原田マハ『リボルバー』感想/アートに興味がなくても惹き込まれる&感動できる物語

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アートに興味がありますか?

私はあまり興味がありませんでしたが、原田マハさんの小説『リボルバー』を読んで、ゴッホとゴーギャンの絵を実際に観てみたくなりました。

序盤はゴッホとゴーギャンの説明が長々と続くので少し退屈に感じますが、ラストは感動できる物語です。

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『リボルバー』の情報

タイトル リボルバー 
著者 原田マハ
おすすめ度 4.0
ジャンル ヒューマンドラマ
出版 幻冬舎 (2021/5/26)
ページ数 336ページ (単行本)

おすすめ度の理由

  • ゴッホとゴーギャンの絵を実際に観てみたくなる
  • 謎が気になってページをめくる手がとまらなくなる
  • ラストは感動できる
  • ゴッホとゴーギャンの説明が長い

『リボルバー』のあらすじ

物語の主人公は、パリ八区にあるオークション会社「キャビネ・ド・キュリオジテ(通称CDC)」で働く高遠冴たかとうさえ

彼女は、パリ大学で美術史の修士号をとった後も、ファン・ゴッホとゴーギャンを研究テーマとして博士論文に挑戦したいと考えていたので、旅行代理店や貿易関係のオフィスでパートタイムとして働き、フランスに居座り続けていました。

そして、5年前。32歳のときに、知人のつてで美術関係の仕事ができるCDCに辿り着きます。

とはいえ、CDCは設立10年という若い会社で、それほど有名なアートを扱ったことはありませんでした。

ところが、そんなCDCに50代の女性・サラが、錆びついた一丁のリボルバーを持ち込みます。

彼女は、そのリボルバーを、ファン・ゴッホが自殺を図ったときに使ったピストルだと言いました。

しかも、ファン・ゴッホ美術館の展覧会に出品されたもので、権威のお墨付きだと言うのですが、美術館の担当者に確認すると、サラが持ち込んだものは、展示されたものとは違うリボルバーだとわかります。

では、なぜサラは嘘をついてまでリボルバーをCDCに持ち込んだのか、またサラが持ち込んだリボルバーには一体どんな秘密が隠されているのか…。という物語が楽しめる小説です。

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『リボルバー』の感想

この物語は、ラストは感動で涙がこぼれ落ちそうになります。

読んで良かったと思える小説ですが、この想いに辿り着くまでに、ゴッホとゴーギャンの説明が長々と書かれていたので挫折しそうになりました。

ゴッホとゴーギャンの関係は少し複雑なので、それも仕方ないのかもしれません。

ゴッホは、自分の才能を開花させるためにゴーギャンを必要としていたのに対して、ゴーギャンはゴッホの弟・テオの出資を期待していた面がありました。

だからこそ、ゴーギャンはある程度役目を果たすと、ゴッホのもとを去ろうとするのですが、その際にゴッホは自分の耳を切って、娼婦に渡すというイカれた行動を取ります。

その後、しばらくしてゴッホは自殺しますが、ゴーギャンは告別式にも来ませんでした。

史実では二人はこのような関係だと言われていますが、果たして本当にゴッホが一方的にゴーギャンに思いを寄せるような関係だったのか?という謎に迫る物語が描かれていきます。

この謎解きに至るまでの説明があまりにも長いので、アートに興味がないと挫折しそうになるんですよね。

しかし、長い説明を乗り越え、サラが持ち込んだリボルバーの謎が明かされていく段階になると、ページをめくる手が止まらなくなりました。

想像を上回る展開に驚き、ラストは感動で胸がいっぱいになります。

アートにそれほど興味がなくても、実際にゴッホやゴーギャンが描いた絵を観てみたくなる物語でした。

まとめ

今回は、原田マハさんの小説『リボルバー』のあらすじと感想を紹介してきました。

序盤は少し退屈に感じるかもしれませんが、アートにそれほど興味がなくても楽しめるだけでなく、ラストは感動できる小説です。

気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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