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 自分さえ良ければいいと思っていませんか?

 もちろん、誰にでもそういう部分はありますが、東野圭吾さんの小説『容疑者Xの献身』を読んで、他人の不幸の上に自分の幸せは絶対に築けないことがわかりました。

 それだけでなく、相手を間違えると、どれだけ誠意を尽くしてもすべてが無駄になることがわかる物語なんですよね。

 別れた夫にお金をたかられる女性の物語

 物語のヒロインは弁当屋で働く花岡靖子。彼女は、高校生の娘・美里と二人で幸せに暮らしていましたが、別れた夫の富樫に住処を見つけられ、人生が一変しました。

 富樫が毎日のように家や勤め先に訪れてお金を要求するようになったからです。それだけでなく、血のつながりのない美里にまでちょっかいを出すようになりました。

 そんな富樫をどうにかしないといけないと思っていた靖子でしたが、ある日、娘の美里が富樫の頭を花瓶で殴りつけたことをキッカケに、富樫を殺してしまいます。

 靖子は自首しようとしますが、アパートの隣の住人である石神が突然やってきて、殺人事件の隠蔽に協力してくれると言い出しました。

 石神は弁当屋に来る常連でしたが、靖子と親しい間柄ではありませんでした。そのため、はじめは戸惑っていた靖子でしたが、彼の協力を受け入れることにします。

 こうして、石神の人生をかけた献身が始まるわけですが…。

 石神の不幸の上に自分の幸せを築こうとする靖子

 その後、旧江戸川の堤防で他殺体が発見されます。警察はその遺体を富樫として調査を進め、すぐに靖子と美里に辿り着きますが…。

 なぜか彼女たちにはアリバイがありました。殺害時刻に映画館やラーメン屋、カラオケ店にいることが半券や証言により証明されたのです。

 もちろん、このアリバイは天才数学者である石神が考えた策でしたが、警察にも崩せないアリバイに安心した靖子は、石神の恩を忘れて、他の男性と二人きりでデートを重ねるようになりました。

 それだけでなく、徐々に石神を鬱陶しく思うようになるんですよね。娘の美里に注意されても、その男性とのデートをやめませんでした。

 その結果、美里が思わぬ行動に出ます。さらに、警察に崩せなかったアリバイを暴いた湯川が靖子に真実を告げに行きます。

 真実を知った靖子は…。

 他人の不幸の上に自分の幸せは絶対に築けない

 物語の続きは実際に本書を読んでもらうとして、東野圭吾さんの小説『容疑者Xの献身』は、他人の不幸の上に自分の幸せを築こうとしても絶対に築けないことがわかる物語です。

 物語としては、物理学者の湯川と天才数学者の石神の対決が楽しめるだけでなく、叫びだしたくなるほどの衝撃の結末が用意されています。

 また、石神の靖子を想う愛情に涙なしには読めません。特に、物語の最後で石神が四色問題を解く理由がわかると…、とても切なくなりました。

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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