圧倒的な価値を生み出すために必要なのは「努力やスピード」ではなく「イシュー」

ビジネス

圧倒的に生産性が高い人に共通しているのは努力やスピードだと思っていませんか?

私はそう思っていましたが、『イシューからはじめよ』を読んで、そうではないことがわかりました。

生産性は、「多くの問題からバリューが出せる課題を見極めて取り組む」というプロセスで決まるんですよね。

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バリューのある仕事とは何か?

ここで改めて生産性について定義しておくと、

生産性=アウトプット(成果)÷ インプット(投下した労力・時間)

のことです。

生産性を上げたいなら、同じアウトプットを生み出すための労力・時間を削り込まなくてはいけません。

あるいは、同じ労力・時間でより多くのアウトプットを生み出す必要があります。

では、多くのアウトプットが出せる仕事、すなわちバリューのある仕事とはどのようなものでしょうか。

実は、バリューの質は、

  • イシュー度が高いこと
  • 自分のおかれた局面でその問題に答えを出す必要性の高さ

  • 解の質が高いこと
  • そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているか

の両方で決まります。

もちろん、仕事や研究をはじめたときは両方が低い状態からスタートすることになりますが、

まずはじめに、一心不乱に大量の仕事をして解の質を高めようとしてはいけません。

『仕事をしたつもり』の感想にも書いたように、本当に解くべき問題は、100個のうち2、3個しかないからです。

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そこで私たちがやるべきことは、イシュー度を上げてから、解の質を上げることです。

この逆では、多くの努力が無駄になってしまいます。

イシューはどうやって特定するのか?

では、どうやってイシュー度の高い問題を特定すればいいのでしょうか。

それは、「何に答えを出す必要があるのか?」というイシューから議論を始め、

「そのためには何を明らかにする必要があるのか?」という流れで分析を設計していくことです。

とはいえ、この説明ではイシューとは何か?がよくわからないと思うので、よいイシューの3つの条件について簡単に説明していきます。

まずひとつ目は、「本質的な選択肢である」ことです。

これに答えが出ると先の検討方向に大きく影響を与えるもの、右なのか左なのかで大きく意味合いが変わる問題のことです。

たとえば、ある商品が売れない理由を「商品力がないから」と捉えるか、「商品力はあるが販売方法が良くないから」と捉えるかで戦略は大きく変わりますよね。

二つ目は、「深い仮説がある」ことです。

常識を覆すような洞察があったり、新しい構造の中で世の中を説明できることです。

たとえば、常識を覆すものとは、

  • 販売数中心で競争している市場だが、実は販売数のシェアが伸びるほど利益が減る
  • コア市場のシェアは拡大しているが、成長市場のシェアは縮小している

などがそうです。

新しい構造で説明するとは、

  • 共通性の発見
  • オフィス用プリンタとビル内エアコンの収益構造の仕組みが同じ

  • 関係性の発見
  • まったく異なるホルモンに関わる脳内のレセプターの働きに関係性がある

  • グルーピングの発見
  • 市場セグメンテーションで市場を何らかの視点に基づいた軸で切り分ける

  • ルールの発見
  • ガソリンの工業的な取引価格が上下すると10ヶ月遅れでサトウキビの農産品価格が同様に動く

などがそうです。

三つ目は、答えを出せることです。

重要であっても答えを出せない問題は多くあります。

たとえば、3社から8社ぐらいまでの企業数で市場の大半を占めている場合、「商品の値付けはどうすべきか?」という問題を解く決まり手はありません。

プレイヤーが2社であればゲーム理論が活用できますが、3社以上になると途端に難しくなるからです。

このような問題には手をつけず、答えを出すべきだと感じていても、手の付けようがない問題に対して、

自分の手法なら答えが出せるかもと思えるイシューを発見することを目指します。

こうしたイシューを見つけるコツは、

  • 現場に出向いて情報を得るなど一次情報に触れること
  • 数字や業界の常識、これまで整理されてきた内容をダブりもモレもなくスキャンすること
  • 集めすぎない、知りすぎないこと

です。

とにかく、間違ってもいいので、この問題が最も重要だと納得できるものを特定しましょう。

イシューを解く仮説を立てる

では次に、先ほど立てたイシューを解決するための仮説を立てます。

そのステップは、次の3つです。

  1. イシューを分解する
  2. ストーリーラインを組み立てる
  3. 絵コンテをつくる

それぞれ簡単に説明していきます。

1. イシューを分解する

イシューは大きな問いなので、いきなり答えを出すことは出来ません。

そこで、答えが出せるサイズに分解していきます。

事業コンセプトの場合は、

  • Where:どのような領域を狙うべきか
  • What:具体的にどのような勝ちパターンを築くべきか
  • How:具体的にどのような取り組みをしていくべきか

