町田そのこさんの小説【全8作品】のおすすめランキングをご紹介

エンタメまとめ

心が揺さぶられる物語はお好きですか?

私は大好きなので、町田そのこさんの小説はすべて読んでいます。

育児放棄や虐待、いじめなど、心がかき乱されるような痛みをともなう物語にも引き込まれますが、悩み苦しむ人たちが、ほんの少し救われていく展開に、感動で涙がこぼれ落ちそうになるからです。

今回は、町田そのこさんの小説【全8冊】と、特におすすめの3冊を紹介します。

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町田そのこさんの小説の中から【特におすすめの3冊】をご紹介

では早速、町田そのこさんの小説の中から、特におすすめの3冊をランキング形式で紹介します。

第1位 星を掬う

おすすめ度:5.0

  • 想像を絶する親子・夫婦関係のひどさに心が痛む
  • 自分の人生は他の誰にも支配させてはダメだと気づかされる
  • 命をかけて生きる意義を教えようとする母の姿に涙がとまらなくなる
あらすじ
元夫から頻繁に殴られ、お金を奪われていた芳野よしの千鶴ちづるは、生きる意味を見失っていました。パン工場に勤めていたので、食べ物には困りませんでしたが、家賃などの支払いに困っていました。そこで千鶴は、賞金目当てで「あなたの思い出、売ってみませんか?」というラジオ番組の企画に申し込んだところ、準優勝になります。ところが、この放送がきっかけで、幼い頃に捨てられた母と同居している女性から、会いたいという連絡がきたので…。

元夫のDVに悩む主人公が、幼い頃に捨てられた母と再会し、互いに傷つけ合いながらも、生きる意義を見出していく物語です。

今の荒んだ生活は、幼い頃に捨てられた母に原因があると考えていた主人公が、男性恐怖症になった女性や、義母に娘を奪われた女性たちと共に暮らしていくことで、誰かの悪意を引きずって自分の人生をおろそかにしてはいけないことに気づき、変わっていく姿に、心が揺さぶられました。

また、母が娘を捨てた理由と、命をかけて娘を守ろうとする姿に感動し、涙がとまらなくなりました。

第2位 52ヘルツのクジラたち

おすすめ度:4.5

  • 想像を絶する虐待を受ける子どもたちの姿に心が痛む
  • 虐待する大人たちが抱える心の闇に恐怖する
  • 心の叫び声を聞き取れる人間でありたいと思える
あらすじ
大分県にある小さな海辺の町に引っ越してきた三島貴瑚きこは、雨の中を傘もささずに一人歩く少年と出会います。その少年は、声が出せず、身体の至るところに痣があったので、貴瑚は昔の自分と同じように虐待されていることに気づきました。そこで、自分を虐待から救ってくれたアンさんのように、そして救えなかったアンさんの代わりに、その少年を救おうとしますが、彼の母親は想像していた以上にひどく、彼をムシと呼んでバカにしていたので…。

虐待する人たちから逃げ出してきた主人公が、過去の自分と同じように虐待に苦しむ少年と出会い、救い出そうとする物語です。

殴られたり、蹴られたりするのは当たり前で、食事も1日1食で、ふりかけをかけた茶碗一杯の白飯をトイレで食べるように強要されるなど、想像を絶する虐待を受ける子どもたちの姿に心が痛みました。

それでも、心の叫び声はいつか誰かに届き、救ってくれる人が現れるかもしれないと思える展開に、感動で涙が止まらなくなりました。

第3位 ぎょらん

おすすめ度:4.5

  • 身近な人の死に苦しむ人たちが死者の思いを知ろうとする展開に引き込まれる
  • 全短篇を通して登場するニートが成長していく姿に心が揺さぶられる
  • どのような状況になっても息子のことを信じ抜く母の姿に涙する
あらすじ
大学一年生のときに親友を亡くした御舟みふね朱鷺ときは、死者の最後の思いが見えるという「ぎょらん」を口にしたせいで、30歳になった今も悩み苦しみ、ニートから抜け出せずにいました。朱鷺の親友が遺した思いが、想像を絶するほど酷かったからです。しかし、そんな兄の苦悩を知らずにいた妹の華子は、愛する上司を失った悲しみから、彼の最後の思いを知りたいと言い出します。そこで朱鷺は、彼氏のぎょらんを探しに行こうと言って、華子を連れ出しますが…。

