三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ』【全10冊】の読む順番とおすすめをご紹介

エンタメまとめ

古書はお好きですか?

私は古書よりも新作本の方が好きですが、三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ』を読んで、古書も読んでみたくなりました。

夏目漱石や太宰治、藤子不二雄、シェイクスピア、江戸川乱歩、横溝正史たちが書いた小説や漫画を題材にした、古書にまつわる謎を解き明かすミステリーに引き込まれたからです。

今回は、三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ』【全10冊】の読む順番とおすすめを紹介します。

スポンサーリンク

三上延さんのビブリア古書堂の事件手帖シリーズ【全10冊】の読む順番をご紹介

では早速、三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ』【全10冊】の読む順番を紹介します。あらすじと感想、おすすめ度も参考にしてください。

1. ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~

おすすめ度:4.5

  • 夏目漱石や太宰治などの古書が読みたくなる
  • 古書にまつわる謎が気になって一気に読んでしまう
  • 五浦大輔と栞子さんの恋の行方が気になる
あらすじ
幼い頃に、祖母の部屋にあった夏目漱石全集の『それから』を手に取った五浦大輔は、いきなり祖母から2回も頬を叩かれたのでトラウマになり、大人になった今でも本が読めませんでした。ところが、祖母の遺品整理をしていたときに、『それから』に書かれていた夏目漱石のサインを見つけ、売ろうとしたことがきっかけで、本と関わる機会が劇的に増えます。ビブリア古書堂の店主・栞子さんに恋したからです。しかも、彼女には驚くべき才能があったので…。

本が読めない五浦大輔が、何よりも本が大好きな栞子さんと共に、古書にまつわる謎を解き明かしていくミステリーです。

なぜ祖母は幼い大輔の頬をいきなり叩いたのか?同級生に恋する女子高生は、なぜ興味のない文庫本を盗んだのか?サングラスをかけた男性は、なぜ大事にしていた本を売りに来たのか?など、気になる謎が次々と提示されるので、ページをめくる手が止まらなくなりました。

また、古書を手に取るだけで、持ち主の人物像を見抜く推理力や洞察力を持っているのに、ドジな栞子さんの魅力に引き込まれる一方で、彼女の自分勝手な行動に傷つく大輔の姿に心が痛みました。

2. ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~

おすすめ度:3.5

  • 司馬遼太郎の小説や藤子不二雄の漫画が読みたくなる
  • 古書にまつわる謎が気になって、ページをめくる手が止まらなくなる
あらすじ
前作でビブリア古書堂のアルバイトを辞めた五浦大輔でしたが、栞子さんと仲直りをして、再び働き始めました。そんな大輔たちのもとに、女子高生の小菅奈緒が相談を持ち込みます。小菅の妹が、救いようのない小説『時計じかけのオレンジ』の読書感想文を書き、そのことを知った両親が読む本をチェックするようになったので、やめさせたいというのです。ところが、栞子さんは、この読書感想文を書いた人は、本当の意味で小説を読んでいないと言い出し…。

仲直りをした大輔と栞子さんのもとに次々と持ち込まれる「古書にまつわる謎」を解き明かしていくミステリーです。

大輔の元カノ・高坂晶穂も登場しますが、彼女のことを深く知ろうとしなかったせいで、別れることになった大輔の姿を見て、相手に興味を持つことが大切だと改めて気づかされました。

だからこそ、その反省を生かして大輔は栞子さんと距離を縮めようとしますが、栞子さんが「私は誰とも一生結婚するつもりはありません」と答えた理由が気になって、すぐに続きが読みたくなりました。

3. ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~

おすすめ度:3.5

  • 宮沢賢治の小説やSF文庫が読みたくなる
  • 身近な人間関係に悩む人たちの姿に心が揺さぶられる
あらすじ
最近、ビブリア古書堂では、お客さんから「いい本が少ないですね」と言われるほど、目ぼしい本が入荷できていませんでした。そこで栞子さんは、大輔と一緒に「古書交換会」に参加します。文庫の出物があるかもしれないと期待したからです。実際、SF文庫の掘り出し物が見つかりましたが、ヒトリ書房の店主・井上にすべて落札されてしまいました。それだけでなく、落札した本の中にあった『たんぽぽ娘』を栞子さんに盗まれたと井上が言い出したので…。

