目的達成と感情のどちらを優先していますか?
私は自分の感情を優先してしまいがちですが、漫画『100万の命の上に俺は立っている』の主人公は違いました。
異世界から生き延びて脱出するために、自分の感情よりも目的達成を最優先するんですよね。
おすすめ度:
こんな人におすすめ
- 感情よりも目的達成を優先する主人公の物語に興味がある人
- 主人公が異世界に転送される物語が好きな人
- 闇を抱えた登場人物たちの物語に興味がある人
- 現実を変えたいと思っている人
あらすじ:東京が大嫌いで、何もやりたいことがない主人公の物語
このエントリでは、漫画『100万の命の上に俺は立っている』の1巻から5巻までのあらすじと感想を紹介していきます。
物語の主人公は中学3年生の四谷友助。
彼は過去に何らかのトラウマがあり、今住んでいる東京と、東京に住む人間のことを心の底から嫌っていました。
また、特に何もやりたいことがなかったので、人と関わらないように生きていました。
ところが、ある日。
日直として黒板消しをしていたところ、クラスに残っていた新藤衣宇(しんどう いう)と箱崎紅末(はこざき くすえ)と共に異世界に放り込まれます。
異世界では、顔が半分しかない変態がルールの説明をしてくれましたが、
彼は、与えられたミッションをクリアすれば現実世界に戻ることができ、完全攻略まで「あと8周」、
周回ごとに一人増えて行くので最終的に10人でクリアしてくださいと言い出しました。
新藤は2回、箱崎は1回、異世界でのクエストをすでにクリアしていたので、友介は3人目だったのです。
他にも、モンスターに殺されて死んでも、全員死ななければ本当の死は訪れないとか、
一人ひとりは30秒で生き返るので安心だというのですが、なぜこのような世界に放り込まれたのかは教えてくれませんでした。
この異世界の先輩である新藤も箱崎も、顔半分の変態が未来人で、とある知人に依頼されて集められたということしか教えてもらえていません。
ところが、このような状況にも関わらず友介は…。
超合理的に物事を判断する主人公
感情を爆発させることなく、目的達成を優先して行動していくんですよね。
たとえば、友介は「俺がみんなを守る!」みたいな考え方をする人を恥ずかしい人間だと思っているので、
異世界では一人が生き残るとみんなの利益につながる、つまり一蓮托生だから自分の考えと合っているんだよね…と言います。
実際、四人目のプレイヤーである時館由香(ときたて ゆか)を勧誘するときも、
彼女が虐められて裸の写真を撮られそうになっている姿を見た友介は、
次のクエストの成功率を上げるために由香を助けることにし、由香を囲んでいた三人の女子高生のスマホを折って割りました。
さらに警察に告げ口されて捕まらないようにするために、壊したスマホを粉々にしてトイレに流します。
つまり、異世界でのクリア確率向上と現実での脅威を回避するために行動していたのです。
また、命の価値をランキングしており、現実世界で努力を積み重ねてきた新藤と、
持病の薬代で親に迷惑をかけてきたので薬の研究をするのが将来の夢だという箱崎を、
自分よりも上にランキングして「命に変えても守るべき存在」だと言います。
一方で、人に騙されて人殺しを請け負うようなバカは一人残らず死ねばいいと考えていました。
つまり、友介は、助ける意味のある人間だけを救い、生きる意味がないと判断した人間は見捨てるような超合理的な人間だったんですよね。
そんな彼らに中学を中退した19歳の鳥井啓太も加わって物語が進んでいくのですが…。
人間の醜さや汚さが描かれている物語
随所に人間の醜さや汚さが描かれています。
たとえば、新堂が現実世界で努力を重ねてきたのは、
超悪ガキだった彼女に優しくしてくれた近所のお姉さんが飛び降り自殺をしたからだと言います。
そのお姉さんは学校でいじめに遭っていたので自殺をしたのですが、
そのことを知った新堂の父と兄は、「ブサイクだからああなるんだ」とそのお姉さんをバカにしました。
そんな残酷な現実を知った彼女は、自分が力をつけて、「第一印象で人を判断する奴ら」に立ち向かうために、努力をしていると言います。
一方で、裸の写真を撮られそうになった由香は、助けてくれた友介を変質者扱いして、虐めていた人たちと仲直りしたと言うのです。
また、中学を中退した19歳の鳥井啓太は、母親しかいないので、借金を重ね、殺しの仕事を請け負ったのだと言います。
そんな闇を抱えた彼らが、どのように協力して困難に立ち向かっていくのか、続きが気になって仕方ない物語なんですよね。
まとめ
今回は、感情よりも目的達成のために行動する主人公の物語『100万の命の上に俺は立っている 1-5巻』を紹介してきました。
この物語では、最終的に倒すべき相手は巨大ドラゴンであるとか、この異世界はパラレルワールドのひとつだとか、
周回ごとに時間が大きく経過するとか、誰が何の基準で彼らを集めたのか、など気になる謎が次々と提示されるので、
続きが気になってページをめくる手が止まらなくなります。
気になった方は、ぜひ読んでみてください。
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