青山美智子『木曜日にはココアを』は人とのつながりが人生を切り開くきっかけになることがわかる物語

おすすめ小説

人とのつながりを大切にしていますか?

私は結婚して子供もいるので、どうしても家族優先になってしまいがちですが、

青山美智子さんの小説『木曜日にはココアを』を読んで、今まで以上に人とのつながりを大切にしたくなりました。

人とのつながりが人生を切り開くきっかけになることがわかる物語が描かれていたんですよね。

おすすめ度:4.0

スポンサーリンク

こんな人におすすめ

  • 12編のショートストーリーが楽しめる物語を読んでみたい人
  • 人とのつながりが新たな扉を開くきっかけになることがわかる物語に興味がある人
  • 未来は恐ろしいシナリオになるとは限らない理由を知りたい人
  • 青山美智子さんの小説が好きな人

あらすじ:ココアを注文する女性客に恋する主人公の物語

物語の主人公は、マーブル・カフェに勤めているワタル。

彼は毎週木曜日の午後3時頃にやってきて、窓際、隅の席に座ってホットココアを頼む女性に恋をしていました。

英文のエアメールを読んだり、英語のペーパーブックを読んだり、窓の外を眺めたりしている少し年上の女性に惹かれていたのです。

とはいえ、こちらから話しかけるようなことはせずに、自分のできる限りを尽くそうとしていました。

彼女は決してワタルを見ようとしなかったからです。

そのため、木曜日には、とびきりおいしいココアを彼女に捧げる。それがすべてでした。

ところが、ある日。マーブル・カフェにやってきた彼女の頬に涙が伝うのを見たワタルは…。

という物語が楽しめる小説です。

感想①:12編のショートストーリーが楽しめる

この小説では、あらすじで紹介した物語を含めて、12編のショートストーリーが楽しめます。

いくつかのショートストーリーを簡単に紹介していくと、

  • 専業主夫の夫をもつ朝美が生まれて初めて息子のお弁当を作ろうと奮闘する物語
  • 幼稚園に勤めるえな先生がマニキュアを塗って出勤したことを先輩保育士から注意される物語
  • 康子の独身仲間だった理沙がバツイチの男性と結婚する物語
  • 新婚旅行でオーストラリアにやってきた理沙が結婚相手のひろゆきさんに20分ほど放置される物語
  • 結婚して50年になる美佐子が夫とのこれまでを振り返る物語

これら12編のショートストーリーは、どれも主人公が異なっていますが、

前の物語と関わりのある人物が次の物語の主人公として描かれているので、長編のような楽しみ方ができるんですよね。

凪良ゆうさんの小説『滅びの前のシャングリラ』でも、繋がりのある4つの短編が楽しめましたが、

凪良ゆう『滅びの前のシャングリラ』は当たり前の日常に感謝したくなる物語
当たり前の日常に感謝していますか? 私はどうしてもおざなりにしてしまいがちですが、凪良ゆうさんの小説『滅びの前のシャングリラ』を読んで、当たり前の日常に感謝したくなりました。 それだけでなく、自分と向き合って生きていこうと思える...

この小説では、最初の物語から少しずつ遠ざかっていき、最後にはじめの物語と綺麗につながるショートストーリーが楽しめました。

感想②:人とのつながりが新たな世界の扉を開く

この小説では、人との繋がりが新たな世界の扉を開くきっかけになることがわかる物語が描かれています。

あらすじで紹介したワタルもそのひとり。

彼は、高校を卒業して就職したチェーン店のレストランが経営不振になり、リストラにあいました。

しかし、転職活動はうまくいかず、暇に任せて歩いていたところ、カフェを見つけ、そこでアルバイト募集の張り紙があったので、マスターに声をかけました。

すると、マスターはすぐに正社員で採用と言って、マーブル・カフェをワタルに任せてしまうんですよね。

他にも、絵を描くことを趣味にしていた朝美の夫も、マスターと出会ったことで、京都で開催されるグループ展に出展できることになり、

翻訳家を目指していたアツコも、マスターに出版社を紹介してもらったことで、長年の夢だった児童文学の翻訳ができるようになりました。

町田その子さんの小説『52ヘルツのクジラたち』では、虐待されていた少年が主人公と出会ったことで救われていく物語が描かれていましたが、

町田その子『52ヘルツのクジラたち』は困っている人の心の叫びを聞き取れる人間でありたいと思える物語
自分のことばかり考えていませんか? 私は周りの人たちのことも考えているつもりでしたが、 町田その子さんの小説『52ヘルツのクジラたち』を読んで、自分のことで精一杯で、あまり周りに気を配れていないことに気づきました。 困って...

この小説では、マスターを始めとする優しい人たちとの出会いが、新たな世界の扉を開くきっかけになることがわかる物語が楽しめました。

感想③:未来は恐ろしいシナリオになるとは限らない

さて、この小説では、「未来は自分で描いた恐ろしいシナリオ通りになるわけではない」をテーマに描かれているように思います。

心臓病を患っていたメアリーはある人物と出会い、励まされて、次のように考えを改めました。

私たちは1秒先のことも知らないまま暮らしている。自分の意思だけではどうしようもない、抗えないことも向こうから訪れる。そんなとき果てなくふくらんでいく不安は、私たちにおそろしいシナリオを書かせる。自分で作ったストーリーなのに、まるで誰かに与えられた未来のように、そしてそれがもう決まってしまったかのように、私たちは脅かされる。でも本当は、そんなものはどこにも実在しないのだ。

つまり、未来は私たちの想像以上に広い世界がひろがっているんですよね。

もちろん、一人ではつまづくこともあります。

だからこそ、先ほども書いたように、人との繋がりが大切なのです。

森絵都さんの小説『ラン』では、一人ではムリでも仲間がいれば辛い現実も乗り越えられるかもと思える物語が描かれていましたが、

森絵都『ラン』は人生は一人旅だけれど走り続ければ仲間に出会えるかも!?と思える物語
人生をエンジョイしていますか? 私はエンジョイしていますが、森絵都さんの小説『ラン』の主人公は違いました。死にたいと思っていたのです。 しかし、ある自転車と出会い、さらにフルマラソンを走ることになって、考えが変わっていくんですよ...

この小説では、人とのつながりを大切にして、自分を信じて行動していけば、未来は想像以上に広い世界がひろがっていると思える物語が楽しめました。

まとめ

今回は、青山美智子さんの小説『木曜日にはココアを』のあらすじと感想を紹介してきました。

人とのつながりが人生を切り開くきっかけになることがわかる物語が楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

あわせて読みたい

青山美智子さんの小説【全5作品】の発売順とおすすめランキングをご紹介
青山美智子さんの小説といえば、猫や神様、司書などとの出会いがキッカケとなって主人公たちの悩みが解決していく物語が描かれていますが、 どの小説も前向きな気持ちになれる物語が描かれているので、これから頑張ろうと励まされるんですよね。 ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました