浅倉秋成『六人の嘘つきな大学生』感想/就活生の裏の顔に迫る二転三転するミステリー

おすすめ小説

二転三転するミステリーはお好きですか?

私は驚きが味わえるので大好きですが、浅倉秋成さんの小説『六人の嘘つきな大学生』は、就職活動をテーマに繰り広げられる想像を上回る展開に一気に惹きつけられました。

特に会議室での心理戦が面白く、一気読みしてしまったんですよね。

スポンサーリンク

『六人の嘘つきな大学生』の情報

タイトル 六人の嘘つきな大学生
著者 浅倉秋成
おすすめ度 4.5
ジャンル ミステリー
出版 KADOKAWA (2021/3/2)
ページ数 304ページ (単行本)
『王様のブランチ』でも紹介されたミステリー小説です。

おすすめ理由

  • 就活生の裏の顔が明かされていくという設定が面白い
  • 気になる謎が次々と提示されるので一気読みしてしまう
  • 二転三転する展開に何度も驚かされる
  • 一部強引な展開がある

『六人の嘘つきな大学生』の簡単な紹介

今回は、浅倉秋成さんの小説『六人の嘘つきな大学生』を紹介します。

スピラリンクスというGoogleのような企業の採用試験で、最終選考まで残った六人の大学生の裏の顔が明かされていくという物語です。

はじめは良い印象で描かれていた六人の大学生の嫌な面が徐々に明らかになり、さらに…というように二転三転していくので驚きの連続です。

また犯人も二転三転するので、私はミスリードにまんまとハマってしまいました。

一部強引なところもありましたが、続きが気になって最後まで一気読みしてしまうミステリーです。

スポンサーリンク

『六人の嘘つきな大学生』のあらすじと感想

ここからは、『六人の嘘つきな大学生』のあらすじと感想を紹介していきます。

はじまり:最終選考に残った六人の大学生

あらすじ

物語の主人公は、就活生の波多野祥吾。

彼は、スピラリンクスという10代から30代までの若者に人気のSNS・スピラを運営する会社の新卒採用試験で最終選考まで残りました。

初任給は破格の50万円で、まるでGoogleのような素晴らしい環境で働けるとあって、5000人ほどの応募者がありましたが、彼はその中から選ばれた六人に残ったのです。

しかし、最終選考は波多野が想像していたようなカタチだけのものではありませんでした。

これから1ヶ月後に、最終選考に残った六人で、スピラリンクスが実際に抱えている案件と似たような議題について、グループディスカッションをして欲しいと言うのです。

しかも、ディスカッションの出来によっては六人全員に内定を出す可能性もあると言われたので、最高のチームを作ろうとした六人でしたが…。

感想

スピラリンクスというGoogleのような企業の採用試験とあって、他の企業とは一味違うな…と思わせるところから物語が始まります。

そして最終選考に残った六人も、リーダーシップを発揮する慶應ボーイに、コミュニケーション能力が高い元球児、海外経験が豊富な美人女性など、誰もが残るべくして残った学生だと思えてきます。

そんな彼らが自分の能力を最大限に発揮しながら協力していく姿に、憧れすら抱きましたが、

最終選考日の一週間前に、突然人事から採用枠が1つになったので、誰が内定者に相応しいか議論してもらいますというメールが届くんですよね。

最高の仲間だと思っていた人たちが、突然ライバルになるという展開に一気に惹きつけられました。

最終選考:六人の裏の顔が明かされていく

あらすじ

2時間半のグループディスカッションで内定者一人を選ぶことになった六人は、波多野の提案により、30分ごとに投票して投票数が最も多かった人を内定者にすることに決めました。

とはいえ、誰もがその後どう振る舞えばいいのか迷っていましたが、会議室の扉付近に置かれていた封筒がきっかけで事態は大きく動きます。

その封筒には、6枚の封筒が入っており、表面には「波多野祥吾さん用」など、六人の名前が書かれていました。

早速、最終候補者の一人である九賀が、自分宛の封筒を開けたところ、

別の候補者が高校時代にいじめをして後輩を自殺に追い込んだという告発文と新聞記事の切り抜きが入っていることがわかります。

こうして候補者たちは、次々と自分宛の封筒を開けていき、他の候補者の汚点を明らかにしていきますが、あることがキッカケで、この封筒を用意した犯人がわかり…。

感想

仲良くなった六人の候補者がグループディスカッションで内定者一人を決める…という無謀にも思える設定に、どうやって内定者を決めるのか気になりましたが、

さらに、封筒を開けることで他の候補者の汚点が明らかになるという展開に、一気に惹きつけられました。

しかも、150ページほど読んだ段階で、封筒を用意した犯人が特定されるので、その後の展開が気になって、一気読みしてしまったんですよね。

『六人の嘘つきな大学生』というタイトルに相応しい、裏表のある大学生に嫌気がさす部分もありましたが、

それを上回る謎が次々と提示されたので、続きが気になって仕方ありませんでした。

スポンサーリンク

真相究明〜ラスト:果たして犯人は本当にあっていたのか?

最終選考から8年ほど経った頃、内定をもらいスピラリンクスで働くようになった私は、ある出来事をきっかけに、最終選考を振り返る必要に迫られます。

そもそも最終選考で皆が犯人と決めつけた人物は、本当に犯人だったのか?

また、内定者である私だけ、ある人物の好意により過去の汚点が明かされませんでしたが、そこにはどんな秘密が書かれていたのか?という謎に迫ります。

その過程で、これまで思い描いてきた内定者六人の人物像が逆転するような事実が明らかになり…。

感想

良いイメージの学生たちが、裏の顔を持っていたことがわかり、嫌な気持ちにさせられますが、そこからさらに…と二転三転していく展開に最後まで目が離せませんでした。

これは犯人についても同様です。私はミスリードにまんまとハマってしまったので、驚きの連続でした。

ちなみに、物語としては、良い会社に入るために嘘をつく学生と、会社の良い面だけを伝える企業に対する皮肉が込められているように思います。

とはいえ、誰もが良い面と悪い面の両面を持っているので、どちらの面に目を向けるかで評価は大きく変わるという当たり前の事実に気付かせてくれる物語でもありました。

(=採用される学生が優秀であるとは限りませんが、採用されるだけの良い面を持ち合わせていると言えるのでは?と思いました。)

まとめ

今回は、浅倉秋成さんの小説『六人の嘘つきな大学生』のあらすじと感想を紹介してきました。

就活生の裏の顔が明かされていくという設定が面白く、二転三転する展開に何度も驚かされるミステリーです。

気になった方は、ぜひ読んでみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました