「先生は、後悔したことありますか?」
体が自由に動かせない。満足に歩けない。日中も寝ている時間が多くなった。思考力も以前のようには働かない…。
そんな終末期の患者が医師に投げかけた言葉です。医師はこう返します。
「あなたの後悔は何ですか?」
『死ぬときに後悔すること25』の著者は、緩和ケアという、主にがん患者の心身の苦痛を取り除く仕事をしている医師。
約千人の最後を見届けてきた著者が、多くの患者に共通する後悔を25のリストにまとめて紹介しています。
この本を読めば、誰もが自分の生き方を見直したくなるはずです。
「あー、後悔することばかりだ」とショックを受けた後、「今を精一杯生きよう」という前向きな気持ちが湧き上がってくるはずです。
私も後悔しそうなことばかりでした。
しかし、これを知った今からは後悔しない人生が歩めるはずです。
今回は、本書の中から私が特に後悔しそうな10のことをランキング形式で紹介していきます。
死ぬときに後悔する10のこと
第10位:健康を大切にしなかったこと
現在、もっとも多い死因は「癌(がん)」だそうです。3人に1人が癌で亡くなっています。
しかし、癌になる決定的な原因は見つかっていません。
そのため、サプリメントや癌に効果があると宣伝している健康商品をどれだけ摂っても、期待している効果は得られないそうです。
では、どうやって癌を予防すればいいのでしょうか。
それは癌検診しかありません。健康なときにこそ健康診断を受けておくべきだと著者は言います。
「先生、もう少し早く検査をしておけばよかった…」
そう嘆いてきた人たちの教訓をいかして、定期的に健康診断を受けていきたいですね。
第9位:他人に優しくしなかったこと
他人を蹴落としてまで勝負に勝ってきた人は、「優しさが足りなかった」と後悔するそうです。
それはなぜでしょうか。
結論から言うと、自分にも優しくなれないからです。
「人より優れている自分」でなければ許せないからこそ、他人を蹴落としてまで勝ちたいと思うんですよね。
しかし、死が近づいてくると、他人よりも劣っていく一方です。そんな考えでは、死は敗北でしかありません。
他人を蹴落としてまで得た人生の結末が敗北とは、すごい皮肉ですよね。
第8位:美味しいものを食べておかなかったこと
「無理やり口に運ばれて、何とか飲み込もうとするが、砂を噛んでいるようなんだ。味がないんだよ」
いわゆる終末期になると、食欲不振になり、頑張って美味しい食事を口に運んでも味がしなくなるそうです。
だからこそ、健康なうちに美味しいものを食べるのが一番!?
もちろん、好きな物ばかり食べたり、偏った食事をしてメタボになるのはよくありませんが、
神経質に食に気を使ったり、健康食しか食べないというのは損をしているように思います。
第7位:感情に振り回された一生を過ごしたこと
喜怒哀楽を表して生きることは悪いことではありません。
しかし、些細なことで感情を揺り動かされていると、大事なことに目が向けられなくなります。
ある患者さんはこう言いました。
「今考えると、何であんなに泣いたり、あんなに怒ったりしたのかわかりません」
「私がこれまでぶつかってきた障害なんて、死ぬことに比べれば、実はたいしたものではなかったということです」
「誰かを恨んだりうらやんだりするのは、ばかばかしいとはっきりわかりました。誰かを妬んで足を引っ張ったりすることも」
怒っても、泣いても、笑っても、同じように一生は過ぎていきます。
それなら笑って過ごしたほうが得だと思いませんか?
第6位:仕事ばかりで趣味に時間を割けなかったこと
病気になって入院が頻繁になると、仕事に向き合う時間が激減します。
このとき、仕事=人生のような生き方をしている人は、生きがいがなくなり、挫折感が強くなるそうです。
実はこれ。私もすごくわかります。社内異動をした直後、仕事が激減して相当苦しんだからです。
その苦しみから逃れるために始めたのがブログ。
今では習慣化して楽しい趣味になっていますが、死を直前にあの苦しみを味わうことを想像すると恐怖でしかありません。
仕事以外にも生きがいを見つけておいた方がいいですよ。
第5位:行きたい場所に旅行しなかったこと
死が迫ってから旅行しようと思ってもなかなかできません。体力的な問題だけでなく、様々な手続きが必要になるからです。
たとえば、一日あたり酸素が何リットル必要になるとか、そんなことを考えなくてはいけません。
また、たとえそんな煩わしい手続きを乗り越えたとしても、旅行先では思うように行動できず、不便な思いをすることになるでしょう。
それなら、健康なうちに旅行に出かけたほうが良いと思いませんか?
旅行は家族とのかけがえのない思い出にもなります。
第4位:夢をかなえられなかったこと
人間には様々な夢があります。
しかし、現実は厳しく、思い通りに夢が叶うことなどありません。
では、誰もが後悔することになるのでしょうか。
実は、死ぬ前に後悔するのは、夢がかなわなかったこと、かなえられなかったことではなく、夢をかなえるために全力を尽くさなかったことだそうです。
つまり、中途半端では後悔するということです。
全力を尽くして痛い目をみることを怖れていては、最後にそれ以上の後悔を味わうことになるんですね。
第3位:自分の生きた証を残さなかったこと
自分が生きた証として何を残すつもりですか?
多くの女性は我が子に生きた証を見出すことが多いそうです。
では子どもがいない女性や男性は?
特に何も浮かばない人は、文章を書いたり、絵を描くなどして、自分がどういう人間なのかを残しておくのもいいかもしれません。
その文章や絵を見て、励まされる人が一人でもいるなら生きた証と言えるのではないでしょうか。
第2位:自分のやりたいことをやらなかったこと
「先生、ひたすら耐えるだけの私の人生は何だったのでしょうか?」
人の一生はあっという間です。無理に無理を重ね、言いたいことも言えず、やりたいこともやらず、ひたすら他者のために生きる。
私も含め多くの日本人がこういう生き方をしています。
しかし、もう少し肩の力を抜かないと息が詰まります。
もう少し自由に生きないと、見えない鎖から解き放たれないと、後悔ばかりすることになるでしょう。
転職したいなら、新しい恋をしたいなら、世に名前を残したいなら、行動を起こすのは今です。
もう少し好き勝手に生きてみてはどうでしょうか。
第1位:生と死の問題を乗り越えられなかったこと
生きていることが単純に幸せで、死ぬことが単純に不幸なら、人の生涯は最後に不幸が確定します。
また、死の意味を見出せなければ、死は大きな恐怖となって私たちの眼前に立ちふさがるでしょう。
そんな敗北感や恐怖に支配されないようにするには、マイ哲学が必要です。
単なる快楽主義では最後に崩壊しますが、独自の人生観を「マイ哲学」として築いていれば死を前にしても堂々していられるそうです。
何のために生きるのか。そして何のために死ぬのか。
自分のなかで納得できる答えを見つけることが人生にとって何よりも大切なのかもしれませんね。
まとめ
私たちの人生には必ず終わりがあります。
当たり前すぎて普段は忘れてしまいがちですが、本書を読んでいつかは死ぬことを再認識しました。
すると不思議と今を大切にしたくなるんですよね。今を精一杯生きて、後悔しない選択をしたくなります。
あなたの後悔しそうなことは何ですか?ぜひ本書を読んで考えてみてください。
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