という型を使って分解し、さらにそれぞれをサブイシューに分解して仮説を立てていきます。

新しい技術や商品を生み出す場合は、最後に欲しいものから考えて、それを実現するために必要な要素を何度も頭の中でシミュレーションしながら書き出していきます。

こうしてイシューを分解すると、

  • 課題の全体像が見えやすくなる
  • サブイシューのうち、取り組む優先順位の高いものが見えやすくなる

という効果があります。

注意点としては、仮説のベースとなる考えがなくても、強引にスタンスを取ることです。

フタを開けてみないとわからないとは決して言わずに、とにかく見立てを書きましょう。

2. ストーリーラインを組み立てる

イシューを分解し、サブイシューに個々の仮説を立てると、自分が最終的に何を言わんとするのかが明確になります。

これに基づいて、以下の流れでストーリー仕立てにしていきます。

  1. 必要な問題意識・前提となる知識の共有
  2. カギとなるイシュー、サブイシューの明確化
  3. それぞれのサブイシューについての検討結果
  4. それを総合した意味合いの整理

もし、上の流れでストーリー化できない場合は、次に紹介する2つの型を使うのがオススメです。

まず一つ目は、Whyと自分に問いかけてストーリー化していく方法です。

  1. なぜ案件Aに魅力があるのか
  2. なぜ案件Aを手がけるべきなのか
  3. なぜ案件Aを手がけることができるのか

もうひとつは、空・雨・傘と呼ばれるものです。

  1. 空:○○が問題だ(課題の確認)
  2. 雨:この問題を解くには、ここを見極めなくてはいけない(課題の深掘り)
  3. 傘:そうだとすると、こうしよう(結論)

こうしてストーリー化できれば、イシューを解くための仮説がハッキリします。

3. 絵コンテをつくる

イシューを解くための仮説がハッキリしたら、次はどんな分析結果が欲しいのかをイメージします。

そのステップは3つです。

まず一つ目は、軸を整理することです。

どのような軸でどのような値をどのように比較するかを具体的に設計します。分析とは比べることだからです。

たとえば、「ジャイアント馬場はデカイ」は分析ではありませんが、日本を含む他の国の平均身長と比べると分析になります。

つまり、比較の軸がカギなのです。

ここで定量分析に役立つ3つの型を紹介すると、

  • 比較
  • 同じ量・長さ・重さ・強さなど、共通軸で2つ以上の値を比べる

  • 構成
  • 全体と部分を比較すること。市場シェア・コスト比率・体脂肪率など

  • 変化
  • 売上の推移・体重の推移・ドル円レートの推移など

があります。

これを原因と結果それぞれで軸を考えます。

たとえば、「腹の底から笑う人はそうでない人に比べて健康だ」というイシューについて検証する場合、原因側の軸は「笑いの質と頻度」になり、結果側の軸は「健康度」になりますよね。

「笑いの質と頻度」と言ってもたくさん軸があります。

  • 毎日どの程度腹の底から笑うか
  • 笑う回数のうち腹の底から笑う頻度はどの程度か
  • 腹の底から笑う度合いが以前と比べて増えたか減ったか

などなど。

結果側の健康度も同じようにいくらでも考えられます。

BMIや健康診断の結果、健康で幸せだと思う度合い、寝付き・寝起きのよい日の割合など、無限にありますよね。

この原因と結果の軸を掛け合わせて作るのが分析です。

原因側と結果側の双方でどのような比較が必要か、どれがいちばん綺麗な結果が出るかを絵コンテを書きつつ考えていくことが、軸の整理です。

二つ目は、イメージを具現化することです。

軸の整理が終われば、具体的な数字を入れて分析・検討結果のイメージを作っていきます。

グラフ化すれば「データにはどの程度の精度が必要か」「何と何の比較が鍵になるか」がはっきりします。

三つ目は、方法を明示することです。

ここまで書いてきたのはすべて仮説なので、実際にデータを取得して検証する必要があります。

そこで最後にどうやってデータを取得するのかを明示します。

どんな分析手法を使って比較するのか、どんな情報源から情報を得るのかを書きます。

取れないデータを頑張って取ろうとするのは無駄だからです。

仮説を解いてアウトプットを出す

さて、私たちが目指しているのは、限られた時間で、バリューのあるアウトプットを効率的に生み出すことでした。

ここまで、イシューを特定して仮説を立ててきましたが、改めて振り返ってみると、イシューが当初立てたものと変わっているかもしれません。

あるいは、解けないイシューと向き合っていたことに気づけるかもしれません。

このとき、最初に立てたイシューありきで進めるのではなく、もう一度イシューを立て直すところからはじめます。

このサイクルを何度もまわした方がバリューの質が上がるからです。

もちろん、ここまで立てたイシューとそのイシューを解く仮説に違和感がなくても、実際に行動すると問題にぶち当たるかもしれません。

そのときも、イシューからはじめるのです。

こうしてすべてをイシューから始める、つまり仮説を立てる&検証するを繰り返していけば、圧倒的なアウトプットが生み出せるようになりますよ。

まとめ

今回は、『イシューからはじめよ』を参考に、圧倒的な価値を生み出す方法について紹介してきました。

仮説を立てずに行動すると多くの労力がムダになる確率が高まります。ぜひ、すべての行動をイシューからはじめるようにしていきましょう。

おすすめ度:4.5

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