畠中恵『うそうそ』は他人を犠牲にしても利益を得ようとする人たちの物語

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他人を犠牲にしても自分が得すれば良いと思っていませんか?

私は幼い頃から親に徹底的に躾けられてきたので、そういう考えにはなりにくいと思っていますが、

畠中恵さんの小説『うそうそ』に登場する人たちは違いました。

誰かの犠牲の上に自分の幸せを築こうとするんですよね。

おすすめ度:4.5

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こんな人におすすめ

  • 『しゃばけ』シリーズが好きな人
  • 一味違う時代ミステリーを読んでみたい人
  • 魅力的な妖怪が多数登場する物語が好きな人
  • 畠中恵さんの小説が好きな人
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あらすじ:一太郎が生まれて初めて旅に出る物語

前作に続いて、相変わらずの病弱っぷりを発揮している一太郎にさらなる悲劇が押し寄せます。

地震のせいで頭の上に籠が落ち、頭を切ってしまったのです。

しかし、そのおかげで生まれて初めての旅、箱根へ湯治に行けることになりました。

一太郎に同行するのは、何よりも一太郎を大切に思う仁吉と佐吉、そして兄・松之助の三人。

初めての旅に張り切っていた一太郎でしたが、船に乗るとすぐに仁吉と佐吉がいなくなってしまいました。

何かあったに違いない…。

そう思った一太郎でしたが、どうすればいいかわからなかったので、兄・松之助と二人で引き続き箱根を目指すことにします。

その結果、誘拐、天狗の襲撃、止まらない地震など、次々と難題が押し寄せてくるんですよね。

一太郎はこれらの難題にどう挑むのか!?という物語が楽しめます。

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自分が救われるなら他人を犠牲にしても良い!?

『うそうそ』に登場する多くの人たちは、窮地に陥った自分が救われるなら、他人を犠牲にしても良いと考えていました。

たとえば、龍神が酷く暴れたせいで災いを被った村人たちは、生贄の娘を差し出して龍神の怒りを鎮めようとします。

幕府から土木工事を命じられた小藩の武士たちは、一太郎たちを人質にとって土木工事から逃れようとします。

他にも、地震をおさめるために一太郎を生贄にしようとする村人が現れるなど、誰もが自分のことばかり考えているんですよね。

読むと腹が立ってきますが、よく考えると自分も似たような選択をしていることに気づきます。

責任転嫁したり、屁理屈を言ったりしながら…。

自分の弱さを見つめ直すきっかけになる物語です。

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一歩でも前に進もうとする一太郎に勇気付けられる

このように、多くの人たちに命を狙われ、窮地に陥った一太郎でしたが、決して諦めることはありませんでした。

なぜなら、

今を苦しいと思うのなら、次の手を打たなくてはならない。でなければ、ずっと苦しいままだ。

と考えていたからです。

どうにもならないことが起きても、出来ることをひとつでも増やそうとするんですよね。

そんな一太郎の姿に感動して、励まされる物語です。

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まとめ

今回は、他人を犠牲にしても利益を得ようとする人たちを描いた畠中恵さんの小説『うそうそ』を紹介してきました。

一方で、そんな自分のことしか考えない人たちを前にしても、他人のために一歩踏み出す一太郎の優しさと強さに感動し、励まさられる物語です。

気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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