青山美智子『赤と青とエスキース』感想/恋愛も仕事も妥協しない生き方を

おすすめ小説

私たちは、自分のイメージを上回る人生を歩むことができません。

サラリーマンとして一生を終えたいと思っている人が、人気作家になったり、スポーツ選手として活躍する日など一生やってきません。

だからこそ、大きな夢をもって妥協せずに生きていく必要があるのですが、青山美智子さんの小説『赤と青とエスキース』を読んで、そんな熱い想いが蘇ってきました。

恋愛も仕事も妥協しない生き方をしようと励まされる物語です。

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『赤と青とエスキース』の情報

タイトル 赤と青とエスキース 
著者 青山美智子 
おすすめ度 4.0 
ジャンル ヒューマンドラマ 
出版 PHP研究所 (2021/11/10) 
ページ数 240ページ (単行本) 
2022年本屋大賞 第2位の小説です。
青山美智子さんの7作目の小説です。

おすすめポイント

  • 主人公を変えながら人の一生を描く構成に惹き込まれる
  • 何歳になっても心を通わせるのは難しいことがわかる
  • 恋愛も仕事も妥協せずに、ぴったりあうものを選ぼうと思える

『赤と青とエスキース』のあらすじ

オーストラリアに留学中の女子大生・レイが、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる『金魚とカワセミ』。額縁工房に勤める30歳の額職人・空知が、単調な仕事をする毎日に嫌気がさす『東京タワーとアーツ・センター』。

中年の漫画家・タカシマ剣が、弟子の砂川に追い越されて嬉しさと悔しさを覚える『トマトジュースとバタフライピー』、パニック障害になった51歳の茜が、元恋人の蒼と久しぶりに連絡をとる『赤鬼と青鬼』。

これらの物語が、プロローグとエピローグでつながっていく、仕掛けに満ちた連作短編集です。

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『赤と青とエスキース』の感想

主人公を変えながら人の一生を描く構成に惹き込まれる

私は、人がどういう風に生きてきたのか?に興味があるので、『ネオ・ヒューマン』などの自伝が大好きです。

『赤と青とエスキース』でも、まるで人の一生を描いたような物語が楽しめますが、自伝と違うのは、主人公が次々と変わっていくところです。

交換留学生としてオーストラリアにきたレイが、ブーと呼ばれる男性と恋に落ちる物語から始まり、額職人の空知が、寡黙な師匠と過ごす退屈な毎日から抜け出したいと願う物語へと続きます。

さらに、漫画家のタカシマ剣が、弟子の砂川に追い抜かれて、嬉しさとともに悔しさを覚える物語、50歳を超えて一人暮らしをしている女性がパニック障害になり、立ち止まることも大切だと気づく物語へと続いていきます。

このように主人公は変わっていますが、恋愛から仕事(後輩から先輩)、年をとって少し立ち止まって人生を振り返ることも大切だと気づく…という物語の構成が、まるで人の一生を眺めているように思え、惹き込まれました。

面白くなるのに少し時間はかかりますが、ラストは驚きが連続する感動の小説です。

何歳になっても心を通わせるのは難しいことがわかる

最近、熟年離婚が増えています。

それは、長年連れ添った夫婦でも、心を通わせるのは難しいからです。

むしろ、長年連れ添ったからこそ、相手はこう思っていると決めつけてしまい、心が離れてしまうのかもしれません。

『赤と青とエスキース』の登場人物たちも、恋人同士や師匠と弟子など、さまざまな関係で、相手の気持ちが理解できず、一人傷つく人たちの姿が描かれています。

彼らは、自分が傷つくことを恐れ、その一方で相手が傷つかないように、本音とは別の言葉を話していました。

本気で相手のことが好きなのに期間限定で付き合おうと言ったり、新しい挑戦をしたいと思っていても費用を気にして言い出せなかったり、必死で努力してきたけれど運が良かったんだと謙遜したりと、本当のことを言えずにいます。

そのせいで相手に誤解を与え、余計に苦しむ人たちの姿が描かれていたので、弱い自分と重なって心が痛くなりました。

しかし、さまざまなきっかけで誤解が解け、本当の気持ちが伝わる瞬間も描かれていたので、心が動きました。

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恋愛も仕事も妥協せずに、ぴったりあうものを選ぼうと思える

服を買うとき、どうしても欲しいものではなく、出来るだけイメージにあうものを選んでいませんか?

どれだけイメージ通りの服があっても予算よりも高ければ買わず、反対に安ければイメージと違っていても買ったりしていると思います。

もちろん、全てのことでイメージとぴったりのものを選ぶことなんてできませんが、ここぞというときにまで、妥協してはいけません。

『赤と青とエスキース』は、恋人を選ぶときや、自分にとって重大な仕事をするときは、絶対に妥協してはいけないことを教えてくれます。

なぜなら、妥協すると情熱が持てなくなるからです。

情熱があれば、その想いは必ず相手に伝わります。恋人同士であれば、いつまでも相手のことを想うことができ、仕事であれば、多くの人の心を動かすことができます。

芸術作品であれば、作家の想いを離れて世の中の価値観で評価が変わることもありますが、そもそも情熱がなければ、誰かの心を動かすことなんてできません。

そんな作者の熱い想いが伝わってくる物語だったので、最近、情熱が持ててないな…と思い当たるところがある方は、ぜひ読んでみてください。

きっと熱い心が蘇ってきますよ。

まとめ

今回は、青山美智子さんの小説『赤と青とエスキース』のあらすじと感想を紹介してきました。

主人公を変えながら人の一生を描くような構成に惹き込まれ、ラストは驚きが連続する感動の物語です。

また、恋愛も仕事も妥協せずに、ぴったりあうものを選ぶべきだ…という作者の熱い想いに励まされる物語でもありました。

気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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