憎しみや恐怖に囚われていませんか?
私はどうしても嫌がらせをしてきた人たちのことを許せませんが、
漫画『約束のネバーランド 17-20巻』を読んで、憎しみや恐怖に囚われている限り自由にはなれないことがわかりました。
それだけでなく、ラストは感動できる物語でもあったんですよね。
おすすめ度:
こんな人におすすめ
- どれだけ欲しいモノを手に入れても満たされない女王の物語に興味がある人
- 自由とは憎しみや恐怖に囚われないことだとわかる物語を読んでみたい人
- 感動の結末が描かれた物語が好きな人
- 『約束のネバーランド 七つの壁編』が楽しめた人
あらすじ:ついに鬼たちとの戦いに決着が着く物語
この記事では、漫画『約束のネバーランド』17巻から20巻で描かれている「王都決戦編」について紹介していきます。
「七つの壁編」で鬼の頂点に立つ「あの人」と新たな約束を結んだエマでしたが、
ノーマンは鬼の女王や貴族を殺すだけでなく、王都にいる全ての鬼を殺し尽くそうとしていました。

それだけでなく、ドンとギルダを利用してソンジュとムジカを殺そうとしていたんですよね。
これら全てを知ったエマとレイは、ノーマンが心の奥底では苦しんでいることを想い、「一緒に生きよう!ノーマン!!今度こそ!」と手を差し伸べます。
この言葉に心動かされたノーマンでしたが、すべての王や貴族を殺したはずが、なぜか女王レグラヴァリマが復活して追い詰められました。
さらに、ピーター・ラートリーが食用児たちがいるアジトに攻めてきます。
エマはこのピンチを乗り越え、すべての食用児を救うことができるのか!?という物語が楽しめる漫画です。
感想①:どれだけ欲しいモノを手に入れたとしても心は満たされない
あらすじで女王レグラヴァリマが復活したと書きましたが、彼女はすべてを手に入れても、まだあらゆるものを欲しがっていました。
地位や名誉、富、美食、強さ、賞賛など、どれだけ手に入れても、もっと、もっと…と求めていたんですよね。
なぜなら、欲望は美徳であり、欲は全てを動かす力であり、果てなき欲は果てなき力であると考えていたからです。
一方、そんな女王によって迫害され続けてきたムジカは、
「あなたは飢えている。いくら食べても、いくら手に入れても、いくら上りつめても満たされない。可哀想に。哀れだわ」
と言って、「本当は何が欲しかったの?」「何を恐れているの?」と聞きます。
和田竜さんの小説『小太郎の左腕』では、人を騙して欲しいモノを手に入れたとしても、その代償の大きさは計り知れないことがわかる物語が描かれていましたが、

この物語では、他人を犠牲にして地位や名誉、財産などを手に入れたとしても、心の渇きが満たされることはないとわかりました。
感想②:自由とは憎しみや恐怖に囚われないこと
先ほど、ピーター・ラートリーが食用児たちがいるアジトに攻めてきたと書きましたが、
彼はこれまで食用児たちを人間とは思わずに犠牲にしてきました。
鬼たちに食用児を提供することで自分の身を守ってきたのです。
それだけでなく、兄のジェームズ・ラートリーとその協力者を殺し、ノーマンたちにも酷い実験を繰り返し、彼のせいでユーゴとルーカスは殺されました。
それでもエマは、対話を、話し合うことを放棄したくないと言って、ピーターと交渉します。
なぜなら、殺して解決では、憎んだり、恨んだり、恐れたりする日々から抜け出せないからです。
運命や境遇だけじゃなく、憎しみや恐怖にも囚われない自由を求めていたんですよね。
原田マハさんの小説『奇跡の人』では、不自由な暮らしを強いられてきた主人公が、教育を受けて自由を手にする物語が描かれていましたが、

この物語を読んで、憎しみや恐怖に囚われている限り自由にはなれないことがわかりました。
感想③:ついに感動の結末!?
さて、『約束のネバーランド』も20巻でついに完結です。
女王レグラヴァリマとの対決に終止符を打ち、ピーターとの戦いにも決着がつき、ついに鬼の頂点に立つ「あの人」と結んだ約束が実行されます。
その途中でママ(イザベラ)やフィルが登場するなど感動のシーンもありますが、
エマがあの人と約束したのは、食用児たち全員が誰も死なずに人間の世界に行けるというものでした。
その代わりに、エマはあることを要求されたんですよね。それは…。
伊坂幸太郎さんの小説『AX アックス』では、家族想いの殺し屋に涙が溢れ出そうになる物語が描かれていましたが、
この漫画でも、エマの決断に感動すること間違いなしの物語が描かれていました。
まとめ
今回は、漫画『約束のネバーランド』17巻から20巻で描かれている「王都決戦編」のあらすじと感想を紹介してきました。
自由とは憎しみや恐怖に囚われないことだとわかる物語としても、最後に感動できる物語としても楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。
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