ

今回は、深緑野分さんの小説『この本を盗む者は』のあらすじと感想を紹介してきました。

主人公が様々なジャンルの物語に入り込むという設定に惹き込まれ、本の世界に浸りたくなるファンタジー小説です。

また、真白という謎の少女とぐーたらな叔母さんの正体が気になって、ページをめくる手がとまらなくなります。

気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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