小野寺史宜『タクジョ!』はタクシードライバーという職業に興味が持てる物語

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タクシードライバーという職業についてどれだけ知っていますか?

もちろん、身近な職業なので、ある程度は知っていましたが、

小野寺史宜さんの小説『タクジョ!』を読んで、実はあまり知らなかったことに気づき、興味が持てました。

それだけでなく、男社会で生きる女性の大変さがわかる物語でもあったんですよね。

おすすめ度:4.0

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こんな人におすすめ

  • タクシードライバーという職業に興味が持てる物語を読んでみたい人
  • 男社会で生きる女性の大変さがわかる物語を読んでみたい人
  • 恋をとるか仕事をとるかで悩む主人公の物語に興味がある人
  • 小野寺史宜さんの小説が好きな人
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あらすじ:女性タクシードライバーが主人公の物語

物語の主人公は、大学を卒業してタクシードライバーになった高間夏子。

彼女がタクシードライバーになったのは、運転が好きだったこともありますが、

大学二年生のときにストーカーに襲われた女性のニュースを見たことがキッカケでした。

ストーカーに狙われていることに気づいていたその女性は、夜遅くなったときに駅からタクシーに乗りましたが、

男性ドライバーに自分が住むアパートを知られるのも嫌だったので、手前の大手通りで降りました。

ところが、そこから家に帰る途中でストーカーに襲われたんですよね。

このニュースを見た夏子は、女性のタクシードライバーが増えればいいなと思い、だったら私がなろうと考え、タクジョになったのです。

こうしてタクシードライバーになった夏子でしたが、さまざまなアクシデントに巻き込まれて…という物語が楽しめる小説です。

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感想①:タクシードライバーという職業に興味が持てる

この物語では、これまで知らなかったタクシー業界の仕組みが興味深く学べます。

たとえば、タクシーには営業区域があり、その区域内でしか営業できません。

もちろん、営業区域外に行く長距離のお客さんを乗せることもできますが、帰りは営業区域内に戻るお客さんしか乗せられないんですよね。

もし乗せてしまうと、ドライバーは罰せられて、会社まで責任を取らされます。

そのため、長距離のお客さんを乗せた帰りは、空車ではなく回送にしてしまうことが多いそうです。

また、ドライバーの負担を考慮して一日に走れるのは365キロと決まっています。

他にも、多くのドライバーは午前八時から翌午前五時まで働きますが、隔日勤務で、1ヶ月に11、12日しか出勤しないと言います。

一日で二日分働くことになるので、しんどい部分もありますが、休日は多く、女性でも男性同等の給料が稼げる職業なんですよね。

朝倉宏景さんの小説『あめつちのうた』では、グラウンドキーパーという特殊な職業に興味が持てる物語が描かれていましたが、

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この小説では、身近なのに知らないことだらけのタクシードライバーという職業に興味が持てました。

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感想②:男社会で生きる女性の大変さがわかる

先ほどこの小説は、タクシー業界に興味が持てる物語だと書きましたが、タクシー業界は想像通りの男社会でした。

女性のドライバーは、全体の3%程度しかいません。

それだけ女性は珍しいので、よくナンパされるそうです。夏子も4ヶ月で3回もナンパされました。

一方で、男性はどれだけイケメンでも、ドライバーに興味を持つ人が少ないのでナンパされないと言います。

明らかに女性ドライバーの方がリスクがありますよね。

もちろん、それだけでなく、女性ドライバーというだけで技術的に劣っていると思い込んで、怒りをあらわにするお客さんもいます。

また、女性ドライバーだからと舐めて、無賃乗車をしようとする人たちや、お金を脅し取ろうとする人たちもいます。

個室という空間を長時間共有するため、ドライブレコーダーがあっても、変なことをしようとする乗客がいるんですよね。

古川智映子さんの小説『土佐堀川』では、主人公の広岡浅子が男社会で奮闘する姿が描かれていましたが、

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この小説でも、男社会で奮闘する夏子の姿を通して男社会で生きる女性の大変さがわかりました。

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感想③:恋をとるか仕事をとるかで悩む主人公の物語

さて、この小説では、夏子の恋物語も描かれています。

出会のキッカケは、母から持ちかけられたまったく乗り気でなかったお見合いでしたが、

会ってみると好印象な男性だったので、夏子はその男性・森口鈴央と付き合うことにしました。

ところが、デートを重ねていくうちに、鈴央はタクシードライバーをやめて欲しいと言い出すんですよね。

真面目な彼は、将来結婚したときに、無賃乗車をしようとする人たちや、お金を脅し取ろうとする人たちに遭遇しないか心配していたのです。

もちろん、それほど遭遇確率は高いわけではありませんが、夏子は4ヶ月の間にこの両方に遭遇していました。

谷瑞恵さんの小説『語らいサンドイッチ』では、仕事と恋愛の両立に悩む主人公の姉の姿が描かれていましたが、

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トゲトゲしい気持ちで日々の生活を送っていませんか? 私は仕事やプライベートで忙しくなると、どうしてもトゲトゲしい気持ちが出てきますが、 谷瑞恵さんの小説『語らいサンドイッチ』を読んで、そんな気持ちがふわっとどこかへ消え去りました...

この小説でも男社会で生きる女性ならではの悩みと向き合う主人公の姿にいろいろ考えさせられました。

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まとめ

今回は、小野寺史宜さんの小説『タクジョ!』のあらすじと感想を紹介してきました。

タクシードライバーに興味が持てるだけでなく、恋物語も楽しめる小説なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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