ジャナ・デリオン『ワニの町へ来たスパイ』感想/はちゃめちゃなCIA工作員が主人公の笑えるミステリー

おすすめ小説

はちゃめちゃな主人公の物語はお好きですか?

私は洋画も漫画も大好きなので、こういった物語は大好きですが、

ジャナ・デリオンさんの小説『ワニの町へ来たスパイ』は笑えるだけでなく、ストーリーもしっかりしていたので楽しめました。

魅力的な登場人物も多かったので、一気読みしてしまったんですよね。

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おすすめ度

おすすめ度:4.0

  • はちゃめちゃな主人公と老女の言動が笑える
  • 主人公の成長物語としても楽しめる
  • ミステリーとしても面白い
  • 翻訳の問題なのか所々わかりにくい箇所がある

作品の簡単な紹介

今回は、ジャナ・デリオンさんの小説『ワニの町へ来たスパイ』を紹介します。

CIA秘密工作員の主人公が、身を隠すためにやってきたルイジアナの小さな町で事件に巻き込まれる、というコメディ要素が強いミステリー小説です。

はちゃめちゃな主人公が魅力的なのはもちろんのこと、一緒に事件に首を突っ込んでいく老女たちも謎だらけで魅力的です。

さらに、コメディ要素が強い物語にありがちなグダグダ感はなく、ストーリーもしっかりしていたのでハマりました。

すでに続編も出ているので、引き続き読みたいと思います。

ちなみに、翻訳に問題があるのか、所々わかりにくい箇所がありました。

あらすじ:問題ばかり起こすCIA秘密工作員が主人公の物語

物語の主人公は、問題ばかり起こすCIA秘密工作員のレディング。

彼女には、ある組織の元締めのお気に入りになって金を届け、ドラッグを受け取って帰ってくるというミッションが与えられていましたが、

元締めの弟が12歳の少女を売り飛ばそうとするのを目撃したので、履いていた靴で殴り殺してしまいました。

そのせいで武器商人たちはレディングを殺そうと躍起になりましたが、実は元締めの弟が少女を売り飛ばそうとしたのは、レディングがCIAの一員だという確証を得るためでした。

つまり、CIA内部に裏切り者がいて、レディングはまんまとハメられたんですよね。

武器商人たちにとっては、元締めの弟が殺されるのは予想外の出来事でしたが。

そこで、彼女の上司であるモロー長官は、レディングに身を隠すために彼の姪であるサンディ=スーのフリをしてルイジアナにある小さな町でおとなしく過ごせと命じましたが、

彼女はルイジアナに着いて早々に人骨を発見したので…。

という物語が楽しめる小説です。

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感想①:正反対の女性に変装することになった主人公が笑える

あらすじでも紹介したように、レディングはモロー長官の姪のフリをすることになりましたが、

彼女は死体を積み上げるのが得意なレディングとは正反対の女性でした。

読書が大好きな司書で、趣味は編み物。しかも、ミスコンの女王だったのです。

そこで、モロー長官はレディングに出来る限り清楚な格好をさせて、ルイジアナにある小さな町・シンフルに送り込みましたが、

彼女は着いて早々に足首を捻り、ヒールが取れてしまいます。

もちろん、そんな些細なことは気にしないレディングは、裸足で歩いて家まで向かいました。

そして、家に着くと飼われていた犬が裏の川で寝ながら溺れそうになっていたので、持ち上げようとしたところ、ひっくり返って川に落ちてしまうんですよね。

しかも、その川から人骨が見つかったので、事件に首を突っ込むことに。

古川智映子さんの小説『土佐堀川』では、次々と起こる問題を乗り越えていく強い女性の物語が楽しめましたが、

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この小説では、大人しくて清楚な女性のフリをすべきレディングが、次々とトラブルに巻き込まれながら、本領を発揮していく姿が笑えました。

感想②:事件に首を突っ込む二人の老女が気になる

そんなレディングをシンフルという小さな町で出迎えたのは、ガーティとアイダ・ベルという老女たちでした。

レディングは、モロー長官の姪のフリをして、亡くなった大おばの家で遺産整理をするという設定で来たので、

その大おばの友人であるガーティとアイダ・ベルが出迎えてくれたのです。

彼女たちは、レディングに会うと、大おばから聞いていたイメージとは違うと言い出したので、レディングはなんとか誤魔化しましたが、

それ以上に70歳を超えている彼女たちが謎だらけでした。

裏の川で人骨が見つかると、すぐに事件に首を突っ込み、レディングに聞かれたくない内容があれば無言で会話をし、

湿地帯に浮かぶ島に行くためにボートを運転したり、アリゲーターが現れると、スナイパーでも真似できない命中率で仕留めるなど、謎だらけです。

そんな老女たちが何者なのか気になって、ページをめくる手がとまらなくなったんですよね。

伊坂幸太郎さんの小説『シーソーモンスター』では、特殊部隊で活躍していた元情報員の嫁と、謎に包まれた姑の物語が楽しめましたが、

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この小説でも、レディングを焚き付けて事件の真相に迫ろうとする老女たちが気になって、一気読みしてしまいました。

感想③:人を信じることができない主人公の成長物語が楽しめる

さて、この小説では、人を信じられないレディングの成長物語という側面も描かれています。

彼女は幼い頃、本当は息子が欲しいと思っていた父親から銃の撃ち方などを厳しく叩き込まれました。

そんな彼女も、父に認められたい一心で、臆病だと思われないように振る舞ってきました。

大人になった今も臆病ではないことを証明するために、孤軍奮闘していたのですが、

シンフルという小さな町で、同世代の友達ができ、また自分とよく似たはちゃめちゃな老女たちと出会い、彼女たちを大切に思うようになるんですよね。

だからこそ、ラストは…。

千早茜さんの小説『神様の暇つぶし』では、自分に自信が持てない主人公が年上の男性と出会い、成長していく物語が楽しめましたが、

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この小説では、誰も信じられなかったレディングが、他人を大切に思うように成長していく姿が楽しめました。

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まとめ

今回は、ジャナ・デリオンさんの小説『ワニの町へ来たスパイ』のあらすじと感想を紹介してきました。

はちゃめちゃなCIA工作員が主人公の笑えるミステリーが楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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