青山美智子『月曜日の抹茶カフェ』感想/これまで以上に人との縁を大切にしたくなる物語

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人との縁を大切にしていますか?

私は一度きりの縁はそれほど大切にしてこなかったように思いますが、青山美智子さんの小説『月曜日の抹茶カフェ』を読んで、これからは大切にしようと反省しました。

直接的な人とのつながりだけでなく、間接的な縁をきっかけに幸せになっていく人たちの姿が描かれていたからです。

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『月曜日の抹茶カフェ』の情報

タイトル 月曜日の抹茶カフェ 
著者 青山美智子
おすすめ度 4.0
ジャンル ヒューマンドラマ
出版 宝島社 (2021/9/9)
ページ数 221ページ (単行本)
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おすすめ度の理由

  • 12人の主人公の物語がつながっていく展開に惹き込まれる
  • 温かくて優しい気持ちになれる
  • 一度きりの縁でも大切にしようと思える
  • 一部ありきたりな展開がある

『月曜日の抹茶カフェ』のあらすじ

物語の主人公は、ショッピングモールにある携帯ショップで働く26歳の美保。

彼女は、正月休みも取らずに働き通しでしたが、ようやく取れた休日にシフトを間違えて出勤したり、狙っていたジャケットが売り切れていたり、ケチャップをこぼしたりと、ツイてないことばかり起こりました。

そこで、初詣に行こうと思い立ち、その帰りにお気に入りのマーブル・カフェに寄ろうと考えます。

しかし、マーブル・カフェは、その日(月曜日)は定休日でした。

お店に着いてからそのことに気づいた美保は、引き返そうとしますが、お店から出てきたベリーショートの女性から、「お休みだけどやってますよ。」と言われます。

ドアの「マーブル・カフェ」と書かれていたプレートに目を向けると、白いマスキングテープが貼られ、黒いマジックでつぎ足されて、「マッチャ・カフェ」に変わっていました。

抹茶カフェが気になった美保は、お店に入り、抹茶ラテとか抹茶プリンを註文しようとしますが、メニューを持ってきた5歳ほど年上の和服を着た男性に、濃茶と薄茶しかないと言われます。

そこで思い切って値段の高い濃茶を頼んだところ、ぶへっという変な声が出るほど、あまりにも強烈な味がしました。

美保はまたしても、ツイてないことが起こったと思いましたが…。という物語が楽しめる小説です。

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『月曜日の抹茶カフェ』の感想

この小説では、あらすじで紹介した物語を含めて、全部で12篇の短編が楽しめます。

先ほどの物語に続く短編では、美保がお店に入る前から抹茶カフェにいたカップルの物語が描かれていきます。

そのカップルは結婚2年目で、ホワイトデーのときにクッキーと一緒に手紙をもらったことがあると妻の理沙が言いましたが、夫のひろゆきはまったく覚えていませんでした。

そのため、妻が怒りだし…。というように、まったく別の物語が始まります。

こうして、12人の主人公がバトンタッチをしながら、次々と新たな物語が描かれていき、しかも短編同士のつながりも楽しめたので、一気に惹き込まれました。

また、理沙やひろゆきなど、前作『木曜日にはココアを』に登場した人物のその後もわかるので、前作とのつながりも楽しめました。

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とはいえ、この物語の最大のテーマは、「縁」です。

私たちは、自分のことに取り組んでいたとしても、知らず知らずのうちに誰かの背中を押すなどして、あずかり知らぬ他人を動かしている…がテーマになっています。

前作の登場人物であるアツコは、マスターと呼ばれる他人の夢を後押しする人物と出会ったことで、今では翻訳家としての仕事が入るようになりましたが、それはアツコの夫であるマークがマスターと知り合いだったからです。

また、マークがアツコと知り合ったのは、アツコのペンフレンドだったグレイスのおかげで、さらにはペンフレンドの名簿を持ってきてくれた顧問の先生のおかげでもある…というように、多くの人たちのおかげで、今の自分があることに気づかせてくれます。

このことを、作中では宮司の言葉を通して、次のように書かれています。

「わたしもね、今だって、みんなに育ててもらっています。みんなっていうのは、もちろんあなたたちもです」

このように、多くの人たちに支えられて、今の自分があることに気づかせてくれる物語が描かれていたので、これまで以上に人との縁を大切にしたくなりました。

しかも、前作同様にラストは感動できる小説です。

まとめ

今回は、青山美智子さんの小説『月曜日の抹茶カフェ』のあらすじと感想を紹介してきました。

直接的な人とのつながりだけでなく、自分に関わるすべての縁を大切にしたくなる物語です。

気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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