サラリーマン病にかかっていませんか?
私はどちらかと言えば、会社でも個性を出していると思いますが、
組織の中で個性を埋没させ、集団という隠れ蓑に隠れ、個人の責任をなるべく取らなくてもいいように生きている人たちも多いように思います。
そんなサラリーマン病にかかった人たちに読んで欲しい漫画が『サラリーマン金太郎』。
サラリーマンでも自分らしく生きられるかも!?と思える物語です。
おすすめ度:
こんな人におすすめ
- 元暴走族の主人公がサラリーマンになる物語に興味がある人
- 常識外れな物語が好きな人
- サラリーマン病とは何か知りたい人
- 現実を変えたいと思っている人
あらすじ:高校中退の元暴走族がサラリーマンとして働く物語
この記事では、漫画『サラリーマン金太郎』の1巻から5巻までのあらすじと感想を紹介していきます。
物語の主人公は、妻を亡くして、幼い息子・竜太と二人で暮らす金太郎。
彼は関東全域で活躍していた八州連合という1万人の暴走族を束ねていた元頭でしたが、
ある出来事がきっかけでサラリーマンとして働くことになりました。
その出来事とは、住宅建設業界ではトップ3に入る一流企業・ヤマト建設の会長がお忍びで釣り旅行をしていたときに、
海のど真ん中で船がエンストして、死ぬ覚悟をしていた彼を金太郎が助けに現れたというものでした。
助けてもらったお礼をしたいと言った会長に、金太郎が「俺をじいさんの会社に入れてくれ」と言ったので、特別に就職できることになったんですよね。
とはいえ、会長は金太郎がサラリーマンとして活躍できるとは、まったく思っておらず、「毎日、鉛筆だけを削らせておけ」と指示していました。
ところが…。という物語が楽しめる漫画です。
感想①:どのような境遇からでも人生は変えられる
あらすじでも紹介しましたが、金太郎は元暴走族でした。
しかし、誰かを不幸にするような行動は取らず、社会不適合者とみなされた自分たちの鬱屈した気持ちを吐き出すために行動していました。
とはいえ、暴走行為そのものは社会から受け入れられるものではありません。
そのため、金太郎は地元の漁師として細々と暮らしていたのですが、
持ち前の優しさを発揮して、偶然出会ったヤマト建設の会長を助けたことで、サラリーマンとして働くチャンスを手にするんですよね。
村山早紀さんの小説『桜風堂ものがたり』の主人公・月原一整も、ある出来事がきっかけで窮地に追いやられましたが、
これまでの誠実な行動を見てきたある人物が、彼に新たなチャンスを与えました。

このような物語を読むと、たとえ今すぐ報われなくても、日々の行動の積み重ねが大きなチャンスにつながるのかも…と思えてきます。
感想②:信念があれば人はついてくる
先ほど紹介したように、金太郎は鉛筆削りしかさせてもらえませんでしたが、
そんな金太郎の存在が次々と会社を動かしていくんですよね。
たとえば、金太郎が入社した当時、社長をしていた大島は、建設省からヤマト建設に天下ってきた人物でしたが、
それは公団に天下りをするというよりも、ヤマト建設を乗っ取った方が数段割がいいと考えていたからでした。
そのため、会社を一代で築きあげた会長を引きずり下ろすために、自分の命令に従う部下ばかりを集めたり、
株を不正に入手するなど、会社乗っ取りに向かって次々と手を打っていきます。
一方の金太郎は、そんなことは全く知りませんでしたが、
「会社の連中…じいさんの顔見てる時は、みんな、おだやかな顔している」
「しかしよォ、社長の顔見ている時はビクビクしてんぜ」
と言って、会社を辞めようとしていた会長を慰留します。
それだけでなく、会社に乗り込んできたヤクザと対峙した後に、社長室に呼ばれて「クビだ!」と言い渡された金太郎は、
「会社の社長ってのは親だろう」
「子供が不始末おかしたら、てめえの体張ってでも守るのが親の役目だぜ」
「敵が正面から上がって来てんのに、てめえらシカトかよ。下っ端の部下にあずけて雲隠れかァ」
「子供達が泣いている時に逃げやがったクソがよォ。何もかもすんだ後で子供いじめか!?偉そうな口叩いてんじゃねえ!!うすバカヤロォー」
と言い返すんですよね。
他にも、酔っ払ってチンピラに絡まれていたサラリーマンを助けても何も言わずに立ち去ったり、そのサラリーマンの息子を叱って更生させたり、
電車で痴漢に遭遇したので犯人を特定して追いつめても、その人にも家族がいることを知ると、何も言わずに引き返したりと、
とにかく男らしさが半端ありません。
司馬遼太郎さんの小説『最後の将軍』では、信念のない徳川慶喜の姿をみて、多くの人たちが離れていきましたが、

一方の金太郎は信念をもって行動していたので、多くの人たちが惹きつけられ、励まされ、彼と一緒に行動したいと思うようになっていきます。
信念をもって行動すれば、多くの人たちを惹きつけることができるとわかる物語です。
感想③:仕事とは何か?がわかる名言が盛りだくさん
さて、この漫画では、仕事とは何か?がよくわかる名言が随所に散りばめられています。
たとえば、新社長が従業員に語った「大将になる条件」とは、
- 正直であること
- 気前がいいこと(自己犠牲をしてでも守ってやるという精神)
でした。今を生きる会社員に足りない気概ですよね。
他にも、新入社員研修に参加した金太郎は、その打ち上げで、役員会を見学させてくれと言い出します。
その理由を、
「私は会社と恋愛をしたい」
という言葉で表現します。
就職すると会社とかなりの時間をかけて関係していくことになるので、秘密はタブーだと言うんですよね。
また、命がけで仕事に取り組む金太郎の姿を見たある人物が、個人として責任を取りたがらないサラリーマン病にかかっている人間が多いなかで、
「保身のためなどと不自由な根をはっておらぬ」
と金太郎を褒め称えます。
このような登場人物たちのセリフに「仕事とはどういうものか」を教えられる物語です。
まとめ
今回は、サラリーマン病にかかった人たちに読んで欲しい漫画『サラリーマン金太郎』について紹介してきました。
私もこの物語を読んで、ハッと気づくことが多かったので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。
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