ギヨーム・ミュッソ『パリのアパルトマン』感想/誰もが子供という存在にとらわれている

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子供という存在にとらわれていませんか?

私はすでに結婚して子供もいるので、子供に影響されながら毎日を過ごしていますが、

ギヨーム・ミュッソさんの小説『パリのアパルトマン』を読んで、誰もが子供という存在にとらわれていることがわかりました。

子供がいる/いないに関わらず、誰もが子供という存在に大きく影響されていることがわかる物語だったんですよね。

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おすすめ度

おすすめ度:3.0

  • 対立していた二人が同じ目的のために協力する姿に胸が熱くなる
  • 気になる謎が次々と提示されるのでページをめくる手がとまらなくなる
  • 誰もが子供という存在にとらわれていることがわかる
  • 前置きが長く面白くなるまでに時間がかかる

作品の簡単な紹介

今回は、ギヨーム・ミュッソさんの小説『パリのアパルトマン』を紹介します。

強い女性はお好きですか?

私は仕事で疲れ切ったときなど、「強い女性に甘えたい」なんて思うことがありますが、

この物語に登場する女性の強さは、甘えられるようなものではありませんでした。

少しでもムカつくことがあると、グラスの水をぶちまけたり、ペットボトルを投げつけるなど、とても攻撃的です。

そんな女性と同じアパルトマンをブッキングした(ダブルブッキングになった)男性作家が、はじめは対立していた彼女とともに天才画家の遺作を見つけ出すために協力していく物語です。

王道のパターンに胸が熱くなりますが、主題に入るまでの天才画家の説明が長く、途中で読むのを断念しそうになりました。

あらすじ:同じアパルトマンをブッキングした男女の物語

物語の主人公は、イギリス・マンチェスターの犯罪取締班に勤務していたマデリン。

彼女はそこで捜査員として関わったアリス・ディクソン事件に打ちのめされて、警察を辞めましたが、それ以上に打ちのめされる出来事に遭遇しました。

ニューヨークで付き合っていた男性が、彼女との間に子供ができなかったという理由で元妻のもとに戻り、しかもその元妻との間に出来た子供と鉢合わせになったのです。

そこでマデリンは、傷ついた心を癒すために、急死した天才画家ショーン・ローレンツが住んでいたパリにあるアパルトマンをブッキングしましたが、

同じアパルトマンを人気劇作家のガスパールもブッキングしていました。

こうして彼らは出会い、互いにアパルトマンを譲ろうとしませんでしたが、ショーンが残した遺作3点が行方不明だとわかると…。

という物語が楽しめる小説です。

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感想①:相性の悪い二人が協力する姿に胸が熱くなる

先ほどあらすじで、マデリンとガスパールが同じアパルトマンをブッキングしたと紹介しましたが、

彼らはその事実がわかってからも、互いにアパルトマンを譲ろうとはしませんでした。

二人とも慣れ親しんだような感覚が味わえ、純粋さと快適さが感じられるその空間を気に入ったからです。

とはいえ、彼らは一緒の空間で過ごせるほど相性が良くありませんでした。

マデリンは、元刑事ということもあり、頭に血がのぼりやすく、グラスの水をぶちまけたり、ペットボトルを投げつけるなどの行動をとる攻撃的な女性で、

一方のガスパールは、人間嫌いで、他人との付き合いを断ち切って隠遁生活をしており、無神経なところがありました。

そんな相性の悪い二人が、天才画家ショーン・ローレンツの作品に心を奪われ、遺作3点が行方不明だと知ると、協力して見つけ出そうとするんですよね。

東野圭吾さんの小説『マスカレード・ホテル』では、正反対な二人が対立と協力を繰り返しながら犯人を追いつめるミステリーが楽しめましたが、

東野圭吾『マスカレード・ホテル』は正反対な二人が対立と協力を繰り返しながら犯人を追いつめるミステリー
自分とは異なる考えの人と交流していますか? 私はどうしても似たような考えの人とばかり付き合ってしまいがちですが、 東野圭吾さんの小説『マスカレード・ホテル』を読んで、正反対な考えをしている人と交流するからこそ、新たな発見が生ま...

この小説では、問題を抱えた相性の悪い二人が対立しながらも、同じ目的のために協力する姿に胸が熱くなりました。

感想②:気になる謎が次々と提示される

そんな相性の悪いマデリンとガスパールが協力して、天才画家ショーン・ローレンツの遺作を探し始めたところ、次々と謎にぶつかります。

ネタバレにならないようにいくつか紹介していくと、

  • ショーンの妻と息子は過去に誘拐されていたが、なぜ妻だけが解放されたのか?
  • ショーンはなぜ亡くなる直前に嫌っていたニューヨークにいたのか?
  • ショーンが夜行性の顔料や白にこだわっていた理由は何か?
  • ショーンが亡くなる前に夜中に絵を描くようになったのはなぜか?
  • 遺作3点に隠された秘密とは?

など、気になる謎が次々と提示されるんですよね。

辻堂ゆめさんの小説『あなたのいない記憶』では、記憶をテーマにした気になる謎が次々と提示される物語が楽しめましたが、

辻堂ゆめ『あなたのいない記憶』は記憶の曖昧さに衝撃を受ける物語
自分の記憶に自信を持っていますか? 私は記憶力が良い方だと思っているので自信がありましたが、 辻堂ゆめさんの小説『あなたのいない記憶』を読んで、少し自信がなくなりました。 記憶がどれだけ曖昧なものかが描かれていたからです。...

この小説では、天才画家が残した遺作にまつわる謎が次々と提示されたので、続きが気になってページをめくる手がとまらなくなりました。

感想③:誰もが子供という存在にとらわれている

さて、この小説では、誰もが子供という存在とらわれていることがわかる物語が描かれています。

あらすじでも紹介したように、マデリンは付き合っていた男性との間に子供が生まれなかったので、別れを告げられました。

しかも、その元妻との間に出来た子供と鉢合わせになり、幸せそうな彼の姿を見たので、彼女は体外受精をしてでも、子供をもつことで、これまでのつらい人生から救われようとします。

反対に、ガスパールは、父親との間に不幸な出来事があり、自分が子供を持つ姿が想像できませんでした。

一方で、天才画家ショーン・ローレンツは、子供が生まれてから絵が描けなくなるほど子供がすべてになり、

さらに子供が誘拐されて殺されてからは、絶望の毎日を過ごすようになるんですよね。

そして、物語のラストでも…。

小川糸さんの小説『キラキラ共和国』では、嫌な過去も子供の存在を通して意味ある過去へと変えていけると思える物語が描かれていましたが、

小川糸『キラキラ共和国』は嫌な過去も意味ある過去へと変えられることがわかる物語
 嫌な過去はありませんか?  私は結婚した直後がとてもツラかったので、ときどき嫌な過去として思い出すことがありますが…。  子供ができて、幸せな家庭が築けた今では、その時間も愛おしく思えるようになりました。  小川...

この小説では、子供がいる/いないに関わらず、誰もが子供という存在にとらわれていることがわかるミステリーが楽しめました。

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まとめ

今回は、ギヨーム・ミュッソさんの小説『パリのアパルトマン』のあらすじと感想を紹介してきました。

子供がいる/いないに関わらず、誰もが子供という存在にとらわれていることがわかるミステリーが楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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