身近な人の死に悩み苦しむ6人の主人公たちが、死者の思いを知るために、ぎょらんを口にしようとする物語です。

どの短編も、生と死について考えさせられる展開に引き込まれましたが、それだけでなく、母に漫画を捨てられただけで腹を立てて暴れるような典型的なニートの御舟朱鷺が、葬儀屋の仕事を通して、人と関わりながら、少しずつ成長していく姿に、心が揺さぶられました。

特に、引きこもっても、暴れても、朱鷺のことを信じ抜く母の姿に心が動かされ、「人は痛みを乗り越えるほど優しくなれる」というメッセージに感動で涙が止まらなくなりました。

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町田そのこさんの小説【全8冊】を発売順にご紹介

続いて、町田そのこさんの小説【全8冊】を発売順に紹介します。あらすじと感想、おすすめ度も参考にしてください。

1. 夜空に泳ぐチョコレートグラミー

おすすめ度:4.0

  • ユニークな書き出しに引き込まれて、最後まで一気に読んでしまう
  • 生きづらさを抱えながらも、懸命に生きる人たちの姿に心が動かされる
  • 大胆な仕掛けに驚かされる
あらすじ
大きなみたらし団子を食べにきた幸喜子は、差し歯が二本とも取れたので、啓太に見せて笑いました。高校生のときに、幼馴染のりゅうちゃんが喧嘩相手を殺しそうになったので、止めに入ったところ、殴られて前歯を二本失ったのです。それでも幸喜子は、りゅうちゃんのことを想っていましたが、前歯を折った彼は幸喜子を遠ざけ、離れた場所で暮らすようになりました。幸喜子は、今では啓太と二人で暮らしていましたが、突然りゅうちゃんが現れて…。

自分ではどうすることもできない生きづらさを抱えている人たちが、恋愛を通して、なんとかこの世界を泳いでいこうとする短編集です。

おばあちゃん子で、いじめられていた晴子が、突然孵化して高慢な同級生の心を折る物語や、女装する芙美のもとに、惚れていた女性がきて、妊娠したので面倒を見て欲しいと言い出す物語など、生きづらさを抱えながらも、前を向いて生きていこうとする人たちの姿に心が動かされました。

また、どの短編もラストは大胆な仕掛けに驚かされるだけでなく、「流れに負けそうになっても、この世界をなんとか泳いでいけるよ」というメッセージに励まされました。

2. ぎょらん

おすすめランキング第3位の小説です。

3. うつくしが丘の不幸の家

おすすめ度:4.0

  • 不幸な境遇に悩み苦しむ人たちが、家など自分以外に原因を求める姿に共感する
  • 想像を上回る不幸の連続に心が痛む
  • 自分なりの幸せを見つけていく家族の姿に感動する
あらすじ
夫の両親から、嫁は美容師がいいと何度も聞かされた美保理は、美容学校に入学しました。夫に店を譲るという義父の言葉を信じて、同級生の陰口や先輩の傲慢な態度にも耐えて免許を取り、美容室で働きましたが、義父は夫の弟に店を譲りました。それでも、結婚式の費用もつぎ込んで、2日後にお店をオープンするところまでこぎつけますが、夫は準備を放り出して実家の手伝いにいきます。美保理は、ここまで不幸が続くのは、買った家に原因があると考え…。

うつくしが丘にある「不幸の家」と呼ばれる一軒家で暮らす5つの家族が、自分なりの幸せを見つけていく短編集です。

遅れて反抗期になった高校生の息子と、浮気をする夫に悩まされる主婦の物語や、不妊治療がうまくいかず、妻の身体がこれ以上ボロボロになるのを見てられないと離婚届を渡す夫の物語など、不幸な境遇にいる人たちが、悩み苦しむ姿に心が痛みました。

一方で、「幸せは人から貰ったり汚されたりするものじゃないわよ。自分で作り上げたものを壊すのも汚すのも、自分にしかできないの。他人に左右されて駄目にしちゃうなんてもったいないわ」といった言葉が心に突き刺さり、自分なりの幸せを見つけていく家族の姿に感動しました。

4. 52ヘルツのクジラたち

おすすめランキング第2位の小説です。

5. コンビニ兄弟

おすすめ度:4.0

  • フェロモン出しまくりの店長が実は超真面目という設定が面白い
  • 相手の見えない本音に気づかずに傷つく人たちに共感できる
  • 一風変わった兄弟の優しさに癒される
あらすじ
コンビニチェーン店で、パートをしている中尾光莉の楽しみは、店長の志波しば三彦みつひこを観察することでした。光莉は趣味で漫画を描いていたので、ネタの宝庫として彼に夢中になっていたのです。志波は陰でフェロ店長と呼ばれるほど、溢れんばかりのフェロモンをまわりに振りまいていたので、まるでアイドルのコンサート会場のように、老若男女がコンビニに押しかけてきました。しかも、その中には、超個性的な常連客や悩みを抱えている人たちもいたので…。

