南杏子『希望のステージ』感想/自分の言葉に責任を持とうと思える物語

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自分の言葉に責任を持っていますか?

私はそこそこ責任を持っているつもりでしたが、南杏子さんの小説『希望のステージ』を読んで、反省しました。

コロナ禍にあって、責任を持たずに根拠のない発言を繰り返している医師や芸能人もいますが、そうした言葉がどれほど大きな影響力を持つのかわかる物語だったからです。

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『希望のステージ』の情報

タイトル 希望のステージ 
著者 南杏子
おすすめ度 4.0
ジャンル ヒューマンドラマ
出版 講談社 (2021/9/15)
ページ数 464ページ (文庫本)

おすすめ度の理由

  • 命をかけてもやりたいことがある人たちの姿に心が動かされる
  • 自分の言葉に責任を持とうと思える
  • ラストは感動で涙がこぼれおちそうになる
  • 同じパターンが繰り返される

『希望のステージ』のあらすじ

32歳で独身の葉村菜々子は、ある事情で勤めていた都心の大学病院を辞め、兄が経営する実家の病院で働き始めました。

そんな菜々子のもとに、中学時代の同級生・熊田久満が、80年代に一世を風靡した78歳のヒラメ師匠を運んできます。

市教育委員会の文化企画課に勤めている熊田は、講演会をしてほしいとヒラメ師匠に依頼し、出演交渉をしていましたが、その帰り道にヒラメ師匠が転んでしまったからです。

とはいえ、手術をして1ヶ月も入院すれば治る程度の怪我でしたが、菜々子の兄は手術はしないと言い出します。

肺癌が肝臓にも転移していることがわかり、余命が3ヶ月もなかったからです。

この事実を知ったヒラメ師匠は、ショックを受けて黙り込んでいましたが、しばらくすると、演芸会をやると言い出します。

菜々子は、「舞台の上で死んでもいい」というヒラメ師匠の命懸けのステージを実現したいと思い、サポートすることに決めましたが…。という物語が楽しめる小説です。

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『希望のステージ』の感想

この小説は、全部で6つの物語から構成されています。

どの物語も、命がけでステージに立とうとする人たちの姿が描かれていたので、自分にはそんな覚悟を持てる何かがあるだろうか…と考えさせられました。

先ほど紹介したヒラメ師匠の他にも、白血病で苦しんでいるにも関わらず、どうしてもピアノの発表会に参加したいという男の子や、足のふらつきがひどいのに、創業記念式典には自分の足で立ってスピーチをしたいという女社長の姿などが描かれていたからです。

そんな命に関わる病気を抱えながらも、自らの意思で皆の前に立って生きた証を残そうとする人たちの姿に胸が熱くなりました。

物語全体としては、菜々子が都心の大学病院を辞めた理由が少しずつ明らかになっていきます。

医師としては言ってはいけない「絶対」という言葉がキーワードとなり、患者を感情的に励ますのは本当に良いことなのか?という疑問が提示されます。

それだけ医師の言葉には重い責任がのしかかっていることがわかりますが、それだけでなく、どれだけ患者のためを思って発した言葉でも、受け取られ方次第で180度意味が変わることに衝撃を受けました。

人生の最後を自分らしく生きたいと思えるだけでなく、自分の言葉には責任を持とうと思える物語です。

まとめ

今回は、南杏子さんの小説『希望のステージ』のあらすじと感想を紹介してきました。

人生の最後を自分らしく生きたいと思えるだけでなく、自分の言葉には責任を持とうと思える物語が楽しめる小説です。

気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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