坂木司『ワーキング・ホリデー』は優しさとは言葉やモノではなく行動で示すものだとわかる物語

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家族や友人、知人に優しく接していますか?

私は優しく接しているつもりでしたが、坂木司さんの小説『ワーキング・ホリデー』を読んで、少し反省しました。

優しさとは言葉やモノではなく、ちょっとした行動で示すものだとわかったからです。

おすすめ度:4.5

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こんな人におすすめ

  • 子供に突然押しかけられたホストの物語を読んでみたい人
  • 魅力的な人物が多数登場する物語が好きな人
  • 言葉よりもギュッと抱きしめるような優しさが大切な理由を知りたい人
  • 坂木司さんの小説が好きな人
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あらすじ:子供に突然職場に押しかけられたホストの物語

物語の主人公は、ホストクラブで働く沖田大和。

彼はちょっと見てくれがよい元ヤンだったので、ホストとしてはあまり人気がありませんでしたが、

そんな彼に「初めまして、お父さん」と言って小学五年生の男の子が押しかけてきます。

大和は全く身に覚えがなかったので驚きましたが、なんとか母親の名前を聞き出したところ、神保由希子というよく知っている名が出てきました。

さらに、息子である進は、母と喧嘩して家出をしてきたと言うんですよね。

そこで大和は「とりあえずうちに住め」と言って進を家に連れて帰りますが…。

という物語が楽しめる小説です。

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感想①:一風変わった父子関係が楽しめる5つの短編集

この小説では、あらすじで紹介した物語を含めて、5つの短編が楽しめます。

それぞれ簡単に紹介していくと、

  • ホストクラブをクビになって宅配便のドライバーとして働くことになった大和の物語
  • 進にできた友達が危険な遊びをする物語
  • なぜか鈴木孝子という女性が何度も大和を指名して宅配させる物語
  • 大和が進との最後の一週間を甘やかして過ごそうとする物語

どれも勝ち気だけれど不器用な大和が、息子の進とうまくコミュニケーションを取ろうと奮闘する物語が描かれているんですよね。

瀬尾まいこさんの小説『傑作はまだ』では、子供が25歳になってはじめて会う父子の物語が楽しめましたが、

瀬尾まいこ『傑作はまだ』感想/世界は優しさで溢れている!?
 他人と距離をとって生きていませんか?  もちろん、人によって適切な距離はあるので、ある程度距離を置くのは悪くありませんが、自ら人と関わろうとせずに生きるのは、もったいないように思います。  瀬尾まいこさんの小説『傑作は...

この小説では、小学五年生の息子と上手くやろうと奮闘する大和の姿が楽しめました。

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感想②:魅力的な人物が多数登場

この小説では主人公の大和や息子の進など魅力的な人物が多数登場します。

大和は、元ヤンで喧嘩っ早い性格をしていましたが、その一方で食べ物は残してはいけないなど古風な考えをしていました。

息子の進は、家事全般が得意で、料理や掃除、洗濯など主夫として活躍します。

先輩ホストの雪夜は、ギャルで上客のナナと一緒に大和の家を訪れては、二人が上手くやっているかを心配し、

店のオーナーであるオカマおっさんのジャスミンは、ホストだった大和をクビにして、宅配便ドライバーの仕事を紹介しました。

もちろん、宅配便ドライバーとして働く同僚たちも魅力的な人たちばかりです。

芦沢央さんの小説『バック・ステージ』でも、一癖ある魅力的なキャラクターに惹きつけられましたが、

芦沢央『バック・ステージ』は魅力ある登場人物が織りなす驚きのある物語
驚きのある物語はお好きですか? 私は大好きなのでミステリーをよく読んでいますが、芦沢央さんの小説『バック・ステージ』は驚きが5回も味わえました。 それだけでなく、魅力的な登場人物に惹きつけられる物語でもあったんですよね。 ...

この小説では、一癖あるだけでなく優しさに溢れている人たちが描かれていたので、読んでいて優しい気持ちになれました。

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感想③:言葉よりもギュッと抱きしめるような優しさが大切

さて、この小説では、「愛情に飢えた人には、言葉やモノよりもギュッと抱きしめるような優しさが必要」をテーマに描かれているように思います。

人気ホストの雪夜に会うためにホスト通いをしていたナナは、

両親ともに仕事大好き人間だったので不自由な思いをしたことはありませんでしたが、親に甘えたことがありませんでした。

だからこそ、ホスト通いをして甘えられる場所を求めていたんですよね。

大和が由希子に別れを告げられたのも、ギュッと抱きしめるような優しさがなかったからであり、

息子の進が求めていたのも、そうした優しさでした。

しかし、大和はそのことを知っていたのに、違う優しさを進に与えようとするんですよね。その結果…。

鯨井あめさんの小説『晴れ、時々くらげを呼ぶ』では、優しさの本質は他人への興味だとわかる物語が描かれていましたが、

鯨井あめ『晴れ、時々くらげを呼ぶ』感想/優しさの本質は他人への興味
他人に興味を持って生きていますか? 私はどちらかと言えば興味を持っているつもりでしたが、 鯨井あめさんの小説『晴れ、時々くらげを呼ぶ』を読んで、もっと他人に興味を持とうと思いました。 優しさの本質は他人への興味だと気づかせ...

この小説では、言葉やモノよりも、ほんの少しの行動のほうが何倍も大切だとわかる物語が描かれていました。

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まとめ

今回は、坂木司さんの小説『ワーキング・ホリデー』のあらすじと感想を紹介してきました。

はじめて会った息子とコミュニケーションを取ろうと奮闘する主人公の物語が楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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