恩田陸『きのうの世界』は気になる謎が次々と提示される物語

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気になる謎が次々と提示される物語はお好きですか?

私はそういった物語が大好きなので、恩田陸さんの小説『きのうの世界』は一気に惹きつけられました。

残念ながらラストに向かうに連れて失速していきましたが、それでも楽しめる物語なんですよね。

おすすめ度:3.0

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こんな人におすすめ

  • 次々と気になる謎が提示される物語が好きな人
  • ある町に隠された謎を解き明かす物語を読んでみたい人
  • 見たものを映像として記憶できる能力に興味がある人
  • 恩田陸さんの小説が好きな人
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あらすじ:失踪した中年男性が死体となって発見される物語

物語は、「塔と水路」がアピールポイントの田舎町で、ある人物が殺人事件の聞き込みをするところから始まります。

その殺人事件とは、水無月橋という水が流れていない木の橋の上で、市川吾郎という中年男性が亡くなっていたというものでした。

犯人は未だ捕まっておらず、凶器も見つかっていません。

第一発見者である田中健三も、事件発生から2週間後に亡くなっていました。

とはいえ、事件の謎はこれだけではありませんでした。

吾郎は東京にある大手電機メーカーで営業をしていましたが、

ある晩上司の送別会の席から忽然と姿を消し、その1年後、東京から遠く離れたこの町で、死体となって発見されたのです。

また、この町にも不思議な点が多々ありました。

三つの塔が建てられていたのですが、なぜか第三の塔は壊れたまま修理されていません。

さらに、駅前のロータリーには、「ようこそ、塔と水路の町へ」と書かれていたのに、町に住んでいる人たちは塔の成り立ちについてほとんど知りませんでした。

そんな謎多き町に、吾郎は土地開発のための調査をしているフリをして入り込み、駅の掲示板を使ってある人物とやり取りをしていたことがわかります。

吾郎はこの町で何をしようとしていたのか…という物語が楽しめる小説です。

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感想①:次々と気になる謎が提示される

先ほどあらすじでいくつかの謎を紹介しましたが、他にも気になる謎が次々と提示されます。

たとえば、

  • 殺害事件の調査をしているある人物とは誰で、何のために調査をしているのか?
  • 塔は何のために建てられたのか?第三の塔が修理されないのはなぜか?
  • 吾郎はなぜ失踪したのか?町で何の調査をしていたのか?
  • 吾郎が駅の掲示板を使ってやりとりしていた相手は誰か?また、吾郎が掲示板に貼った「ゴム毬の持ち主探し」「変な記号が書かれた尋ね人」「一箇所に赤いバツ印がついた大雑把な地図」にはどんな意味が込められていたのか?
  • 町に隠された秘密とは何か?

など、気になる謎が次々と提示されるんですよね。

漫画『進撃の巨人』でも気になる謎が次々と提示されるので、ページをめくる手が止まらなくなりましたが、

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この物語でも謎が気になってページをめくる手が止まらなくなりました。

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感想②:吾郎の特殊能力が物語の謎を解く鍵に!?

「塔と水路の町」で死体となって発見された吾郎には、ある特殊能力がありました。

それは、一度見たものをカメラのように映像として記憶できる能力です。

幼い頃は、その能力を使って図書館に行って絵本を丸々覚えていたと言います。

借りる必要がなく、図書館で気ままに何冊もページをめくり、家に帰って頭の中で夢中になって読んでいたのです。

ただし、母親からは、ぼーっとしているように見えていたので、医者に連れて行かれたりしましたが。

また、大人になってからは、地図を見て実際の風景を思い浮かべることができるようになったと言います。

そのため、「塔と水路の町」の地図を見た吾郎があることに気づき…。

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この物語では、吾郎のように見たものを映像として記憶に残せる特殊能力の存在と、その能力を持つことの大変さを知ることができました。

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感想③:伏線を回収しきれていない

さて、ここまで紹介してきたように、この物語では「塔と水路の町」と「吾郎」にまつわる謎が次々と提示されるので、前半は物語にグイグイ惹き込まれていきますが、

ラストは呆気ない終わりを迎えます。

至る所に散りばめられた伏線も回収されなかったり、回収されてもイマイチな部分があったので、少し残念な気持ちになりました。

伊坂幸太郎さんの小説『ホワイトラビット』では、散りばめられた伏線が「これでもか!」というほど気持ちよく回収されていきましたが、

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この物語では、後半に行くに連れて勢いが弱くなっていくので、前半の勢いを期待すると、ちょっと残念な気持ちになるかもしれません。

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まとめ

今回は、恩田陸さんの小説『きのうの世界』のあらすじと感想を紹介してきました。

ラストは失速しますが、次々と気になる謎が提示される物語なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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