正義感を振りかざして誰かを叩いて優越感に浸っていませんか?
私はそんな悲しい人間にはなりたくないと思っていますが、
西野亮廣さんの『ゴミ人間』を読んで、改めてそんな人間にはなりたくないと強く思いました。
他人を叩く暇があるなら、自分の夢に向かって行動しようと思える内容だったんですよね。
『ゴミ人間』の情報
おすすめ理由
- 西野亮廣さんがどれだけ行動しているかがわかる
- 他人を羨んで叩く暇があるなら行動しようと思える
- アイデアよりも行動が大切だとわかる
- 革命のファンファーレと一部内容が被っている
『ゴミ人間』の簡単な紹介
今回は、西野亮廣さんの『ゴミ人間』を紹介します。
スマートに成功しているように見える西野さんが、実は裏では驚くほど泥臭い行動をとっていることがわかる本です。
また、なぜ他のお笑い芸人とは違う道を歩んでいるのかもわかります。
それだけでなく、他人の成功を羨んで、叩いている人たちにも、手を差し伸べる優しさもあります。
とはいえ、『革命のファンファーレ』と内容が被っているところも多いので、すでに読まれている方は、注意が必要です。
『ゴミ人間』の要約と感想
ここからは、『ゴミ人間』の一部要約と感想を紹介していきます。
夢を語れば笑われ、行動すれば叩かれる時代になった
要約
西野さんの映画『えんとつ町のプペル』は、夢を語れば笑われ、行動すれば叩かれる現代社会をモチーフにした物語です。
それはご自身の体験がベースになっています。
たとえば、「FNS27時間テレビ」では、西野さんがひな壇を断ったことを番組出演者をはじめ、番組スタッフ全員がなじりました。
それは笑いと呼ぶにはあまりにも陰湿で、人を楽しませる芸人の姿ではありませんでした。
しかも、公共の電波でそんなことをやるものだから、多くの国民が扇動され、いつか西野さんは、「皆が殴ってもいい人間」になりました。
それでも、西野さんは周りにあわせようとせずに、自分がやりたい道に邁進していきます。
なぜなら…。
感想
この本は、「毎日、朝7時から翌朝4時まで働いています。ノロマな僕は、労働時間で帳尻合わせすることでしかこの世界に存在することができません。」という書き出しから始まります。
自分のやりたいことを実現するために、西野さんが直向きに行動していることがわかりますが、そんな彼を何も行動していない人たちが叩いているのが今の社会です。
その背景には、「嫉妬」があります。
自分が大人になる過程で、能力や環境を鑑みて、折り合いをつけて捨ててしまった夢(=ゴミ)を、未だに持ち続け、輝かせようとする人たちが許せないからです。
そのゴミが輝いてしまうと、夢を捨てた自分たちが間違いになるので、さっさと捨てろよと叩くわけです。
そんな悲しい人間になりたいですか?
私はなりたくありません。行動している人たちを叩く暇があるなら、その時間を自分の夢のために使いたいと思います。
用意された競争に参加した時点で負けが確定する
要約
では、どうすれば夢は実現できるのでしょうか。
ひとつは、用意された競争に参加しないことです。
西野さんは、25歳のときに「はねるのトびら」がきっかけで多くの人に認知されるようになりました。
先輩方の番組にも呼んでもらえるようになりましたが、爪痕を残せば残すほど、その番組が長続きし、先輩の寿命が伸びていくことに気づきます。
つまり、どれだけ頑張っても一番にはなれないということです。
そこで、西野さんは、テレビの仕事を畳む方向で行動するようになりました。
また、タモリさんの一言がきっかけで絵本作家を目指すことになるのですが…。
感想
「用意された競争に参加しない」のは、自分ではコントロールできない要因が多いからです。
『努力不要論』にも書かれていましたが、「報われる努力」に巡り会えるかは運に左右されますが、自分がコントロールできないところを変えようとする「報われない努力」を避けることはできます。
また、ビジネス視点でも用意された競争に参加しないことは大切です。
なぜなら、既存のルールから生まれるものは、概ね同じ形をしているからです。オリジナルは、違うルールからしか生まれません。
とはいえ、どうしても新しいルールを生み出すのは難しいことだと感じますよね。
そんなときは、誰かの真似をするのではなく、人とは違う作品(文章とか商品とかサービスとか)を作ろうと決意することから始めてみてはどうでしょうか。
実際の毎日はスマートではなく泥臭いもの
要約
これまでとは違う方法で絵本『えんとつ町のプペル』を作った(クラウドファンディングでお金を集めて、クラウドソーシングでスタッフを集めて分業制で絵本を作った)西野さんは、映画化もされてスマートに成功したように見えますが、実際は泥臭い毎日だったと言います。
たとえば、『えんとつ町のプペル』をやる前の話ですが、ニューヨークで個展をやると決めたとき、現地のギャラリーはなんとか確保できましたが、予算がまったく足りませんでした。
そこで、クラウドファンディングで集めることにしましたが、Twitterでどれだけ呼びかけてもスルーされました。
このとき西野さんは、ご自身についてツイートしている人にコンタクトを取り、やろうとしていることの説明を何度も繰り返し(2週間で700名以上の方とやりとりをして)、531万円の資金を調達したのです。
とはいえ、お金を集めても、今度は集客しなければいけません。
そこで、「ニューヨーク 寒い」「ニューヨーク 美味しい」「ニューヨーク 混んでいる」といったキーワードで検索をかけ、ニューヨークに住んでいる人をリストアップし、片っぱしから個展を開催するので来て欲しいとコンタクトを取ったそうです。
しかし、オープン当日、1時間半が経ってもお客さんは誰一人やってきませんでした。
このとき西野さんは一人街中でビラを配ることにします。
すると、そのビラを持ったお爺さんが来てくれ、さらに家族まで連れてきてくれました。
これがきっかけで、その後は堰を切ったようにお客さんがギャラリーに流れ込んできたと言います。現地メディアまで取材に来ました。
つまり、どれだけアイデアが溢れていても、それ自身には意味はなく、そのアイデアを実現するために、どれだけ行動したのか?が大切だと教えてくれます。
感想
人は誰でも「楽に」「スマートに」成功したいと願っています。
だからこそ、「簡単に痩せられる」「誰でも儲けられる」「二週間で英語が話せる」といった本が売れるのだと思いますが、
現実はそんな甘いものではなく、泥臭い努力を積み上げた先にしか成功は待っていないことがわかります。
もちろん、自分ではコントロールできない、報われない努力はやめるべきですが、自分でコントロールできる努力は最大限にやるべきだと教えてくれます。
ちなみに、SNSには正義感を振りかざし、誰かを叩いて優越感に浸っている人が多いですが…。
その正義感や優越感が、一体自分にとって何の役に立っているのだろう?と冷静に考えてみるきっかけになる本だと思います。
まとめ
今回は、西野亮廣さんの『ゴミ人間』の要約と感想を紹介してきました。
『一億総ツッコミ時代』という本が売れてからだいぶ経ちますが、今でも多くの人たちが誰かを叩いて優越感に浸っています。
しかし、どれだけ他人を叩いて優越感に浸っても、自分には何も残りません(ビジネス目的で叩いている人にはお金が残りますが…)。
だからこそ、他人の足を引っ張るのはやめて、自分の夢に向かって努力することが大切だ…という当たり前のことに気づかせてくれる本でした。
気になった方は、ぜひ読んでみてください。
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