あなたにとって大切なものは何ですか?
お金や車、学歴や地位、家族などいろいろあると思います。なかでも私が大切にしているのは自由です。
たとえば、他人を自分の思い通りに動かそうとする人がいますよね。行きたくもない場所に無理やり連れて行こうとしたり、騙したり脅したりして自分の考えを押しつけてくる人がいます。
私のまわりにもいますが、私はそういう人とは徹底的に戦います。なぜなら、そうしないと自分がなくなるからです。反対に自由を尊重してくれる人とは、今後も仲良く付き合っていきたいと思っています。
小野寺史宜さんの小説『ひと』を読んで、改めて自分が大切にしているものを見つめ直すことができました。
世の中には良い人もいれば悪い人もいる
では、あらすじから。
当たり前のことですが、世の中には良い人もいれば悪い人もいます。
物語の主人公・柏木聖輔は、20歳で両親を亡くし、大学を中退。一人でこれからどう生きていこうか悩んでいました。
そんなときに偶然出会ったのが、総菜屋の店主です。総菜屋の店主は聖輔が見知らぬおばさんにコロッケを譲った姿をみて、声をかけてくれました。
このとき、聖輔は久しぶりに人と会話らしい会話をしたんですよね。そしてハムカツを安くしてくれた店主の優しさに心を動かされ、この店でアルバイトをすることにしました。
こうして両親を失った悲しみから少し立ち直った聖輔でしたが、総菜屋の人たちのように優しい人たちばかりではありませんでした。
聖輔の叔父は母が亡くなったことを利用して50万円だまし取ろうとしたのです。
それだけでなく…。
誰と付き合うかで人生は大きく変わる
島根から東京に出てきて、再びお金をせびろうとするんですよね。気の弱い聖輔はお金を渡してしまったので…。叔父は何度もお金をせびりにやってきました。
このときに助けてくれたのが、同じ総菜屋で働く先輩でした。先輩がバシッと言ってくれたおかげで、それ以降、叔父は来なくなります。
このように人生は誰と付き合うかで大きく変わります。たとえ自分一人では立ち向かえなくても、周りの人たちの助けがあれば前に進めます。
聖輔と偶然再会した高校時代の同級生・青葉も人生の岐路に立っていました。彼女は元彼との関係をどうするか悩んでいたのです。
なぜなら、彼は悪気なく自己中心的に振る舞える人物だったからです。
彼は慶応に通う大学生で、見た目も悪くありませんでしたが、道を人に譲らなかったり、目の前に老人が立っていても優先座席に堂々と座っていられる性格でした。
そんな人と付き合っていると、心が削られていきますよね。だからこそ…、
何よりも大切なのは「ひと」
大切なのはものじゃない。形がない何かでもない。人だ。人に代わりはいない。道は譲る。ベースも譲る。店のあれこれも譲る。でも青葉は譲らない。譲りたくない。
そう思える人と出会えるかどうかで人生は大きく変わるように思います。
あなたは、お金よりも、地位よりも、名誉よりも大切に思える人に出会えていますか?
小野寺史宜さんの小説『ひと』は、人との出会いを大切にしたくなる物語です。気になった方は、ぜひ読んでみてください。
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