(※『金持ちゾウさん、貧乏ゾウさん』表紙より)
お金があると幸せになれると思っていませんか。
私はそう思っていました。しかし、ある統計によると、すべての人が「年収があと20%増えたら生活が豊かになる」と答えたそうです。年収300万の人も1000万円の人も同じようにお金が足りないと感じているんですね。もちろん私も今の収入に満足していません。
では、どれだけのお金があれば満足できるのでしょうか。先ほどの統計結果から考えると、お金がいくら増えても満足できなさそうですよね。
そこで今回は、本『金持ちゾウさん、貧乏ゾウさん』を参考に、なぜお金が欲しくなるのか、なぜお金があっても幸せになれないのか考えてみたいと思います。
『金持ちゾウさん、貧乏ゾウさん』のあらすじ
お金が紙くずになるXデーに備えよ!金持ちゾウさんと貧乏ゾウさんが繰りひろげる、笑いと感動のビジネス寓話。昔、炭鉱で栄えたカネー村。そこに降って湧いた投資話に、村のゾウ達が次々と巻き込まれていく…。果たして、カネー村のお金はどこに消えたのか?「お金と幸せ」がライフワークの著者による、作家デビュー10周年の記念作、待望の文庫化!(amazonより)
なぜお金が欲しいの?
それは欲しいものが買えるからですよね。
新しい服や靴、美味しい食事、自分で設計した家…などなど、お金があれば大抵の物が買えます。
場合によっては結婚相手まで見つかることもあるでしょう。加藤茶さんはかなり歳下の女性と結婚されましたが、お金がないただのジジイでは結婚してもらえないですよね。
欲しいものがいつでも手に入る。他の人にはできないことができる。そんな優越感が味わえるからこそお金が欲しくなるのです。
他にもお金があると安心感が得られるというメリットもあります。
最近では、どんなに有名な企業に勤めていても、いつリストラされるかわかったものではありません。そもそも不安定な非正規雇用で働いている方も大勢います。
それだけでなく、100歳まで生きる時代になるとか、AIに仕事が奪われるとか、ほんと安心できない世の中になっています。
そんなときお金があればリストラされても大丈夫、好きなことができる、楽しく生きていける、幸せだ!って思いますよね。
つまり、私たちは優越感と安心感を得るためにお金が欲しいと思っているのです。
では、実際にお金があれば優越感と安心感が得られるのでしょうか。
優越感は長続きしない
最近、私は家を買いました。中古のマンションです。
もちろん新築の一戸建てが欲しいと思っていましたが、現実はそんなに甘くありませんでした。値段を聞いてローンのことを考えるだけで胸が痛くなってきます。
それなら自分にあった家を探そうということで、中古の一戸建てやマンションを見て決めました。かなりの値引き交渉もして、なんとか支払っていける金額になりました。
とはいえ、今もリフォームの値段を数万円単位で交渉しています。引っ越し費用や買い替え家電の値引き交渉など、他にもやることがいっぱいです。
しかし、お金があればどうでしょうか。このような努力をしなくても新築の一戸建てが、最新家電が手に入りますよね。優越感を心に閉じ込めておくのが難しいほどです。
私は素晴らしい人間だから努力せずに新築一戸建てが買えたんだ。必死になって中古マンションを買っているような奴(=私)よりも優れているんだ!と。
とはいえ、その優越感はいつまで続くのでしょうか。10年も経てば家の設備は大幅に変わっているでしょう。それこそAIの発達によって家自体が考えるようになっているかもしれません。
朝になったら自動的にカーテンが開いて、自動調理器が美味しい朝ごはんを用意し、タンスが今日のオススメの服をディスプレイしてくる――そんな日がやってくるかもしれません。
そんなとき、先ほど味わった優越感はどうなるでしょうか。最新の設備をそろえないと劣等感でいっぱいになりますよね。
つまり、お金を持ち続けることができなければ、すぐに劣等感に苛まれてしまいます。
お金で得られる優越感は一時的なもの。それなのにお金を必死で追い求める意味はあるのでしょうか。
安心感はお金では得られない
では、安心感はどうでしょうか。
私は安心感が欲しくてお金を貯めていますが、今のところまったく安心できません。リストラされたらどうしよう、子どもが海外留学したいって言ったらどうしよう、老後のお金は足りるのかな…などなど不安でいっぱいです。
多分どれだけ貯めてもこの不安はなくならないでしょう。お金では解決できない不安を抱えているからだと思います。
では、どうすればこの不安は無くなるのでしょうか。
それは何らかの価値を生み出すことです。自分が生み出した価値で誰かが喜んでくれれば幸せな気持ちになりますよね。また、自分が困ったときに助けてくれる家族や友人に囲まれていれば、お金があまりなくても不安にならないでしょう。
逆にいえば、そういった豊かさを感じていないからこそ、不安になってお金を求めているのかもしれません。
というわけで、お金で安心感は得られません。自分が好きなこと、得意なことを仕事にして社会に価値を提供し、そうして得たお金で家族や友人と豊かにつながっていく――これこそがお金に振り回されない、幸せな生き方なんだと思います。
いきなりすべての不安を解消するのは難しいかもしれませんが、少しずつでも幸せな生き方をしていきたいですね。
最後に
『金持ち父さん、貧乏父さん』のパロディーとして書かれた本書。主張は対照的ですが、ともにお金に振り回されない生き方をするために必要な知識が書かれています。
そのため、どちらの主張が正しくて間違っていると言うつもりもありません。資本主義社会で生きている限りお金は必要ですし、かといってお金ばかり追いかけても幸せにはなれません。
それぞれの主張の良いところだけを選んで、自分にあった生き方を選んでいく。それこそが幸せな生き方なのでしょう。
気になった方は、ぜひ2冊ともお読みください。
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