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 本『10年後、君に仕事はあるのか?』の著者・藤原和博さんは、2020年代には、今よりも求人が半減すると予測されています。

 その理由は次の2点。

  1. ロボットとAIの活躍によって仕事が激減する
  2. 東京オリンピックの後は景気が大幅に落ち込む

 野村総合研究所がオックスフォード大学と共同で行った研究結果によると、いま日本にある仕事の約49%がAIとロボットに取って代わられるそうです。

 また、週刊ダイヤモンド編集部が調べた「AIに取って代わられやすい仕事ランキング」を見てみると、経理事務や銀行窓口、医療事務などの事務仕事が、99.9%以上の確率でAIに取って代わられると予測しています。

 つまり、早く正確に処理する単純な仕事は、AIとロボットに取って代わられるということ。

 さらに、2020年には東京オリンピックの開催が予定されていますが、過去のオリンピック開催地のその後の景気を見てみると、高確率で悪化しています。

 このような理由で、2020年代には、今よりも求人が半減すると予測されているのですね。

 では、10年後に仕事を得るにはどのような力が必要なのでしょうか。特に、今から10年後以降に社会人になる方に向けて考えてみたいと思います。

 学力は不要?

 インターネット上には膨大な知識が蓄えられていますよね。グーグルで検索すれば大抵のことはわかります。10年後には、より多くの知識が蓄えられ、もっと簡単にアクセスできるようになっているでしょう。

 それなら、学力なんて必要ない…と考える人も多いはず。

 たしかに、コロンブスがアメリカ大陸に到着した年号を覚える必要はないかもしれません。

 しかし、コロンブスのアメリカ大陸到達が世界にどのような影響を及ぼし、ヨーロッパの国々の力関係がどのように変化したのか、日本やアジアにどのような影響を及ぼしたのか、といった問題に取り組むには、世界史や日本史の基礎知識が欠かせません。

 グーグルで検索するにも、適切なキーワードが必要ですし、膨大な資料のなかから有用なものを探り当て、優先順位をつけて読み、自分の知識として吸収したり、他人に説明しようとすると、情報を早く正確に処理する学力が不可欠です。

 実際、学力があるほうが優位に働くことも多々あります。ディベートで意見を戦わせる場合でも、ビジネスの交渉の場面でも、客先でのプレゼンでも、小手先の見せ方ではなく、圧倒的に知識があるほうが勝ちます。

 スポーツや芸術に特化した才能がない限り、10年後にも学力は必要なんですね。

 学力に加えて必要になる力「情報編集力」

 ここまで学力は必要だと書いてきましたが、もちろん学力だけでは足りません。正解のある問題は、いずれAIとロボットが解いてしまうからです。

 そこで必要になるのが「正解のない問題に取り組む力」。

 ここでいう「正解のない問題」とは、学校の先生であれば、一人ひとり個性が違う生徒に対して、どうすればやる気が出るのか?勉強するようになるのか?を考え、行動すること。具体的には、適切なタイミングで動機付けたり、叱ったり、背中を押したり、勇気付けたりすることです。

 こうした人間らしい力を本書では「情報編集力」と名付けていました。インプットをアウトプットに変える力ですね。

 では、どうすれば「情報編集力」が身につくのでしょうか。ここではその方法を3つ紹介します。

①10歳までは思い切り遊ぶ

 外遊びを体験すると、空間認識やバランス感覚、情報編集力が鍛えられるそうです。

 たとえば、缶けりで遊ぶ場合、隠れている友人を見つけるには、どれくらい缶から離れても大丈夫か、どこに誰が隠れていそうか…など考えることが盛りだくさん。

 しかも、こうした予測は外れることも多く、現実にあわせて考えを修正し、対応していく力が求められます。

 子どもは外遊びを通して多くのことを学びます。10歳までは思い切り外遊びをすることが大切なんですね。

②仮説を立てる&修正を繰り返す

 では、10歳を過ぎたらどうすればいいのでしょうか。結論から言えば「仮説を立てる&修正する」を繰り返すことです。

 たとえば、テスト勉強や受験勉強をする場合でも、出題範囲を闇雲に勉強するのではなく、授業の濃密さや過去問等から出題問題を予測して勉強します。

 その結果、予測と外れることもあるでしょうが、なぜ予測が外れたのか?を考え、修正していけば、効率良く勉強できるようになれます。

 もちろん、スポーツでも、仕事でも同じです。何をする場合でも、「仮説を立てる&修正する」を繰り返していけば、自分の頭で考える習慣がつきます。

③面倒なほう、厳しい道、よりタフな状況を選ぶ

 AIとロボットが活躍する時代になると、自動販売機やエレベーター、カーナビなど、あらゆるものが話すようになり、私たちの生活はますます便利になるでしょう。

 私たち人間が何も考えなくても必要なものが与えられる時代になるかもしれません。

 もちろん良い面もありますが、与えられることに慣れてしまうと、あらゆる場面で思考停止になってしまいます。

 そこで大切になるのが「面倒なほう、厳しい道、よりタフな状況」を選ぶこと。そうすれば、みんなと同じ道を選んで自分の価値を失わずにすむだけでなく、経験を通じて希少性を高めていけます。

 ラクな時代に、あえてしんどい道を選ぶことが大切なんですね。

 最後に

 10年後の未来がどうなっているかは誰にもわかりません。しかし、今回紹介した方法は、どんな時代が訪れても自分らしく生きるのに役立つ力です。

 私の子どもたちも、そして私自身も身につけておきたい力なので、今日から挑戦していきたいと思います。

 また、本書には今回紹介した内容以外にも、10年後に活躍するために必要な力とは何か?が詳しく載っています。気になった方はぜひ読んでみてください。

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