栞子さんの母・智恵子と関わりがあった人たちを中心に、古書にまつわる謎を解き明かしていくミステリーです。

両親と確執があるビブリア古書堂の常連客・しのぶや、兄夫婦と揉めている智恵子の同級生など、身近な人間関係に悩まされている人たちの姿に心が揺さぶられました。

また、栞子さんの母・智恵子は、「盗みもやりかねない」と言われるほど嫌われていることがわかり、そんな母と連絡をとっていないという栞子さんに対して、なぜか大輔の行動を把握している智恵子の存在が気になって、ページをめくる手が止まらなくなりました。

4. ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~

おすすめ度:4.0

  • 江戸川乱歩の小説が読みたくなる
  • 誰もが二面性を持っていることに気づかされる
  • 栞子さんの決断に心が揺さぶられる
あらすじ
10年間音信不通だった母・智恵子から突然連絡が入ります。彼女は、これまで海外にいたと言い、震災があったのでマニアが蔵書の古書を手放すだろうと考え、日本に帰ってきたというのです。その後、ビブリア古書堂に智恵子に会わせて欲しいという女性が訪れます。彼女は智恵子の推理力を期待して、亡くなった愛人が残した金庫を開けてほしいと言いました。金庫を開けることができれば、江戸川乱歩コレクションを譲ってもいいと言われた栞子さんは…。

母・智恵子の推理力を期待してビブリア古書堂にやってきた女性の望みを叶えるために、栞子さんが奮闘する物語です。

依頼人の女性や亡くなった愛人、栞子さんの母・智恵子など、多くの人たちの二面性を取り上げた物語に、ある一面だけで人を判断していては見誤ることに気づかされました。

また、母・智恵子の全てを見透かしたような言動に恐ろしさを覚える一方で、栞子さんの決断に心が揺さぶられました。

5. ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~

おすすめ度:4.0

  • 手塚治虫の漫画が読みたくなる
  • 誰の話も鵜呑みにしない栞子さんが魅力的
  • 大輔と栞子さんの恋の行方が気になる
あらすじ
「彷書月刊という雑誌のバックナンバーを古書店に売っては買い戻す女性がいる」と噂されていた女性がビブリア古書堂に現れます。彼女が持ち込んだ雑誌には、所々に「新田」という書き込みがあり、弘隆社という社名の下には黒丸が書かれていました。栞子さんと大輔はその意味を探ろうとしますが、全くわかりません。ところが、常連客の篠田が連れてきた、大学教授のような風貌をしている老人が持ち込んだ雑誌にも、同じ黒丸のチェックがあったので…。

ビブリア古書堂に訪れる人たちの隠し事に迫り、悩みも解決していく物語です。

幼馴染や友人、常連客といった身近な人たちの言葉であっても鵜呑みにせずに、ひとつひとつ検証して真実を見抜き、悩みまで解決していく栞子さんの姿に心が動かされました。

また、大輔と栞子さんの恋の行方が気になって、すぐに続きが読みたくなりました。

6. ビブリア古書堂の事件手帖6 ~栞子さんと巡るさだめ~

おすすめ度:4.0

  • 太宰治の小説『晩年』が読みたくなる
  • 栞子さんと大輔をめぐる壮大な物語に引き込まれる
  • 欲望を満たすために他人を犠牲にしてきた人たちの末路に心が痛む
あらすじ
栞子さんに大怪我を負わせた田中敏雄から依頼が舞い込みます。犯罪に手を染めてまで手に入れようとした太宰治の小説『晩年』を探して欲しいというのです。ただし、栞子さんから奪おうとしたものではなく、彼の祖父が所持していたものだと言います。栞子さんはこの依頼を引き受けますが、その数日前に、栞子さんが田中を騙したことを知っているという脅しの手紙が投函されていました。大輔は田中に注意しつつ、手紙を書いた人物を探ろうとしますが…。

