まわりの人たちと温かなつながりを築いていますか?
忙しい毎日を過ごしていると、どうしてもネガティブな感情に支配されがちですが、青山美智子さんの小説『木曜日にはココアを』を読んで、それではだめだと気づきました。
目の前のことに全力を尽くし、まわりの人たちと温かなコミュニケーションがとれるようになりたいと思える物語でした。
『木曜日にはココアを』のおすすめポイントとあらすじ
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『木曜日にはココアを』の感想
12人の主人公の物語が次々とつながっていく、心温まる連作短編集です。
「目の前にいる人を幸せにしたい」という思いが、次々とつながっていく展開にグッときました。
たとえば、マーブル・カフェで働くワタルは、恋するココアさんにとびきり美味しいココアを捧げ、ココアさんはココアで癒された心で遠く離れた親友を励まし…というように、温かなコミュニケーションが次々とつながっていく展開に癒されました。
とはいえ、現実はそれほど甘くないと感じる人もいるでしょう。
悪意をもった人たちに、温かな思いを踏みにじられるかもしれません。
しかし、温かな思いを受け取っている人たちは、共通して目の前のことに全力を尽くしています。
たとえ実らなくても恋心を抱く相手にとびきり美味しいココアを捧げたり、どれだけ馬鹿にされても理想の緑色を追求したり、不遇の時代が長くても絵本の翻訳家になる夢を諦めなかったりと、悪意に翻弄されながらも、全力で何かに挑戦しています。
そして、そんな彼らの必死な行動をみた誰かがきっかけとなって夢が叶い、今度は別の誰かの夢を叶えるお手伝いをする…というポジティブなサイクルがくるくると回っています。
一方で、私自身を振り返ってみると、忙しい毎日に振り回され、ネガティブな感情に支配されがちなので、まずは目の前のことに全力を尽くし、さらに意識して誰かの幸せにつながる行動を取ろうと思いました。
そしていつかは、私自身も夢を叶え、誰かの夢を叶えるお手伝いができれば…とポジティブな気持ちになれました。
このように、まわりの人たちと温かなつながりを築きたくなる、心癒される物語に興味がある方におすすめの小説です。
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