小野寺史宜『縁』感想/魔が差しても止めてくれる人はいますか?

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 生きていると魔が差すような出来事ってありますよね。

 そんなとき、その誘惑に負けずにいられるかどうかは、周りにいる人たちの影響も大きいように思います。

 小野寺史宜さんの小説『縁』を読んで、魔が差しても止めてくれる人がいるかどうかで、その後の人生が大きく変わることに気づいたんですよね。




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 シングルマザーを狙っていると思われたサッカーコーチの物語

 では、あらすじから。

 物語の主人公は、ボランティアでサッカーコーチをしている室屋。

 彼はあまりサッカーが上手くない少年を試合に出場させていましたが、そのせいでその少年の母である小牧美汐を狙っているという噂がたつようになりました。

 実際、室屋は美汐に好意を寄せていましたが、美汐からは告白もしていないのに「そういう気はないので」と言われます。さらにコーチも辞めることになりました。

 そもそも、彼がボランティアでサッカーコーチをするようになったのは、転職をして一人でいることが多くなったからです。

 転職する前は測量士として働いていましたが、先輩であり、社長の息子でもある間宮速雄が意地悪で、彼の悪口を言っていたので転職することにしたのです。

 そして転職先が、鍵や靴、傘などを店舗で修理するリペア会社で、店舗を任されるようになってからは一人でいる時間が増えたのですが…。

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 誘惑に負けてしまう人たちの物語

 そんな彼のもとに誘惑に負けそうになった人たちが訪れるんですよね。

 彼氏に振られた真波もそのひとり。彼女は同期の衣沙に合コンで狙っていた男性を奪われ、しかも部長と浮気をしていたのを知り、メールで告発しようとしていました。

 しかし、真波が彼氏に振られたのは、このような正義を振りかざしていたからでした。

 電車やエスカレーターでリュックを背負っている人や傘の持ち方が悪い人たちに迷惑だとわからせるように舌打ちをしたり、

 彼が人気のお店を予約しないで連れて行くと嫌味を言ったり…といった正義を振りかざし続けていたのです。

 とはいえ、そんな彼女もパパ活をしていました。歳上の男性にご飯を奢ってもらっていたんですよね。

 ところが、パパ活をしていたおかげで彼女は他人を貶めようとする誘惑に負けずにいられました。

 その理由は…。

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 魔が差しても止めてくれる人はいますか?

 この続きは実際に本書を読んでもらうとして、小野寺史宜さんの小説『縁』は、一線を越えようとしたときに、

 どのような形であれ、止めてくれる人がいるかどうかでその後の人生が大きく変わることがわかる物語です。

 また、今回紹介した物語にも、若い女性と愛人関係を築こうと必死になる中年男性や、息子の就職のために他人のお金に手をつけようとするシングルマザーなどの物語も楽しめるので、

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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