有川浩『図書館危機』/日本でも表現の自由が規制されている

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 日本では「表現の自由がある」と思っていましたが、実は規制されているようです。

 中国などの共産圏と違って自由があると思っていただけにショックでしたが、不必要な規制は無くしていくべきですよね。

 有川浩さんの『図書館危機』を読んで強くそう思うようになりました。




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 「床屋」は禁止用語

 「床屋」という言葉には、もともと性的な快楽を提供する場所という意味合いがあることから、放送業界や出版業界では、禁止用語になっているそうです。

 とはいえ、床屋として誇りを持って働いている人たちにとっては、言葉の由来なんて関係ありませんよね。

「そもそもその造反語って決めたの誰だよ、うちのジジイに一言の断りもなく『床屋』は造反語なんですなんて決めくさった奴をここに連れて来いよ!」

 とは、物語に登場する人気俳優の言葉ですが、むしろ勝手に差別用語と決めつけて安心している人間を連れてこいと罵りたくなります。

 もちろん、これはフィクションではありません。この物語は、著者である有川浩さんの友人が、「失礼やな、何でうちの実家の職業が勝手に差別用語にされてんねん」と呟いたことに着想を得ています。

 これだけでも、誰のために、何のために規制しているの?と疑問に思うのですが、それだけでなく…。

 障害をもった登場人物も規制対象

 『図書館戦争』シリーズで重要な役割を果たす人物・毬江は、地上波には登場できなかったそうです。理由は聴覚障害者だったから。

 表向きは誰もが「差別をなくそう」なんて言っていますが、裏では明らかな差別が行われているんですよね。なんだか悲しくなります。

 しかし、著者の有川浩さんは、

「毬江の地上波登場NG」をアニメ化の条件として提示されて、アニメ化を断ろうとは思いませんでした。ますますアニメ化を承諾する思いが強まりました。

 と言われています。なぜなら、毬江が登場できなかったという事実が、明確な自主規制の実例として残るからです。

 こんな話を聞かされたら…。

 図書館戦争シリーズを読んで応援しよう

 と思います。私には何の力もありませんが、こうしてブログに書くことで、少しでも不必要な自主規制がなくなればと考えています。

 『図書館戦争シリーズ』も今回で3作目。次でこのシリーズも終わりを迎えますが、表現の自由とは何か?どうあるべきか?を考えながら、読み進めていきたいと思います。

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