(※『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』表紙より)
「数学をもう一度学び直そう!?」と思って読みはじめた本『数学ガールの秘密ノート』。
第2弾の本作は、前作より少し難しくなっていますが、数学マジックなど楽しく学べる内容が盛りだくさん!?数学に苦手意識を持っている方でも気楽に読める本です。
今回は『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』のおすすめポイントを紹介します。
『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』のおすすめポイント
1. 数学に興味が持てる問題が盛りだくさん
ある自然数が\(3\)の倍数かどうか知りたい場合、\(3\)で割るよりも簡単に求める方法があるのをご存知でしょうか。
結論から言うと、各桁の数字を足し合わせた結果が\(3\)の倍数かどうかを調べればわかります。
たとえば、「\(123456789\)」が\(3\)の倍数かどうか知りたい場合、各桁を足すと「\(1+2+…+8+9=45\)」になるので、3の倍数だと判定できます。
では、なぜ各桁の合計が3の倍数なら、もとの数も3の倍数だと判断できるのでしょうか。
ここで、\(n\)を\(0≦n<1000\)の整数、\(a, b, c\)を\(0\)から\(9\)までの整数と置くと、
\(n=100a+10b+c\)
と表せます。「\(n=123\)」なら、\(a=1,b=2,c=3\)ですね。この「\(n=100a+10b+c\)」を\(3\)で括ると、
\begin{align*}
n & = 100a+10b+c \\
& = 3\times(33a+3b)+a+b+c
\end{align*}
となり、\(a+b+c\)が\(3\)の倍数ならもとの数も\(3\)の倍数になることがわかります。面白いですよね。
他にも「なるほど!」と思える内容が盛りだくさん。数学の魅力にはまっていきます。
2. 当たり前のところからはじめよう
たとえば、\(1\)から\(31\)まで書かれた次のようなカードがあるとします。
ここで\(1\)から\(31\)までのある数字を浮かべて、その数字がないカードを裏返してください。すると、簡単にその数字を特定することができます。たとえば、\(12\)の場合は、
となりますが、すぐに「\(12\)」を選んだことを見抜けるんですよね。その理由は、本書に譲るとして、以下のような簡単なケース(\(1\)から\(3\)の場合)から考え始めると、答えにたどり着きやすくなります。
難しい問題こそ、当たり前のことから考え始めることが大切なんですね。
3. 正解がない問題もある
素数を求める式として、次の2つの計算式があります。
\begin{align*}
P(n)=n^2+n-41\\
P(n)=n^2+n+41
\end{align*}
この式はどちらも、
・すべての素数が求められるわけではない
・素数以外の値も含まれている
ことから、出来るだけ多くの素数を求める式になります。つまり、間違った答えも含んでいるということ。
この式をみて思うことは、『理科系の読書術』でも紹介したように、完璧な答えを見つけることだけが大切なのではなく、ベターな答えを見つけることが大切だということです。
実世界では完璧を求めるのは難しいですが、数学でも完璧に解くのは難しい問題があるんですよね。
というわけで、完璧に解けないからダメというわけではなく、自分の知識を総動員してベターな解を見つけることが大切だとわかる問題です。
最後に
結城浩さんの『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』。前作より少し難しくなっていますが、数学マジックなど楽しく学べる内容が盛りだくさん!?
気になった方は、ぜひ読んでみてください。
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