日本における自殺の統計情報を見てみると、男女差がとても大きいことがわかります。
下図は2016年までの自殺者数をグラフにしたものですが、圧倒的に男性の方が多いですよね。女性の2倍以上あります。
では、なぜ男性の自殺者数はこれほど多いのでしょうか。
警察庁の統計情報(平成27年中における自殺の状況)によると、「経済・生活問題」や「勤務問題」が全体の33%を占めており、仕事関連の悩みが大きな要因であることがわかります。
つまり、会社の倒産や生活苦、失業や仕事疲れなどが原因で自殺をする人が多いんですよね。
とはいえ、女性の自殺理由を見てみると、仕事が原因というものはそれほど多くありません。なぜなら…。
女性は会社以外にも居場所がある!?
女性は会社以外にも自分の居場所があるからです。
これまで多くの男性は会社に人生を捧げるような生き方をしてきました。平日は朝から晩まで会社で仕事をし、土日も接待や残った仕事を家でやる人たちが大勢いました。
ところが、日本の経済成長が翳りをみせ、1997年頃から多くの企業がリストラを始めました。倒産に追い込まれた企業もあります。
そのせいで、会社にしか居場所がなかった男性の一部が人生を諦めてしまい、自殺したわけですが…。
残念ながら、今後も日本経済が大きく成長していく可能性はそれほど高くありません。少子高齢化が進む日本では、多くの市場が縮小傾向にあるからです。
それにも関わらず、これまで同様に「仕事がすべて」「会社に頼った生き方」をしていては、自殺したくなる状況に追い込まれることになりかねません。
そこで会社以外にも自分の居場所を持つ必要が出てくるわけですが…。一体どんな居場所を持てばいいのでしょうか。
「ワーク・ライフ・ソーシャル」の3つの居場所を持とう
それは次の3つです。
- (お金を得る)仕事「ワーク」に、最大限の努力をする
- 子育てなど「ライフ(プライベート)」に、しっかりと時間を取る
- 地域活動や社会貢献など「ソーシャル」に、コミットした活動をする
この3つの居場所を持てば、たとえ「仕事関連の悩み」で苦しむことになっても、自分の居場所があるという安心感が生まれ、人生の幸福度は間違いなく高まります。
たとえば、子供のために野球のコーチをしながら、PTAの役員をしているとしましょう。すると、仕事以外にも「親」として、「野球のコーチ」として、「PTA役員」としての居場所ができますよね。
もちろん、仕事を失えば、経済的な不安に悩まされることになるでしょう。しかし、「自分には生きる価値などない」とは思わずにいられそうですよね。子供やPTAからは必要とされているのですから。
さらに、仕事一点張りの人生よりも、親として、パートナーとして、子供として、そして地域社会の人間として、複数の役割を楽しむことができます。
私たちは誰もが一人では生きていけません。誰かに必要とされれば間違いなく幸福を感じることができます。
そこで、複数の居場所を持つことが大切になるわけですが、それだけでなく…。
仕事の能力も飛躍的に向上する!?
複数の居場所をつくることで仕事の能力も飛躍的に向上するんですよね。
子育ての経験がある方はご存じだと思いますが、10歳未満の言葉数も少ない子供たちに、自分の意見や考えを伝えるのは簡単ではありません。
会社の部下とは違い、叱り飛ばせばいいというものではないからです。
同じように、「PTAの女性たち」や「少年野球のおっさんたち」、「学校の先生」や「町内会の長老」などとは、価値観や共通言語が異なるので、コミュニケーションを取るのも一苦労です。
しかし、こうした苦労がコミュニケーション力を劇的に高めてくれます。
もちろん、コミュニケーション能力だけではありません。たとえば、PTAやNPO、地域社会での活動では、自分で手をあげさえすればプロジェクトリーダーになれます。
プロジェクトリーダーとして行動すれば、組織運営力や人脈、視野や多様性といったビジネスパーソンに求められるスキルが飛躍的に向上しますよね。
一方、会社では若手社員に大きな仕事を任せない傾向が強まっています。不況の煽りもあり、失敗できない状況に追い込まれているからです。
このように考えると、会社でダラダラ残業しているよりも、地域活動に取り組んだ方が仕事の能力も飛躍的に向上すると思いませんか?
最後に
というわけで、私も「ワーク・ライフ・ソーシャル」の3つの居場所がもてるように行動することにしました。具体的には「子育て」と、「マンションの自治会役員」としての役割を果たそうとしています。
すると、少しずつですが、人脈や視野が広がってきたように思います。異業種の人たちや幅広い年代の人たちとの交流は、自分の価値観を変えるキッカケになります。
それだけでなく、「自分だけがツライ思いをしている」という妄想を持たずにいられるんですよね。
だからこそ、会社にすべてを捧げるような生き方をしている人は、「ワーク・ライフ・ソーシャル」の3つの居場所が持てるように行動を変えてみてはどうでしょうか。
そうすれば、人生100年時代を迎えても、今よりも楽しく生きていけると思いますよ。
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