美容院で働く青年の手があかぎれているのを見ると、「頑張っていたのは、この手をみればわかるよ」と言って、あかぎれを指先で優しくなでるようなフェロモン出しまくりの店長が、さまざまな人たちの悩みを解決する手助けをしていく物語です。

志波はただチャラチャラしているだけでなく、コンビニが入っているマンションに住む老人たちの体調が気になって、休日も自主的に働いたり、珈琲を少しでも美味しくするために、豆を一人で選別したりと、とにかく超真面目です。

そんな超真面目な志波と、超個性的な常連客たちが、コンビニに訪れる客たちの見えない本音に気づき、彼らの悩みに寄り添うことで、前向きに行動しようと変わっていく客たちの姿に心が動かされました。

6. 星を掬う

おすすめランキング第1位の小説です。

7. コンビニ兄弟2

おすすめ度:4.5

  • 人の痛みに無関心な主人公たちが変わっていく姿に引き込まれる
  • 本当の個性とは外見が変わっても埋没しないものだとわかる
  • 悩みを抱える主人公たちに寄り添う心優しい人たちに涙がこぼれ落ちそうになる
あらすじ
高校生の永田詩乃は、彼氏の金沢大輔に「好きな子ができたんだ」と言ってフラれました。その翌日から学校に行くと、大輔と彼女がイチャイチャする姿を目の当たりにし、周りからはフラれた女として好奇心や歪んだ感情で眺められるようになりました。そんなある日。気分が悪くなって教室から抜け出した詩乃は、門司港でオシャレをした祖母と出会います。家では笑顔を見せなく、質素倹約が第一だと言っていた祖母の、あまりの変わりように驚いていると…。

自分の痛みには敏感なのに、人の痛みには無関心な3人の主人公が、フェロモンを出しまくりの志波しば三彦みつひこが店長のコンビニで、個性豊かな人たちと出会い、変わっていく物語です。

本当の個性とは、たとえ外見が変わったとしても、埋没しない芯のようなもので、そうした魅力を身につけるには、周りから言われたことを受け入れて流されるのではなく、きちんと自分の頭で考えて悩み、迷う必要があることに気づかされました。

また、たとえ酷いことをしたとしても、後悔と反省をして、二度とやらないようにすることが大人になるということであり、そうした後悔と反省をした人たちに対して、一緒に乗り越えていこうと寄り添う心優しい人たちの姿に、涙がこぼれ落ちそうになりました。

8. 宙ごはん

おすすめ度:4.5

  • 育児を放棄して自分勝手に振る舞う母の姿に怒りが込み上げてくる
  • 家族の呪いが連鎖していく展開に恐ろしさを覚える
  • ラストは感動で涙が止まらなくなる
あらすじ
そらには、愛情いっぱいで接してくれるママ・風海ふみと、ときどき会う魅力的な母・花野かのがいました。二人の母がいて宙は幸せでしたが、小学校に上がるタイミングで、風海夫妻が海外に行くことになり、花野と二人で暮らすことになります。ところが、花野は、ご飯も作らず、宙の世話もせず、学校行事にも参加せずに、仕事と年上の恋人に夢中になっていました。宙は寂しい思いをしていましたが、花野に想いを寄せる佐伯泰弘が手を差し伸べてくれたので…。

育児を放棄して自分勝手に振る舞う母・花野と暮すことになった宙が、料理人の佐伯泰弘に助けられながら成長していく物語です。

子どもよりも、自分が愛されて守られることに夢中になる花野に怒りが込み上げてきますが、宙が傷つく姿を見て、少しずつ変わっていく展開に心が動かされました。

また、家族から受けた呪いとも言うべき「思い込み」の恐ろしさに驚く一方で、思いがこもった料理など、人の優しさに触れて、少しずつ呪いから解放されていく人たちの姿に涙が止まらなくなりました。

まとめ

今回は、町田そのこさんの小説【全8冊】と、特におすすめの3冊を紹介しました。

心がかき乱されるような痛みをともなう物語に引き込まれるだけでなく、悩み苦しむ人たちが、ほんの少し救われていく展開に、感動で涙がこぼれ落ちそうになる小説ばかりなので、未読のものがあれば、この機会にぜひ読んでください。

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