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 昔話はお好きですか?

 私は教訓めいた物語があまり好きではないので、それほど好きではありませんが…。

 青柳碧人さんの小説『むかしむかしあるところに、死体がありました。』は、昔話から教訓を取っ払って探偵ものに仕立て上げた物語なので楽しめました。

 昔話が好きな方にも、そうでない方にもおすすめのミステリー小説です。

 実は一寸法師は悪者だった!?

 では、あらすじから。

 物語は三条右大臣の娘である春姫様が存生祀りの参詣から帰る途中に鬼に食べられそうになるところから始まります。

 家来たちは春姫様を守ろうと鬼に立ち向かいましたが、まったく歯が立ちませんでした。

 このとき活躍したのが五日前からお屋敷に仕えはじめた一寸法師です。

 彼はすぐに鬼に喰われてしまいましたが、腹の中で針の刀を刺して暴れ回り、鬼を降参させました。

 そして鬼の宝である打ち出の小槌を使って人並みの大きさになった一寸法師は、春姫様と結婚することになりましたが…。

 婚儀の儀式が終わり、宴がはじまっていた頃、黒三日月という検非違使がやってきて、冬吉という三条右大臣の落とし子が殺されたと言いました。

 もし、冬吉が本当に三条右大臣の息子で、「自分が跡取りである」と主張すれば、一寸法師にとっては厄介なことになったはずです。

 そこで黒三日月は一寸法師を疑っていたのですが、冬吉が殺されたちょうどその頃、一寸法師は鬼の腹の中にいました。

 一寸法師が使ったトリックとは…。

 全5篇の昔話ミステリーが楽しめる

 この続きは実際に本書を読んでもらうとして、青柳碧人さんの小説『むかしむかしあるところに、死体がありました。』は、このような昔話ミステリーが5篇も楽しめます。

 他の4篇について簡単に紹介しておくと、

・殿様からもらったご褒美をすべて村に寄付するような人の良い花咲爺さんを殺したのは一体誰?
・恩返しにやってきたツルが、反物を織っている間は部屋を覗いてくれるなと言いますが、ツルを助けた青年が奥にある襖を覗くなと言ったのはなぜ?
・竜宮城で起こった伊勢海老のおいせ殺人事件を解決した浦島太郎に、助けた亀がぶつけた疑問とは?
・桃太郎が鬼退治をしてから月日が流れた今、なぜか鬼ヶ島で再び鬼退治が起こる!?

 です。どれも昔話にちなんだ謎とトリックが用意されているので、他の探偵ものとは一味違う謎解きが楽しめますよ。

 昔話を探偵ものに仕立て上げたミステリー小説

 というわけで、青柳碧人さんの小説『むかしむかしあるところに、死体がありました。』は、他のミステリーとは一味違った昔話ミステリーが楽しめます。

 昔話を懐かしく思い出せる物語としても、昔話のパロディとしても、昔話らしいトリックに驚かされる物語としても楽しめるので…。

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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