栞子さんに大怪我を負わせた田中敏雄の依頼を受け、彼の祖父が所持していた太宰治の小説『晩年』の行方を探す物語です。

栞子さんの祖父や大輔の祖母など、なぜか二人に関係している人たちばかりが田中の探している『晩年』に関わっていたことがわかり、その理由が気になって一気に読みました。

また、自分の欲望を満たすために、他人を犠牲にしてきた人たちの悲しい末路に心が痛みました。

7. ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~

おすすめ度:4.5

  • シェイクスピアの小説が読みたくなる
  • 幼い栞子さんを残して家を出ていった母・智恵子も好きになれる
  • 大輔の決断に心が動かされる
あらすじ
骨董屋の吉原喜市がビブリア古書堂を訪れます。彼は栞子さんが田中敏雄に売る約束をした太宰治の『晩年』を先回りして入手し、800万円という法外な値段を要求してきました。それだけでなく、栞子さんの祖母が大切にしていた本まで脅し取っていました。彼がこうした嫌がらせをしてきたのは、栞子さんの母・智恵子をおびき寄せるためでした。吉原は智恵子の父・久我山尚大の弟子で、久我山が果たせなかったことをやり遂げようとしており…。

智恵子が幼い栞子さんを残して家を出ていった理由が明かされる物語です。

古書店を営んでいた智恵子の父・久我山尚大は、智恵子に「赤、白、青の本の中から数億円の価値がある本を見抜けば、本も店もすべて譲る」と言いましたが、自分の人生は自分で決めると言って家を出て行ったことが明らかになるなど、智恵子のイメージが大きく変わりました。

また、久我山の弟子と智恵子、栞子さんと大輔の人生をかけた勝負の行方が気になってページをめくる手が止まらなくなり、その結末に心が動かされました。

8. ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~

おすすめ度:3.5

  • 古書にまつわるミステリーに引き込まれる
  • 大輔と栞子さん、娘・扉子の日常に微笑ましい気持ちになれる
あらすじ
前作から7年の月日が流れ、大輔は栞子さんと結婚し、扉子が生まれました。6歳になった扉子は、栞子さんによく似て読書に明け暮れ、本に関することなら何でも興味を持ちます。栞子さんの母・智恵子の手伝いで、海外に出かけている大輔から、扉子に読ませたくない本があるので回収して欲しいと電話がかかってきたときも、扉子はすぐに興味を持ちました。そこで栞子さんは、興味を逸らすために、古書にまつわる物語を語って聞かせますが…。

栞子さんが娘の扉子に古書にまつわる物語を語って聞かせるミステリーです。

幼い頃に親戚の叔父に性的ないたずらをされたと思い込んでいた女性が、北原白秋の『からたちの花』によって、その誤解が解けるなど、これまでのシリーズと同じように、古書にまつわるミステリーに引き込まれました。

また、栞子さんそっくりの扉子が可愛く、彼女にある本を見せたくないからと注意を逸らそうとしていた理由に、微笑ましい気持ちになりました。

9. ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ ~扉子と空白の時~

おすすめ度:4.0

  • 横溝正史の小説が読みたくなる
  • 母と祖母を上回る扉子の推理力と洞察力に引き込まれる
  • 9年越しに解き明かされる事件の謎が気になって一気に読んでしまう
あらすじ
高校生になった篠川扉子は、祖母の智恵子に呼び出されます。父・大輔が日記としてつけていた『マイブックー2012年の記録ー』と『マイブックー2021年の記録ー』を持って、行きつけのカフェに来いと言うのです。2012年と2021年に起きた横溝正史の『雪割草事件』について確認したいことがあると言われた扉子は、「なぜ、一冊の本で二回も事件が起きたのだろう」と湧き上がる疑問を抑えきれなくなり、智恵子が来るまでひとり日記を読みますが…。

幻の小説『雪割草』をめぐって起きた事件の謎に、栞子さんと大輔が挑むミステリーです。

9年越しに事件の謎が解き明かされる構成が面白く、横溝正史の小説をトレースするかのような展開に引き込まれて一気に読みました。

また、母や祖母を上回る扉子の推理力と洞察力に驚かされ、今後の活躍を期待して、早く続編が読みたくなりました。

10. ビブリア古書堂の事件手帖Ⅲ ~扉子と虚ろな夢~~

※近日更新予定。

まとめ

今回は、三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ』【全10冊】の読む順番と、おすすめを紹介しました。

古書にまつわるミステリーに引き込まれるだけでなく、恋愛要素なども楽しめるシリーズなので、未読のものがあれば、この機会にぜひ読んでください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました