アートに興味がありますか?
私はあまり興味がありませんでしたが、原田マハさんの小説『リボルバー』を読んで、ゴッホとゴーギャンの絵を実際に観てみたくなりました。
序盤はゴッホとゴーギャンの説明が長々と続くので少し退屈に感じますが、ラストは感動できる物語です。
『リボルバー』の情報
おすすめ度の理由
『リボルバー』のあらすじ
物語の主人公は、パリ八区にあるオークション会社「キャビネ・ド・キュリオジテ(通称CDC)」で働く高遠冴。
彼女は、パリ大学で美術史の修士号をとった後も、ファン・ゴッホとゴーギャンを研究テーマとして博士論文に挑戦したいと考えていたので、旅行代理店や貿易関係のオフィスでパートタイムとして働き、フランスに居座り続けていました。
そして、5年前。32歳のときに、知人のつてで美術関係の仕事ができるCDCに辿り着きます。
とはいえ、CDCは設立10年という若い会社で、それほど有名なアートを扱ったことはありませんでした。
ところが、そんなCDCに50代の女性・サラが、錆びついた一丁のリボルバーを持ち込みます。
彼女は、そのリボルバーを、ファン・ゴッホが自殺を図ったときに使ったピストルだと言いました。
しかも、ファン・ゴッホ美術館の展覧会に出品されたもので、権威のお墨付きだと言うのですが、美術館の担当者に確認すると、サラが持ち込んだものは、展示されたものとは違うリボルバーだとわかります。
では、なぜサラは嘘をついてまでリボルバーをCDCに持ち込んだのか、またサラが持ち込んだリボルバーには一体どんな秘密が隠されているのか…。という物語が楽しめる小説です。
『リボルバー』の感想
この物語は、ラストは感動で涙がこぼれ落ちそうになります。
読んで良かったと思える小説ですが、この想いに辿り着くまでに、ゴッホとゴーギャンの説明が長々と書かれていたので挫折しそうになりました。
ゴッホとゴーギャンの関係は少し複雑なので、それも仕方ないのかもしれません。
ゴッホは、自分の才能を開花させるためにゴーギャンを必要としていたのに対して、ゴーギャンはゴッホの弟・テオの出資を期待していた面がありました。
だからこそ、ゴーギャンはある程度役目を果たすと、ゴッホのもとを去ろうとするのですが、その際にゴッホは自分の耳を切って、娼婦に渡すというイカれた行動を取ります。
その後、しばらくしてゴッホは自殺しますが、ゴーギャンは告別式にも来ませんでした。
史実では二人はこのような関係だと言われていますが、果たして本当にゴッホが一方的にゴーギャンに思いを寄せるような関係だったのか?という謎に迫る物語が描かれていきます。
この謎解きに至るまでの説明があまりにも長いので、アートに興味がないと挫折しそうになるんですよね。
しかし、長い説明を乗り越え、サラが持ち込んだリボルバーの謎が明かされていく段階になると、ページをめくる手が止まらなくなりました。
想像を上回る展開に驚き、ラストは感動で胸がいっぱいになります。
アートにそれほど興味がなくても、実際にゴッホやゴーギャンが描いた絵を観てみたくなる物語でした。
まとめ
今回は、原田マハさんの小説『リボルバー』のあらすじと感想を紹介してきました。
序盤は少し退屈に感じるかもしれませんが、アートにそれほど興味がなくても楽しめるだけでなく、ラストは感動できる小説です。
気になった方は、ぜひ読んでみてください。
コメント