あざとい女性はお好きですか?
私は「それほど嫌いじゃない!」と思っていましたが、『invert Ⅱ 覗き窓の死角』を読んで、めっちゃ嫌いなことがわかりました。
トリックも、どんでん返しも面白いミステリなのに、あざとい主人公のせいで、何度も読み進めるのがツラくなりました。
おすすめポイントとあらすじ
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感想
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く、城塚翡翠シリーズの第3弾なので、かなり期待していたのですが、翡翠のあざとさが嫌になって、何度も挫折しそうになりました。
本作は、あらすじで紹介した『生者の言伝』と、翡翠をアリバイの証人に仕立て上げた写真家が犯人の『覗き窓の死角』の2話で構成されているのですが、『生者の言伝』では翡翠のあざとさが爆発します。
明らかに隠し事をしている15歳の少年に対して、翡翠が胸元をみせたり、ボディタッチを繰り返したりするシーンが続くので、娘もいる私には読み進めるのがツラくなりました。
妻が、成長した娘が、犯人を逮捕するという目的のためとはいえ、15歳の少年に対して、翡翠のようなセクハラまがいの行動をとったら、泣くしかありません。
しかも、言動の端々から、あざとさが伝わってくるので、本心で話していたとしても、裏があると疑ってしまい、友人として付き合っていくのもしんどそうです。
実際、翡翠には友人がいません。
だからこそ、『覗き窓の死角』では、偶然知り合った年上の女性と友人になり、喜びますが、実はその女性が犯人で…という普段なら心が痛む展開が繰り広げられますが、『生者の言伝』のあざとい印象が強すぎて、素直に可哀想だとは思えませんでした。
さらに、翡翠は、友人を疑ってまで捜査をすべきかどうか迷い、葛藤し、大切な人だからこそ、その人の身に何が起こったのか、どうしてそれをしなくてはならなかったのかを知らなくてはならないと、捜査に踏み出す決意をしますが、ふーんとしか思えませんでした。
それもこれも、私があざとい女性が嫌いだからです。
ちなみに、『名探偵コナン』は大好きですが、「あれれ〜おかしいぞ〜」といって犯人をネチネチ追い詰める回は嫌いなので、男女共にあざとい人が嫌いなのかもしれません。
とはいえ、本作は、トリックも、どんでん返しも面白いミステリなので、あざとい主人公が問題なく受け入れられる方にはおすすめの小説です。
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