碧野圭『書店ガール』感想/反発しあう二人が同じ目的に向かって協力する姿に胸が熱くなる物語

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反発しあっている人がいますか?

私も昔は反発しあっている人がいましたが、

碧野圭さんの小説『書店ガール』を読んで、反発しあっている人と協力できれば想像以上の結果が出せることがわかりました。

異なる意見がうまく噛み合えば、困難を乗り越えていけることがわかる物語だったんですよね。

おすすめ度:4.0

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こんな人におすすめ

  • 反発しあう二人が協力して困難を乗り越えていく物語が好きな人
  • 書店員という仕事に興味がある人
  • 明日から頑張ろうと思える物語が好きな人
  • 碧野圭さんの小説が好きな人

作品の簡単な紹介

今回は、碧野圭さんの小説『書店ガール』を紹介します。

すごく大雑把に説明すると、多くの嫌がらせを受けた主人公が、半沢直樹のように倍返しをするのではなく、自分たちの目的のために奮闘していく物語です。

とはいえ、「こんな説明ではよくわからない!」という声が聞こえてきそうなので、もう少しわかりやすく説明すると、

物語の前半は、書店員として働く二人の女性が反発しあう姿が描かれていますが、後半はそんな二人が協力して困難に立ち向かっていく姿が描かれています。

女性同士のいがみ合いや、男性からの嫌がらせ、上司からのパワハラなどを乗り越えていく姿が楽しめるんですよね。

「明日から頑張ろう!」と前向きな気持ちになれる物語が好きな人におすすめの小説です。

あらすじ:反発しあう二人の書店員が主人公の物語

物語の主人公は、書店大手のペガサス書房吉祥寺店で副店長を務める西岡理子。

アラフォーの彼女は、最近、恋人にフラれて落ち込んでいましたが、それだけでなく、部下の北村亜紀にも悩まされていました。

亜紀は、大手文具メーカーの会長の孫だったので、多くのアルバイトが社員になりたいと思っているなか、新卒で社員になりました。

それにも関わらず、気が強く、思ったことは上司が相手でも口にします。

さらに、同僚の女性たちから人気だった三田くんと付き合い、二股をかけて別の男性と結婚したので、多くの同僚から嫌われていました。

理子はそんな亜紀の扱いに手を焼いていましたが、ペガサス書房吉祥寺店が存続の危機に陥ったので…。

という物語が楽しめる小説です。

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感想①:正反対の二人が協力する姿にグッとくる

先ほどあらすじでも紹介したように、理子と亜紀は正反対な性格をしていたので反発しあっていました。

たとえば、理子は本が棚から五ミリほど出た状態で一直線になるように整えることが理想的だと考えていました。

背が並んで綺麗に見えるだけでなく、本の背の角のところに指を引っかけて取り出しやすくなるからです。

実際、売れなかった本が棚の中で少し位置を変えただけで売れることもあります。

だからこそ、理子は亜紀にもそうすべきだと教えましたが、亜紀は、売り上げにつながらないので、時間が余ったらやると言い出しました。

それだけでなく、亜紀は思いつきの提案をしては、理子の頭が固いから通らないといって、文句を言っていたんですよね。

そんな反発しあっていた二人が、ペガサス書房吉祥寺店が危ないことを知り、協力することに。

ギヨーム・ミュッソさんの小説『パリのアパルトマン』では、正反対の男女がある目的のために協力していく物語が楽しめましたが、

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この小説でも、反発しあっていた二人が協力する姿が描かれていたので、グッときました。

感想②:書店ガールを応援したくなる

先ほどから、理子と亜紀は反発しあっていたと紹介してきましたが、実は二人にはある共通点がありました。

それは、本を愛する気持ちです。

好き勝手に振舞っていた亜紀も、本を心から愛していました。

だからこそ、彼女は大手出版社の編集者である伸光と結婚し、働かなくても生活できる環境になった今も、書店員として働き続けたいと思っていました。

一方、夫の伸光は、書店員を見下してこんなことを言い出します。

「俺たち編集者は、自分の担当作品がヒットすればそれだけ自分の評価もあがる。社内的な立場がよくなったり、社長賞をもらえたりとかね。出世にも関係するし。だけど、書店員にはそんなに頑張って、どんなメリットがあるの?」

この問いに亜紀は、作家に喜んでもらえたり、出版社の営業に喜ばれたりすることが嬉しいからと答えましたが、

「そんなことでいいわけ?」

と言われます。

お金ももらえないのに、自腹で本を買って、時間をかけて本を読み、気に入った本を推薦するなんて良いように利用されているだけだと言われるんですよね。

それでも亜紀は、自分たちの好きな本を応援したい、いい本を売るために頑張っているのだと言い切りました。

三上延さんの小説『ビブリア古書堂の事件手帖』では、古書を何よりも愛する女性の姿が描かれていましたが、

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この小説でも、本を心から愛する書店ガールたちの頑張りが描かれていたので、応援したくなりました。

感想③:異なる意見を取り入れるからこそ結果が出る

さて、この小説では、「異なる意見を取り入れるからこそ結果が出る」をテーマに描かれているように思います。

ここまで紹介してきたように、理子と亜紀は反発しあっていましたが、ペガサス書房吉祥寺店が存続の危機に陥ると、協力するようになりました。

一方で、彼女たちに嫌がらせをしたり、パワハラをしたりする男性たちは、自分とは異なる意見や考えを排除しようとします。

父が救急車で運ばれたので職場に行けないと理子が連絡しても、連絡がなかった、二日酔いで休んでいるのだろうと嘘をついたり、

人手が足りないのに従業員を引き抜いたり、デマを流したりと、さまざまな手を使って理子を排除しようとするんですよね。

そんな彼らに、理子と亜紀がタッグを組んで…。

ソン・ウォンピョンさんの小説『アーモンド』では、自分とは異なる振る舞いをする人を排除しようとする人たちの姿が描かれていましたが、

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この小説では、そんな人たちに立ち向かう理子と亜紀の姿が描かれていたので、胸が熱くなりました。

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まとめ

今回は、碧野圭さんの小説『書店ガール』のあらすじと感想を紹介してきました。

反発しあっている二人が同じ目的に向かって協力していく姿が楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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