毒親という言葉が広まりましたよね。このブログでも以前紹介しました。

このエントリにも書いたように、毒親に育てられた子どもは確実に不幸になります。
そんな毒親と、その毒親に育てられた子供たちの姿が描かれた物語が山口恵以子さんの小説『毒母ですが、なにか』。
毒親とは人生をかけて闘う価値があることを教えてくれる物語なんですよね。
おすすめ度:
こんな人におすすめ
- 毒親とはどんな親なのか知りたい人
- 毒親に育てられた子供がどうなるか興味がある人
- 毒親とは人生をかけて闘う価値がある理由を知りたい人
- 山口恵以子さんの小説が好きな人
あらすじ:毒母として子供に受験を強いる主人公の物語
物語の主人公は双子の母親であるりつ子。
彼女は16歳で両親を亡くし、名家の祖父母に引き取られましたが、
高校の途中で裕福な家庭に入ったので、惨めな思いをすることが多々ありました。
高校では途中入学した彼女だけが仲間として認めてもらえなかったり、
必死になって東大に合格し、名家の御曹司と結婚しても、姑や小姑からバカにされたりと、つらい思いを重ねてきたのです。
そこで彼女は、子供たちにはそんな思いをさせたくないと考え、幼稚園受験、小学校受験をさせようと必死になりますが…。
これが毒親の始まりでした。
兄の倫太郎はりつ子の愛情を素直に受け取り、すくすくと育っていきましたが、妹の星良は受験を望んでいなかったからです。
それでも、りつ子は…。
毒親は子供と向き合おうとしない
星良に受験を強いていきます。
そもそも、星良は不器用で、受験になると緊張して本来の力が発揮できない性格をしていました。
とはいえ、とても優しく、誰とでも仲良くなれる素敵な子供でした。
しかし、りつ子は、そんな星良の良いところには目を向けず、自分が望む結果ばかりを求めるんですよね。
少しでもうまくいかないと、「この出来損ない!」と怒鳴ったり、
「今日の試験に受かれば、これまでの失敗は全部帳消しになるのよ。だから頑張るのよ。死ぬ気でやりなさい」とハッパをかけたりします。
その結果、星良は肉体的にも精神的にも追いつめられていきました。
そんな星良の姿を見ても、りつ子は…。
この続きは実際に読んでもらうとして、りつ子はどれだけ星良を追い詰めても、彼女と向き合おうとはしませんでした。
自分が考える幸せが全てだと信じていたからです。
そんな毒親の姿を見ていると…。
毒親とは闘うに限る
毒親とは闘うしかないと思えてきます。
毒親には何を言っても、どれだけ言葉を尽くしても意味がありません。
自分の都合の良いように解釈するからです。
もちろん、毒親自身は子供に愛情を注ごうとしているのでしょうが、
その歪んだ愛情を受け取って、不幸になっては本末転倒ですよね。
だからこそ、毒親とは人生をかけて闘う価値があると、山口恵以子さんの小説『毒母ですが、なにか』は教えてくれているように思います。
毒母の狂気ともいうべき一生を通して、喜劇と悲劇が味わえる物語なので、気になった方はぜひ読んでみてください。
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