池波正太郎さんの小説『鬼平犯科帳』を読んだことはありますか?
私は、「少し古い小説なので…」と敬遠していましたが、1巻を読んで、もっと早くに読んでおけば良かったと後悔しました。
悪党から怖れられる「鬼の平蔵」こと「鬼平」が、人情味あふれる行動をとりながらも、悪党どもを成敗していく姿に心動かされたからです。
『鬼平犯科帳 1』の情報
おすすめ度の理由
『鬼平犯科帳 1』のあらすじ
物語は、火付盗賊改方という江戸市中の犯罪を取り締まる、特別警察の刑事のような任についている小野十蔵が、「野槌の弥平」という凶悪な盗賊を捕まえようと狙っているところから始まります。
十蔵は、元盗賊の岩五郎からの密告を受けて、「野槌の弥平」の一味だと思われる小間物屋助次郎の家を探ったところ、助次郎の女房・おふじが夫を殺したといって泣いている姿を目撃しました。
彼女が助次郎を殺したのは、別の女のところに行く、お腹にいる子どもなんていらないと言われ、さらにお腹を踏みつけられたからで、助次郎が盗賊だとは知りませんでした。
そんなおふじの姿をみた十蔵は、妻と上手くいっていなかったこともあり、誰にも相談せずにおふじを匿い、いい関係になりますが、そのことを野槌の弥平に知られ、脅されるようになります。
そのため、火付盗賊改方の長官である長谷川平蔵にも相談できずにいましたが、平蔵がそのことを知ると…。という物語が楽しめる小説です。
『鬼平犯科帳 1』の感想
まず、この小説を読んで驚いたのは、盗賊にもモラルがあることです。
昔からの盗賊は、
一、盗まれて難儀するものへは、手を出さぬこと。
一、つとめをするとき、人を殺傷せぬこと。
一、女をてごめにせぬこと。
という三カ条を絶対的なよりどころとして守っており、これから外れた、どこにでも転がっているような盗賊は、あさましいとみていました。
しかし、「鬼の平蔵」こと「鬼平」が活躍する時代になると、三カ条を守らない、モラルをもたない盗賊が増えてきます。
盗む相手は誰であってもよく、簡単に人を殺し、女をてごめにするなど、好き放題に振る舞っていました。
そこで、泣く子も黙る鬼平が、火付盗賊改方の長官として、盗賊を次々と成敗していくんですよね。
そんな平蔵も、若い頃は、父の再婚相手である波津に虐められましたが、大人しくやられているような性格ではなかったため、盛り場や悪所をうろつきまわり、無類どもと交わって酒を飲み、女と遊んでばかりいました。
そればかりか、すばしこい腕力にものをいわせて、無類漢を押さえ込んで頭分におさまり、「本所の鬼」と呼ばれていたのです。
そんな元悪党の鬼平が、火付盗賊改方の長官になり、人情味あふれる行動をとりながらも、悪党どもを成敗していく姿に心動かされる物語です。
まとめ
今回は、池波正太郎さんの小説『鬼平犯科帳 1』のあらすじと感想を紹介してきました。
元悪党の鬼平が、人情味あふれる行動をとりながらも、悪党どもを成敗していく姿に心動かされる物語です。
気になった方は、ぜひ読んでみてください。
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