認知症患者が真相を解き明かします!/小西マサテル『名探偵のままでいて』感想

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私は大好きなのでよく読んでいますが、小西マサテルさんの小説『名探偵のままでいて』は、認知症患者が探偵役というところが新しいミステリです。

しかも、一度辻褄の合う推理を披露してから、まったく別の真相を解き明かす構成が面白いミステリでした。

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『名探偵のままでいて』のおすすめポイントとあらすじ

おすすめ度:3.3

  • 気軽なミステリと恋愛要素が楽しめる
  • 認知症患者が探偵役というところが新しい
  • 一度辻褄の合う推理を披露してから真相を解き明かす構成が面白い
あらすじ
27歳の楓は、祖父の影響を受けてミステリマニアになりました。特に、伝説のサークル「ワセダミステリクラブ」の中心人物だった瀬戸川猛資たけしの論評が大好きで、彼の本を集めていました。ところが、最近中古で買った本の中に、瀬戸川氏の逝去を伝える4枚の訃報記事が挟まっていたことに気づきます。楓は誰が何の目的で本の間に記事を挟んだのか知りたいと祖父に相談したところ、言動がおかしくなったり、幻視が見えたりするレビー小体型認知症の祖父が…。

『名探偵のままでいて』の感想

レビー小体型認知症になった祖父が、日常の謎や殺人事件の真相に迫るミステリです。

Amazonの評価が高かったので、真相に驚かされるタイプのミステリを勝手に期待していましたが、実際は『名探偵コナン』の通常回のような気軽に楽しめるタイプのミステリでした。

たとえば、プールに飛び込んだまま行方がわからなくなった小学校教師はどこに消えたのか?とか、居酒屋のトイレで男の背中にナイフを刺して殺した犯人は誰なのか?など、ちょっとした謎解きが楽しめました。

とはいえ、幻視が見える認知症の祖父が、幻視を見ることで事件の真相を解き明かしていくところは新しく、また一度辻褄の合う推理を披露してから、まったく別の真相を解き明かすという構成も面白いと思いました。

さらに、主人公の女性教師が、正義感の強い熱血漢と、少し斜に構えた美男子から恋心を抱かれる三角関係の恋愛要素も楽しめ、ラストはどちらと結ばれたのかな?とあれこれ想像する楽しさも味わえました。

このように、気軽なミステリと恋愛要素が楽しめる物語に興味がある方におすすめの小説です。

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